はじめてWEBエキスパート(専門家)コラム 初心者のためのウェブ文章入門(全6回)

ウェブ文章の押さえておきたい基本・4つのポイント

文章が苦手な方や、なかなか文章作成が進まないという方に向けて、スムーズにウェブ文章が作成できるコツを解説していきます
※「はじめてWEB」は2020年10月13日をもってサービスを終了しました。

はじめてWEBのように、簡単にホームページ作成ができるツールが広まるとともに、年々ウェブで情報発信をする人が増えてきました。ところが、操作方法はわかるけれど、文章が書けないために、ホームページ制作が進まないというケースが、実は少なくありません。

そこで、本コラムでは文章が苦手な方や、なかなか文章作成が進まないという方に向けて、スムーズにウェブ文章(=ホームページ上で使用される文章)が作成できるコツを、6回に分けて解説していきます。ホームページを作成される際に、ぜひ参考にしてください。

日本人は「文章」が苦手?

ホームページ制作代行や講師としてサポートの仕事をしている中で、「文章が書けない」「進まない」というお話は、本当によく耳にします。実際に「文章が苦手」と思っている人はどのぐらいいるのでしょうか?

こちらにご紹介するグラフは、小学生の作文に関するアンケート結果です。6割以上の子が作文が嫌いと答えています。

小学館集英社プロダクション運営「文章力.com」より

もちろん、ビジネスで使用する文章と小学校の作文とは異なる部分はありますが、6割以上が小さいときから「文章を書く」ことに対して、苦手意識を持っていることがわかります。ここを読んでいる貴方だけではありません。苦手な人はたくさんいるのです。

とはいえ、ネットを活用して情報発信をするとなると、「文章を書く」という作業から逃れることができません。

  • 表現力に自信がない
  • 語彙力がない
  • 考えるのが面倒

・・・だから書けない!とも言っていられない状況になっています。そこで、次項からは実際の文章を書くとなったときに、押さえておきたい4つのポイントを解説します。

(1) クリエイティブな文章やカッコイイ文章より「伝わる文章」を

文章を書くときに、プロのライターが書いたような「スゴイ文章」を書かなければならばならないと身構えてしまう人も少なくないようです。しかし、ウェブ上では、数秒で読むか読まないかを判断し、またページ内に滞在する時間も紙媒体と比較した時に短いという傾向があります。

こうした特性をふまえると、ウェブ文章に求められるものは、「わかりやすい文章」「伝わりやすい文章」ということになるでしょう。次の2つの文章を比較してみてください。輸入ワインの商品紹介文です。

【商品紹介文A】

春の日差しのように柔らかでフルーティー。芳醇でリッチな口あたりは、極上の美味しさを醸し出しています。琥珀の色の神秘への味わいは、今宵ラグジュアリーな世界へあなたを誘うでしょう。

【商品紹介文B】

店長が現地で直接買い付けたワインです。まろやかな味で、ワイン初心者にもおすすめ。3本セットで、通常価格の20%オフ!カジュアルな贈り物にも喜ばれています。

どちらが正解ということはないのですが、ウェブ上で2つの文章を比較したときに、「素早く特長をつかむ」という意味では、「商品紹介文B」の方が適していると言えるではないでしょうか。ウェブ上では「早い・安い・うまい」のように、短い時間で特長がつかめる文章の方が、成果に繋がりやすい傾向があります。

※Aの書き方がダメということではありません。「商品の特長やメリットが、短時間で把握できる」にフォーカスした時には、Bの方が適しているということです。

(2)「誰に」を明確にすることで、文章は書きやすくなる

文章を書く際に、「誰に向けて書いているか」が明確になっていますか?なかなか文章作成が進まないという人の中には、「誰に」がはっきりしていないケースが少なくありません。例えば、20代から30代の女性向けに文章を書くことになったとしても、独身や既婚、あるいはライフスタイルによって、「響く言葉」が異なってきます。

次の例を比較してみましょう。

【C子さん】

現在、30代前半の専業主婦で1児の母。初めての子育てに追われる毎日で、時間も心もゆとりがない。子供が幼稚園に行く頃になったら、趣味のレッスンも再開したいと思っている。今は子供が寝た後に、スマホでネットショッピングするのが息抜きになっている。ご主人はサラリーマンで、東京郊外の一軒家住まい。

【D美さん】

独身20代後半のOL。地方から出てきて、現在首都圏の1LDKに1人暮らし。仕事は忙しいが、残業はそれほど多くないため、何か習い事をしようと思っている。調べ物をする時は、もっぱら会社の昼休み。パソコンを使うことが多い。趣味は、好きなアーティストのコンサートへ行くこと。

同じ20代後半~30代の女性と言っても、上記のように生活環境が違えば、商品を購入する際に注目するポイントが違ってきます。

例えば、2人とも新しいバッグが欲しいと思っているとします。全く同じ商品を売るにしてもC子さんが対象であれば「機能性」や「手軽さ」に訴求した方が売れそうですし、D美さんが対象であれば「品質」や「スタイル性」を強調した方が良さそうです。

このように対象者を明確にすることで、文章の方向性が見えてきます。架空の人物像を思い浮かべるのが難しければ、身近にいる「属性が近い人」を思い浮かべ、その人に話しかけるようにして書いてみましょう。

(3) 書きたいことを箇条書きにしてみよう

「文章を書こう!」と気合を入れて、真っ白な紙や文書作成ソフトに向っても、なかなか文章が浮かんでこない・・・そんな経験はありませんか?いきなり文章を書くという作業は、プロでも難しい作業です。そこで、まずは(2)で決めた対象者を思い浮かべながら、書きたいことを箇条書きにして整理してみましょう。

例)輸入ワインの紹介文を作成する場合の箇条書き
  • イタリアから直輸入、日本では希少
  • 味は芳醇でまろやか
  • ブルーチーズと相性が良い
  • xxxxxxxx農園で特別に、数量限定で作られた赤ワイン
  • 贈り物としても喜ばれる
  • 男性よりも女性に好まれる風味



この段階では、思いつくものを思いつくだけ書き出してみましょう。その後、取捨選択します。このとき、取捨選択する指針になるのが、(2)で決めた「対象者」です。対象者を思い浮かべながら、「響きそうな言葉」を残します。

(4)「型」をマスターすることでスムーズに文章を組み立てる

箇条書きのワークが完了したら、次に文章にするというステップに移行するのですが、このときに「型」にあてはめて、文章を組み立てていくと、格段に文章を書くのが楽になります。サービス案内に向いている型、商品説明に向いている型など、文章の種類によって、それぞれ特徴があります。

これらの型については、次回くわしくご紹介します。

【文章力向上のために取り組みたいこと】

文章力をつけるのは「筋トレ」と似ていて、やはり数をこなすことが上達の第一歩です。なかなか仕事の合間に「書くことに取り組む時間」を取るというのは難しいのですが、「1日×分間取り組む」あるいは「1か月だけ集中して(文章力アップに)トライしてみる」と決めるのは、いかがでしょうか?
おすすめは「ブログの更新」です。はじめてWEB(Jimdo)にも付属しているブログ機能※「はじめてWEB」は
サービスを終了しました
がありますので、練習がてらトライしてみるのも良いでしょう。

もうひとつおすすめが「書いたあとに、声を出して読む」ことです。文章を書いて目で追っているだけだと気がつかないことが、声を出すことで「流れが悪い箇所」「不自然な表現」に気づくことができます。ぜひ試してみてください。

以上です。

「第1回:押さえておきたいウェブ文章の基本・4つのポイント」はいかがでしたか?
次回は、「ウェブ文章で覚えておきたい基本の型」というテーマで、文章の種類とそれぞれに合わせた「型」について解説します。お楽しみに!

このコーナーのコンテンツは、KDDI提供の情報サイト「はじめてWEB」掲載の「エキスパート(専門家)コラム」の情報を、許諾を得てWeb担の読者向けにお届けしているものです。

※「はじめてWEB」のオリジナル版は掲載を終了しました

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