Googleの検索順位にまったく影響しない10の事柄(少なくとも直接は)

サイト公開からの期間、見出しのh1要素やh2要素、直帰率、共用ホスティングサービスを使っているかどうか――そんなことは、グーグルの検索順位に直接影響を与えない
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サイト公開からの期間、見出しのh1要素やh2要素、直帰率、共用ホスティングサービスを使っているかどうか――これらの要素にはどのような共通点があるだろうか。その答えは、グーグルの検索順位に直接影響を与えるものは1つもないということだ。

これはほっとする話かもしれない。今回のホワイトボード・フライデーでは、検索順位に影響を与えると一般に思われているにもかかわらず、実はグーグルがまったく気にかけていない10の事柄をランドが紹介する。

Mozファンのみんな、こんにちは。ホワイトボード・フライデーにようこそ。今回は、グーグルの検索順位に影響を及ぼさない事柄について話をしよう。

ウェブサイトやウェブに対して施したすべての作業が、検索順位に影響する可能性がある

そんな風に考えている人は多い。もちろん、僕がこれから話すように、間接的な影響を与えるものもいくつかある。

だが、実に多くの事柄が、グーグルの検索順位には直接影響しない。そこで、僕がこれまでに聞いたり見たりしたこの手の話を、特に最近の例を中心に紹介したい。

1. ウェブサイトの公開期間

まずは、長い間論争が続いているウェブサイトを公開してからの経過期間だ。

グーグルは、サイトを登録したのが1998年なのか、2008年なのか、それとも2016年なのかを気にしているだろうか。答えはノーだ。まったく気にしていない。

彼らが気にかけているのは、コンテンツが実際にどの程度人々の役に立っているのか、リンクやオーソリティのシグナルなどがあるのかといったことだけだ。

たしかに、公開期間と順位に相関性があるのは事実だ(因果関係ではないことに注意)。その理由は、1998年に開設したサイトが今も盛んに利用されていれば、リンクの数、オーソリティ、リンク資産など、グーグルが気にかけるさまざまなシグナルを増やせるチャンスはそれだけ多くなってるということだ。だから高い順位を獲得している可能性が高いのだ。

だが、2015年に登録したばかりのサイトでも、最初の2年で大きな成功を収めていれば、同じようなシグナルをたくさん獲得している。グーグルは、そのようなサイトをより高く評価するだろう。長期間運営されているサイトと同じオーソリティや影響力を、ごく短期間で獲得しているからだ。

2. グーグルのアプリやサービスを利用しているかどうか

こんなふうに心配する人がいる。

ちょっと待ってくれよ。グーグルは、ユーザーのGoogleアナリティクスアカウントで何が行われているかを監視したり、GoogleアナリティクスやAdSenseのデータを覗き見たりできないのか?

グーグルがGmailやGoogleドキュメントの中身を見ることができるとしたら、どうなってしまうんだ。

だが、考えてみてほしい。

ある人がいかがわしいリンクを購入しているとか、ウェブで獲得しているほどのオーソリティが実際にはあるとは思えないとか、そういったことを嗅ぎ回るために、グーグルがその人のGmailアカウントを覗いてたことがわかれば、どうなるだろう。何よりもまず、グーグルでこうした製品や検索サービスを開発しているエンジニアのほとんどが、その日のうちに会社を辞めてしまうだろう。

だから、こういう製品を使ったり、あるいは逆に使わないことにしたりしたら、グーグルのウェブ検索順位に悪影響や損害が及ぶのではないか、などと恐れる必要はない。そんなことは起こらない。

3. ウェブページの「いいね!」、シェア、「+1」、ツイートの数

Facebookで1万7000のシェアを獲得しているとしよう。これはけっこうな数だ。

だが、グーグルがその数を気にかけるだろうか。答えはノー。まったく気にかけない。実際には、グーグルがその数をチェックすることも使うこともない。

ただし、間接的には影響が出る可能性は、ある。そのポイントは、Facebookでそのページをシェアした大勢の人が、そのあとにとる行動にある。

シェアした人が、サイトの閲覧や検索、クリックスルーといった活動を行ったり、ブランド認知を高める行動を取ったり、検索ページに戻る行動を減らしたり、検索結果ページでそのブランドを好んでいることを示す行動をしたり、リンクを張ったりした場合は、どうなるだろうか。グーグルは、このような行動の多くを考慮する。

したがって、間接的には影響が及ぶ可能性があるが、直接的にはノーだ。Facebookのシェアを1万件購入すべきかと言えば、答えはノー。その必要はない。

4. 直帰率やサイト滞在時間はどうだろうか

これはなかなか興味深い疑問だ。

たとえば、サイト訪問者の平均滞在時間が2分だったとしよう。そして、Googleアナリティクスなどで、ベンチマークデータの共有を有効にしていて、業界の平均やベンチマークを調べたところ、業界の平均よりベンチマークが低かったとする。このことが、グーグルのウェブ検索に悪い影響を与えるだろうか。

必ずしもそうとは言えない。たとえば滞在時間がやや短く、直帰率が高いことは、必ずしも悪いことだとは言えない。というのも、読み込み速度の速いサイトを運営していて、必要な情報へとより早く人々を導いているのならば、サイト滞在時間は短くなり、直帰率が高くなることがあるからだ。

ただし、あなたのサイトに訪問する前に検索結果ページにいたのならば、少し話は変わる。

人々が検索結果ページからあるページに移動して、またすぐに検索ページに戻ったとしたら、どうだろう。その場合、「そのページでは疑問が解決しなかったので、検索結果ページに戻って別の検索結果を選んだ」ことになる。

その点で問題がなければ、何も悪いことはない。直帰率とサイト滞在時間について、僕ならそれほど大きな心配はしないだろう。

5. サイトで利用している技術

サイトではNodeやReactといったJavaScriptライブラリを使っているかもしれない。Facebookのライブラリだったりグーグルのライブラリだったりするだろう。では、もしFacebookのライブラリを使っていたら、グーグルに厳しい態度を取られるだろうか?

そんなことはない。Facebookは、特許の問題のためにそうするかもしれないが、ここでは関係ない。.NETを使っていたり、いまだにHTMLを使ってコーディングしたりしていたとすれば、どうなるだろうか。OKだ。問題にはならない。

グーグルがそのURLをクロールして、ユニークなコンテンツを見ることができ、グーグルが見たコンテンツとサイト訪問者が見るコンテンツが同じであれば、そのコンテンツをブラウザに表示するために何が使われているかなど、グーグルは気にしないのだ。

6. 検索結果の右側にナレッジパネルが表示されるかどうか

ナレッジパネルが検索結果ページに表示され、サイトに関する情報やWikipediaからの情報を提供してくれることがある。

サイトリンクはどうだろうか。ブランド名で検索したときに、そのブランドのサイトリンクが表示されることがある。サイトリンクとは、検索結果の下にインデント表示されるリンクのことで、そのリンク先はすべて、そのウェブサイト内のどこかのページになっている。

これらのことが検索順位に影響を与えるかと言えば、そんなことはない。他のどのような検索クエリの順位にも影響しない。

たしかに、自分のサイトと一緒にナレッジパネルやサイトリンクが表示されれば、クリック数が増えたり、クリックのシェアが増えたりするだろう。これは良いことだ。

しかしクエリにサイトのブランド名がまったく含まれない場合でも、検索順位に影響があるだろうか? そんなことはまったくない。僕ならたいして気にしないだろう。

サイトリンクとナレッジパネルは、ブランドが成長して名前を知られるようになり、オンラインでもオフラインでも取り上げられる回数が増えたときに、ようやく表示されるようになるものだ(つまり結果論)。

したがって、これは気にかけるようなものではない。

7. 共用ホスティングや、巷にある安価なホスティングサービスの利用

直接的には、読み込み速度や稼働時間に問題がない限り、このことが影響を及ぼすことはない。どちらを利用していたとしても、以前から快適に動作しているか、高価なサービスや専用のホストを使った場合と同じように動作しているなら、それで十分だ。気にする必要はない。

8. グーグルがすでにデフォルト設定とみなしている設定の指定

グーグルがサイトをクロールするときやサイトにやって来たとき、そのサイトでrobots.txtが使われていない場合や、robots.txtファイルはあるが例外設定や拒否設定がされていない場合、それからmeta robotsタグがない場合、グーグルはすべてをクロールしてすべてのリンクをフォローする必要があると考える。

したがって、meta robotsタグで「index, follow」などを使おうが、各リンクのhrefタグで「rel="follow"」を指定しようが、グーグルがすべてをクロールできるようにrobots.txtファイルで指定しようが、検索順位が上がることはない。どれも、グーグルがデフォルト設定とみなしている内容だからだ。

該当のタグやファイルでこのような設定をして、「さあどうぞ、デフォルト設定を利用できますよ」と言ったところで、特にメリットはない。悪影響を及ぼすことはないが、メリットもないのだ。グーグルはまったく気にしていない。

9. title要素の中でセパレーターとして使っている文字

HTML文書のhead内にあるページのtitle要素では、ブランド名などを記述した後にセパレーターを追加し、単語やフレーズを入れることができる。あるいは、その逆に、単語やフレーズを記述してからセパレーターを追加し、その後にブランド名を入れることも可能だ。

そのセパレーターが、縦線(|)、ハイフン(-)、コロン(:)、あるいは他の特殊文字のどれなのかということは、問題になるだろうか。

答えはノー。グーグルはそんなことを気にかけないので、心配はいらない。これは個人の好みの問題だ。

ひょっとすると、この中のどれかの文字を使ったほうが、他の文字を使ったときよりも、クリックスルー率が上がったり人によって好みがあったりするのかもしれない。そのような文字が見つかれば、素晴らしいことだ。

しかしウェブ全体でそのような効果をもたらす文字は、まだ見つかっていない。人によっては、縦線のほうがハイフンよりいいと言うかもしれないが、僕はそれほど重要だと思っていない。どう思うかはあなた次第だ。

10. h1、h2、h3などの見出し要素の使用

こんな話を聞いたことがある。

見出しをh1要素ではなくh2要素を使って記述すると、グーグルはその見出しを重要性が少し低いものとみなす。

これはまったく事実ではない。実際のところ、h1、h2、h3のどれが使われているかをグーグルが気にかけているかどうかさえ、僕にはわからない。グーグルがコンテンツを見て、

これは文字が大きいし、一番上に書かれていて太字になっているから、見出しに違いない。見出しとして処理しよう。これは下のほうにあるし、文字もやや小さいから、おそらくサブ見出しだろう

などと考えているかどうかも知らない。

h5を使うのか、h2やh3を使うのかは、サイトのCSSの設定次第であり、あなたやデザイナーが決めることだ。

今でも、最も大きな見出しにはh1を使うことが、HTMLのベストプラクティスになっている。僕なら、デザインのために、またクリーンなHTMLとCSSを生成するためにそうするだろう。だが、グーグルにどう思われるかは気にしない。

デザイナーがあなたに、

この見出しをh1要素に含めることはできないんだ。スタイルシートの設定がそうなっているので、h2を使わなくちゃいけない

と言うなら、それでいい。たいした問題ではなく、気にする必要はない。

みなさん、ありがとう。またお会いできるのを楽しみにしている。ではごきげんよう。

この記事の筆者

この記事は、Moz Blog に掲載された以下の記事を日本語訳したものです。

原文:「10 Things that DO NOT (Directly) Affect Your Google Rankings - Whiteboard Friday」 by Rand Fishkin (2017/09/22)

記事セレクション:渡辺隆広株式会社アイレップ
翻訳:株式会社ガリレオ

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