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UGCサイトのウェブ担当者の重要な務めはコンテンツ監視

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UGCサイトのウェブ担当者の重要な務めはコンテンツ監視
★★★★☆ サイトのすべてに責任を負う (Google Webmaster Central office-hours)

グーグルのジョン・ミューラー氏が今月初めに開催した英語版オフィスアワーにはこのコーナーの読者に役立ちそうなQ&Aがたくさんあった。

そこで今週の海外トピックはすべて、このオフィスアワーから取り上げる。

なお記事タイトルをクリックすると、録画されたYouTubeビデオの該当する場所から再生が始まるようにしてある。

1つ目は、次の質問だ。

質問

友人が10年以上フォーラム(掲示板)サイトを運営しています。

くだらない投稿もたくさんあって、2012年に検索トラフィックがものすごく落ち込みました。きっとパンダアップデートのせいじゃないかと思います。

まぁ、パンダのことはさておき、彼のサイトの状況は、どうしたら改善できるでしょうか? 彼はSEOにはあまり詳しくありません。

ジョン・ミューラー氏の回答

最も重要なテーマとして、サイト管理者は自分サイトに責任を負っているし、それがユーザーと検索エンジンにどのように提供されるかにも責任を負っていると私は考える。

だから、掲示板サイトで、投稿のなかに低品質なコンテンツがあったとしたら、私たちはそれもコンテンツの一部だとみなす。掲示板のユーザーが作ったものだから無視しようとは考えない。サイト管理者が責任を負っているものだと考える。

つまり、ほかのタイプのサイトと同じように、ユーザーにとって本当に役に立ち、説得力があり、質が高く、ほかにはないコンテンツを提供するように、掲示板サイトであってもサイト管理者は努力しなければならない。

どの投稿の質が高くて、どの投稿が中身がなくて、どの投稿が単なる雑談かなどを見分けるのは、チームでやったり監視役を付けたり自動化したりできる。しかし、そうしたとしても、大きなサイトでは、たしかに時間を要するかもしれない。どのサイトでも問題をまとめて解決できる、シンプルな解決策はないだろう。

フォーラムに限らず、ユーザーがコンテンツを作成するいわゆるUGCサイトは、ユーザーが作ったコンテンツの監視が非常に重要だ。良いコンテンツだけを残せば素晴らしいサイトになるし、悪いコンテンツばかりが目立てばユーザーにも検索エンジンにも評価されないサイトになる。

コンテンツを自分で作る必要がない代わりに、コンテンツの監視という、いい加減にはできない務めを果たす必要が、UGCサイトのウェブ担当者にはある。

URLを分類構成するとクロールとインデックスの効率が良くなるのか?
★★★★☆ 検索エンジンには関係ない (Google Webmaster Central office-hours)

ジョン・ミューラー氏による、英語版オフィスアワーからの情報ピックアップ、次はこのQ&Aだ。

質問

50,000ページ以上の大規模サイトを運用しています。ディレクトリを分類して構成すると、クロールやインデックスの効率が良くなりますか?

ジョン・ミューラー氏の回答

クロールする際に、URLによる分類は基本的には見ていない。ユニークなURLでユニークなコンテンツを表示するかだけを見ている。その分類を示す文字列をURLに入れる必要はないし、URLに意味的な要素を持たせる必要もない。

ここでいうのは、所属関係や階層関係は、URL(ディレクトリ名など)で示す必要はないということだ。

たとえば、スマートフォンの情報を扱ったサイトを運用していたとする。たとえ次のようにディレクトリを構成しても、検索エンジンのクロールやインデックスには特別な価値をもたらさない。

ドコモとソフトバンク、auのAndroidスマホのカテゴリページ

  • example.com/android/docomo/
  • example.com/android/softbank/
  • example.com/android/au/

ドコモとソフトバンク、auのiPhoneスマホのカテゴリページ

  • example.com/iPhone/docomo/
  • example.com/iPhone/softbank/
  • example.com/iPhone/au/

ドコモが販売するNexus 5Xのページであれば、検索エンジン視点から見れば次の2つのURLに優劣はない。

  • example.com/android/docomo/nexus5x.html
  • example.com/nexus5x.html

とはいえ、URLはユーザーも見る。ユーザーにとってわかりやすく、ページの内容を想起させるURLにしておけば、ユーザー体験にも良いだろう。管理もしやすいに違いない。

ミューラー氏はあくまでも、SEO的な効果を狙ってURL階層を決定することには、たいした意味はない。ということを説明している。

サイト内のページをくまなくクロールするには内部リンクが重要
★★★★☆ 誘導ページにならないように注意 (Google Webmaster Central office-hours)

質問

サイト内に各支店のページがあります。それぞれの支店のページ同士を内部リンクし合う必要がありますか?

それとも、内部リンクし合わなくても、グーグルは理解してくれるでしょうか。

ジョン・ミューラー氏の回答

概して言えば、内部リンクを見ることで私たちはサイトをクロールする。ページ同士でリンクを張っていなかったら、個々のページをクロールしページの状況を理解するのが難しくなる。

よって、サイト内では、1つのページから別のページヘ行けるようにクロールしやすいように必ずしておくべきだ

ただし、支店ごとのページを作るという今回のケースでは気を付けておくことがある。誘導ページを作ってはいけないということだ。「内容が基本的には同じだが、ページの一部だけを地域ごとに変えたページ」を量産すると、「低品質なページ」「誘導ページ」の一種になり、スパムコンテンツとしてみなされる。

サイト内の別のページに内部リンクすることは、Googlebotがサイト内をくまなくクロールするという観点では大切な施策だ。支店や地域店舗のために作ったページに限った話ではない。押さえておくべき、ウェブサイトの基本的なリンク構造だ。

ただし、リンクを張るのであれば、「同じテーマのコンテンツ」「カテゴリの親子関係がある」など、リンクに値する関連性があることが大切だ。

一方でミューラー氏は、質問者のサイトの状況における注意点を付け加えた。「支店ごとのページを作ることはいっこうにかまわないが誘導ページにしてはいけない」というのだ。

たとえば、渋谷と新宿、池袋の支店ページをそれぞれ作ったとする。ページごとに異なるのが地名と住所くらいだったとすれば、それは完全に誘導ページだ。誘導ページはガイドライン違反だとみなされ手動・アルゴリズムの両方で対処される。

サイトの3分の2のページをnoindexにしたらペナルティを受ける!?
★★★☆☆ ぜんぜん問題なし (Google Webmaster Central office-hours)

質問

サイト全体の3分の2のページをnoindexにしたら問題がありますか? ペナルティを受けますか?

ジョン・ミューラー氏の回答

いいや、そんなことはない。大丈夫。

サイトの大半をnoindexにしても問題になることはない。そもそも検索結果に出ないのだから検索ユーザーの害になることはないはずだ。したがってガイドライン違反にはならない。

もっとも検索結果に出ないページでマルウェアに感染させたり望ましくないソフトウェアをインストールさせたりするのならば、話は別だが。

元のページを残しつつ、新しいサイトへコンテンツを移動する方法
★★★★☆ rel="canonical"は命令ではなくヒント (Google Webmaster Central office-hours)

質問

大規模サイトの一部のセクションを新しいサイトに移行するとしたら、以前のサイトに訪問するユーザーのために、元のコンテンツを(リダイレクトするのではなく)残したままにしておいても大丈夫ですか?

もちろん、すべてのページにrel="canonical"を設置して、新しいサイトに向けておきます。

万が一うまくいかなかったら、元の状態に戻すことは可能ですか?

ジョン・ミューラー氏の回答

もちろん、そうして大丈夫だ。

ただし、そうした場合に何が起こるかは、知っておくといいだろう。

質問のような状況では、グーグルは、移転元と移転先のページを両方ともクロールし、rel="canonical"を見る。

しかし私たちは、rel="canonical"は命令ではなく、「手がかり」として扱う

301リダイレクトは「命令」として扱う。そのため、グーグルが移転元のページをクロールしに行っても、インデックスするのは移転先のページだ。

しかし、rel="canonical"は命令ではないため、必ずしもグーグルが従うとは限らない。おそらくグーグルは移転先サイトのほとんどのページをクロールして取得するだろうが、移転元のページも依然としてインデックスする可能性があるのだ。

そういったことが特に今の時点では問題にならないなら、やってかまわない。

サイトの全部を移転せずに一部だけを移転する際に、元のサイトでもページをユーザーが閲覧できるようにリダイレクトを使わずにrel="canonical"を使うというのは理にかなったやり方だ。

検索結果には移転先の新しいページが表示される。検索結果からやってきたユーザーは移転先サイトのページでコンテンツを利用する。しかしリダイレクトしていないので、元のサイトを訪れているユーザーはそのままそのサイトのなかで同じコンテンツを利用できる。

注意点があるとすれば、301リダイレクト相当の働きをするとはいえ、rel="canonical"は検索エンジンに対して強制力を持たないことだ。検索結果に元のサイトのURLが表示されることがありうる(とはいえ、そういうケースは稀であろう)。

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