ここに注目! Web 2.0ケーススタディ

Web 2.0ケーススタディ/del.icio.us(デリシャス)

del.icio.us(デリシャス)

世界中にユーザーを持つソーシャルブックマークの元祖

URL: http://del.icio.us/
提供元:米Yahoo! 社 del.icio.us部門
Web2.0度:★★★★★

林 信行
ITジャーナリスト

サービスの概要/特徴

  • ソーシャルブックマークサービス
  • 2003年9月15日公開
  • 2005年12月9日に米Yahoo!が買収
  • 100万ユーザー(2006年9月末時点)
  • ブログ投稿機能、RSSフィード、API公開、ブックマークを友達に知らせるためのタグ、ファイルの種類(拡張子)で項目の絞り込み表示など。
図1 見た目はシンプルで色気はないが、元祖だけあってユーザーの要望を取り入れながら、細かなところまで目が行き届いて設計されている。世界中のユーザーが愛用していることも同サービスの大きな強みだ。

ブログとの連携に優れた世界標準のサービス

「del.icio.us」(デリシャス)は、ソーシャルブックマークサービスの元祖であり、ティム・オライリー氏のWeb 2.0の論文にも出てくる、世界を代表するサービスの1つだ(図1)。

基本的な使い方は、はてなブックマークと同じだ。あらかじめウェブブラウザのツールバーにブックマークレットを登録しておき、おもしろいウェブページを見つけたら、このブックマークレットをクリックしてページを登録する。

登録時にはタグやコメント(notes)といった情報を書き加える(図2)。

図2 ブックマークレットを使ったウェブページの登録時には、他の人の登録を参考にしたお勧めタグなどが表示される。「Your Network」として自分の友人の名前も表示されるが、これをタグとして選ぶと相手にそのページが「お勧めページ」として伝えることができる。

メインページにはウェブページが登録した順の逆順で一覧表示され、ウィンドウの横に用意されたタグを用いて表示項目の絞り込みができるのも「はてなブックマーク」と同じだ。

ただし、タグ一覧はいわゆるタグクラウドではなくアルファベット順で、その代わりどのタグが何回ずつ使われているかも表示される。ソーシャルブックマークは、使い込んでいくうちに、あまり使いでのないタグを付けてしまうこともあるので、これはどのタグがどの程度、使いでがあるかのいい指標になる。

ユーザー同士の連鎖を生み出す数々の仕掛け

del.icio.usそのもののトップページには「hotlist」という、現在もっとも注目を集めている項目の一覧が、その項目をブックマークしている人数や最初に登録したユーザー名、その項目で使われている主なタグと共に表示される。

特定ユーザーのブックマークや特定タグを購読できるのも、はてなブックマークと同様だ。

おもしろいのは、「links for you」という機能を使って友達などにお勧めのウェブサイトを勧められる点だ。del.icio.usのブックマーク登録画面や項目の編集画面では、これまでに使ったタグの一覧や、お勧めのタグ(「同じページに他の人がどんなタグを付けるか」から割り出している)そして「Your Network」というタグが表示される。

「Your Network」には、自分が友達として登録している人の名前の一覧が「for:ユーザー名」の形式で現れる。ブックマークするときにこのタグを付けておくと、相手のdel.icio.usのページには、お勧めされたブックマークが表示される。

del.icio.usでもう1つ便利なのが、「マルチメディアファイルタイプタグ」という、ファイル形式を指定できる機能だ。

タグとして、たとえば「system:filetype:avi」や「system:filetype:jpeg」とすれば、AVI形式の動画やJPEG形式の静止画だけのブックマークを抽出できる(図3)。

この他、さまざまなブログなどの他サービスとの連携機能が用意されているのもdel.icio.usの優れた一面だ。たとえば自分のブログ記事に追加できるdel.icio.usボタン(このボタンをクリックするとdel.icio.usに登録できる)、自分のブログに追加できるdel.icio.usブックマーク一覧といった具合だ。また世界中の人々が使うため、日本国内のウェブページだけでなく、海外で話題の英語の文献をいち早く見つけられるのもdel.icio.usならではの強みと言えよう。

図3 JPEGやMP3、AVIなどファイルタイプを使って項目の絞り込み表示ができる。この一覧のRSSが用意されているので、iTunesなどでこれをポッドキャストとして購読するという使い方もできる。

※この記事は、『Web担当者 現場のノウハウ vol.3』 掲載の記事です。

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