初代編集長ブログ―安田英久

不況の風を追い風にできるWeb戦略で2009年の勝ち組に ~Web担/日経BP/MarkeZine連動コラム

Web担のなかの人

このコラムは、Web担当者Forumと「日経ネットマーケティング」「Markezine」各誌の編集長が、毎回共通のテーマでネットマーケティングを語るコーナーです。

第6回のテーマは「2009年はここに注目!」です。

他誌編集長のコラムも同時に公開されていますので、併せてご覧ください。

2008年の秋以降、世間でも業界でも暗い話が多くなってしまっていますね。

「宣伝費が出なくなった」「春から進めていたプロジェクトが完成する前に予算凍結で進められなくなった」「コンペの条件がきつくなった」「2009年は制作会社がバタバタとつぶれるんじゃないか」など、枚挙にいとまがありません。業界の飲み会に行っても、やはりため息が多くなっている印象があります。

しかしこの不況は、私たちの業界にとってはチャンスとなる可能性があると考えてみるのはいかがでしょう?

というのも、

  1. 不況になると予算の締め付けが厳しくなって使えるお金が減った

  2. でも成果は求められるので、使えるお金は効果的に使わなきゃ

  3. 費用対効果が不明だったり低かったりするところに使うお金は減らそう

  4. その分、費用対効果の高いところに予算を回すと成果出せるよね

という流れが出てくるのです。

そうなると、費用対効果の高さを数字で出せるネットの強みが出てくるのではないでしょうか。

以前に日本のネット広告費はメディア接触時間に比べればまだ少ないの記事で見てみたように、ユーザーのメディア接触時間に対する企業の広告出稿のバランスをメディアごとに見てみると、新聞や雑誌が接触時間あたりの広告費が高く、インターネットはまだまだ接触時間に見合った広告費が使われていません。

テレビCMや新聞広告では、出稿の結果が「○○人が広告に接触した」というデータは出せても、「それが○○円分の売上増につながった」という確たるデータは出せません。しかし、ネットならば、さまざまな手段を使って費用対効果を明らかにできます。

そうなると、既存のマスメディア向けの予算をネットに回すというのが現実味を帯びてきませんか?

またB2Bの業種でも、リードソースがネットであることを契約のクローズまでしっかりと情報として引き継ぐ仕組みをもつことは可能ですよね(ただし、B2Bではサンプル数が少ないため統計的な裏付けは厳しいのですが)。ちょうどネットレイティングスさんも11月からネット視聴率の調査データに、「家庭と職場からのインターネットアクセス全体」という集計を出してくれるようになっていますし、良い追い風ですね。

実際に、SEOmozでもリーマンショック以降SEOの仕事が増えたという記事もあるようです。

とはいえ、不況になるとネット系がみんな儲かるようになるという話ではありません。あくまでも「費用対効果が高いことが理解される」ところに予算が回るというだけの話です。

だから、クライアントのビジネス構造も理解せず訪問者のニーズも把握せずに型どおりのWebページ作りしかできない制作会社はつぶれていくでしょうし、広告効果を公正に明示できないネット広告も足下から崩れていくでしょう。

職場でも、漫然と今までどおりの仕事をしている担当者は評価されず、費用対効果の高い施策を常に試してその結果をちゃんとレポートできる担当者を評価されるようになっていくでしょう。

もしかしたら、これまでネットのことを理解しようとしていなかった(できなかった)年代の経営者も、必要に迫られてネットに目を向けるようになるかもしれませんね。そうなると、本来ならばあと20年かかるはずだったネットへの予算シフトが早まるかもしれません。

不況というと暗い話になることが多いのですが、ちゃんと成果を出せる人にとって、不況はチャンスだと考えてみると、年末年始も少し明るい気分で暮らせるかもしれませんね。

◇◇◇

この3誌編集長連動コラムも、気がつくと第6回。半年も続けてるんですね。日経ネットマーケティングさんもMarkeZineさんも、お忙しいなか毎月お付き合いいただきありがとうございます。他のメディアさんで「一緒に連動コラムを書いてやろう」という方、お気軽に私までご連絡くださいませ。

さて、今年も1年間、Web担をご覧いただき、ありがとうございました。年末年始は更新をお休みさせていただきますが、来年からまたモリモリと良い情報をお伝えして、読者の方が「成果を出せるWeb担当者」になれるお手伝いをさせていただきます。

2009年も変わらずWeb担をよろしくご愛顧いただければ幸いです。

良いお年を!

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