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ヤバいSEOテクニックを使っていないか確認するための3つのチェック手法

僕らは、SEO分野において、非常に検索エンジンに優しい立場にいる(「ホワイトハット」というフレーズは使う気になれない。なぜならこうした言葉はすべて、多くの場合意味が不明瞭だと思うからだ)。でも、怪しげだけど良くできた戦略には、十分敬意を抱いているし、それらを観察し、分析してみることはとてもおもしろいことだと知っている。

とはいえ、困ることもある。顧客のプロジェクトに関して、まだ自分たちが取り組んでもいない時点で、以前に実施された怪しげな戦略の責任を負わされることだ。先だって自社で経験した話だが、顧客のWebサイトがインデックスから消えたときに、僕たちはこのような問題に遭遇した。僕らが責められる筋合いではなかったのだけど、タイミングが非常に悪かった。ことの成り行きは、以下のような感じだ。

  1. ある顧客(汎欧州レベルのブランド)が、最高マーケティング責任者直属の「外部委託のSEO部門」として僕らを雇う。

  2. 先方の主力サイトに関して、僕らがアドバイスを提供する。

  3. アドバイスが実施され、トラフィックが増加し始める。

  4. 顧客が、欧州のある国で良く知られたブランド企業を買収する(僕らはこの顧客のSEO部門ということになっているので、買収したブランドのSEO業務も、当然僕らが担当する)。

  5. 少し経ってから、獲得したブランドのWebサイトが(僕らの最初のアドバイスを実施する前に)インデックスから外れてしまう……

実際に何が起きたのかというと、過去の行いの報いが降りかかってきたんだね。クライアントが獲得したブランド企業は以前、地元のSEO業者と契約していた。このSEO業者は、少々賞味期限切れの戦略を採用していたんだ(その戦略とは、主にそのSEO業者のサイトと、他のいくつかの関連サイトのサブドメイン名によって構築した、巨大なリンクネットワークを使うというものだ)。

戦略的な問題だけでなく、誰でもわかりそうな良識に関わる問題もあった。つまり、そのSEO業者のリンクネットワークの一部だったうえに、「僕らの顧客」につながるご大層なリンクも存在した(そしてこれらすべてが、ペナルティの対象になったのだと僕らは考えている)。

さて、僕らと一緒に仕事をしたことのある人ならだれでも知っていると思うが、顧客の直接の管理下にあるものを最初に改善しようと試みるのが、僕らの常套手段だ。適切な規模のWebサイトには、多くの場合、十分に活かされていないリンク資産があるので、僕らが最初に手を付けるのは、通常、技術的および構造的な部分だ。

しかし残念なことに、多くの顧客は、僕らが机の下に魔法のボタンを持っているといまだに信じている(あるいは、おそらく僕らが数千もの検索エンジンに彼らのサイトを登録してくれるだろうと期待している)。そのため、新規に獲得したサイトに関して、まだ何もアドバイスを提供していなかったにもかかわらず、僕らが机の下のボタンをちょっと強く押したために、自分たちのサイトがインデックスから外れてしまったのだろうという筋立てが、顧客にとって実にもっともらしい話に聞こえたんだ。

新しい顧客を獲得していかがわしいリンクネットワークに組み込むという方法は、一部のSEO企業が行っているやり方かもしれない。しかし、これは僕らのスタイルじゃないんだ。そういった戦略が有効な場合だってあるかもしれないが、ブランド企業のWebサイトに取り組む場合にはふさわしくないというのが僕の考えだ。

そんなわけで、問題の原因を突き止め、顧客をなだめ、以前契約していたSEO業者に該当のネットワークを削除するよう圧力をかけ、さらには、検索インデックスに再び入れてくれるよう要望を提出するという形で解決に駆け回った結果、僕らはこんなことを考えるようになったんだ:

僕らの仕事の性質として、顧客の多くは(社内のSEO部門や外部のSEO業者による)「SEO」に関するアドバイスを、すでにいくつか実施しており、1つや2つは隠しておきたい過去の秘密を持っていると考えるべきだ。

今後、前任者の過失によって責められるような事態に陥らないようにするには、どうしたら良いのだろうか。

SEO面で問題がないか事前に確認する

上で説明したやり取りから、まだ問題を完全に解消するとはいかないまでも、ある程度実効性のあるアイデアが思い浮かんだ。

そのアイデアとは、新しい契約を結ぶ前に、見込み顧客が以前に実施していた戦略に関し、デューディリジェンス(問題がないか確認する評価作業)を行うべきだというものだ。これは、顧客に問い合わせるのとは別に行う必要がある。すなわち、以前の戦略について顧客が必ずしも正直に語るわけではないうえに、担当者が変わった可能性もあるし、外部のSEO業者に責任があって社内のチームはきちんと報告を受けていないという可能性もあるからだ。

したがって僕らは現在、顧客と契約を交わす前に、より厳密に状況を調べるため、警戒信号を発しているさまざまな事柄について注意を払うようになった。僕らが探すのは以下のものだ。

SEOに取りかかる前にチェックすること
  • 被リンクに何か操作を加えた様子
  • クローキング
  • ドアウェイページの存在

事実上、僕らは検索技術のエンジニアのように思考し、多少は手作業で調べられるようにしている。さて、僕らは検索エンジニアたちが自由に使っているようなツールを持っていない。しかし、何とかちょっとしたツールキットを工夫して、この種のプロセスに役立てることはできる(そして後で書くとおり、みんながどうやってこれに取り組んでいるのか、ぜひ教えてほしい)。

このプロセスは、必ずしも契約前の任意作業として行う場合だけの話ではなく、契約の下で行う場合もあるだろう。具体的には、サイトに何か不具合が発生しており、サイトの所有者がそれに対して何もできず、その問題を解消する仕事を引き受けた場合だ。その顧客が手も足も出ない理由としては、かつて何が行われたのか顧客の上層部が詳しく認識していないとか、担当チームがすでに会社を辞めてしまったとか、あるいは、問題のサイトは顧客が丸ごと買収したサイトだとか、決して評判の良くない業者にSEO業務を外注したとかいうことが考えられる。SEOmozのグローバル・アソシエートという役割の一環として、僕たちはたくさんの質問に回答を提供しており、この種の分析が作業のかなりの部分を占めている。

という訳で、いよいよ要点に入ろう。Webサイトにまつわる巧妙な問題を分析する上で、僕がどんな方法を用いるのか披露したいと思う。

SEOプロセスの分析的調査

僕が探すのは、主に次の3点だ。

  1. 一般的に不正と見なされるサイト上の操作(キーワードスタッフィング、過度のサイト内リンク、ドアウェイページ)

  2. クローキングなど、普通ではない情報提示の手法

  3. 奇妙なリンクパターンなど、サイト外の不正操作

 1 サイト上の操作に関しては、通常以下の作業を行う。

  • 検索エンジンで「site:」コマンドを使って検索し、Webサイトの見かけ上の規模と、インデックス化されているページ数を比較する。
  • 顧客が設定しているキーワードをいくつか使って、サイト全体を検索してみる。
  • 重要なページをいくつか選び、そのソースを見てみる。
  • サイト内リンクの構造を調べる。

ここまでは、かなり簡単なサイト評価の基本だ。

 2 クローキングの存在を調べるために、僕がよく使うのは、Firefoxのユーザーエージェント名をGooglebotに変え、JavaScriptとクッキーを無効にしてから、サイト内をあちこち閲覧し、通常とは異なるサイトの振る舞いがないか調べてみることだ。

この方法は、巧妙なクローキングを見つけるには不十分だが、全体的な印象をうまく捉えることができる。究極的なクローキングの調査方法は、Googleのキャッシュに残っている顧客サイトのページを、元のページと比較してみることだ。これは少々時間のかかる作業だが、僕の知る限り、あらゆる種類のクローキングを見つけ出す唯一の方法だ。

 3 僕らが自分たちの顧客に関して見破った問題の1つが、欺瞞的なリンク行為だった。これを見つけ出す際に、僕は顧客の被リンクを徹底的に調べる。この作業で僕が探すのは、次のようなものだ。

  • 最適化されたアンカーテキストの羅列
  • サイトワイドリンク(リンク元サイトの全ページからリンクを張った状態)
  • 質の低い多数のサイトから張ったリンク(ハイフンでつないだ長いURLや、Blogspotドメインなど)
  • フッター/スポンサーリンク
  • 非表示の隠しリンク

僕が探し回るのは、基本的に「不正の匂いがする」ものすべてだ。以前ランドが、ベテランのSEO担当者が持つ第六感に関して記事を投稿していたが、まさしくそういった勘が役に立つところだ。

みんなもこうした作業を行っているのか、とても興味がある。それと、どのようなツールや小技や裏技を使っているのかも、ぜひ教えてほしい!

用語集
Googlebot / JavaScript / SEO / SEOスパム / アンカーテキスト / インデックス / キャッシュ / クッキー / クローキング / ドアウェイページ / ドメイン名 / ユーザーエージェント / リンク / 検索エンジン / 被リンク
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