【レポート】デジタルマーケターズサミット2021 Winter

MA導入で見込み顧客300%増、商談数200%増! 成果を出すためのMAツール活用の11のポイント

MAツールで成果をあげるためにはどうすればいいのか。導入から運用までのノウハウを11のポイントで解説する。
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BtoB商材を販売する企業にとって、Webは今や最重要マーケティング手段といっても過言ではない。自然流入にせよ広告流入にせよ、自社サイトを閲覧してくれたユーザーにどうアピールし、購買を促すのか。そこで顧客アプローチの手段としてMA(マーケティングオートメーション)ツールを活用する企業が増えている。

デジタルマーケターズサミット 2021 Winter」に登壇したクラウド・ホスティング事業を手がけるリンクの小川泰範氏は、MAツール「SATORI」を使ってリード(見込み顧客)300%増、商談数200%増を達成したという。その内幕について、現場で今まさに活躍するマーケターの視点から語った。聞き手は、複数のMAに知見があり、現在デジタルマーケティング推進支援を行うコニカミノルタの富家翔平氏。

リンク小川泰範氏とコニカミノルタ富家翔平氏
(左から)株式会社リンク マネージャーの小川泰範氏とコニカミノルタ株式会社 マーケティングサービス事業統括部の富家翔平氏(聞き手)

MAツールでリード獲得?! 「SATORI」だからできた

リンクは1987年創業。BtoB向け事業を複数抱えるが、小川氏はその一つであるクラウド・ホスティング事業部のマーケティングに携わっている。また新規プロダクトであるオンライン商談システム「RemoMee(リモミー)」のプロジェクトマネージャーでもある。

リンクは、いわゆるデジタルマーケティングツールの利用に積極的だ。部門ごとに目的に合わせ複数のツールを導入している。

MAの概念はマーケターの間でこそ浸透しているが「他の部署にMAの効能をどう説明するか」は、悩みの種としてしばしば話題になる。富家氏は一例として「リードを育成し、徐々に見込み顧客となってもらうための施策が打てるツール」だと定義。より具体的には、アポイントの獲得数や商談化率の向上が期待できると、社内で説明することが多いという。

一方で小川氏は「マーケティング施策の見える化を行うためのツール」がMAだと述べる。リードのWeb上の行動を追い、それが数値としてまとめられる。PDCAを回すための数値的根拠を社内外に示すためにもMAが重要だと指摘した。

MAの定義
MAの定義「実名客に対してアプローチを段階的に行い、徐々に購買意識を育て見込み顧客に育成していくことを指す。見込み顧客への商談化率の向上を目的に行うことが多い」

MAは比較的新しいテクノロジーだけに、その社内導入についてはいくつものハードルがあったと想像されるが、その成果は極めて大きかった。リンクの事例では、「SATORI」の導入から約1年でリード獲得が300%アップ、商談化件数が200%アップを達成したのだ。

「SATORI」導入で得られた大きな成果
「SATORI」導入で得られた大きな成果

ただ、一般的にMAは「リード育成」が本義とされる。メールマガジン購読などをきっかけに名前・メールアドレスなどがわかる「実名客」をサービスから離脱させず、関心を持ち続けてもらうためのもので、リード獲得には必ずしも直結しない場合が多い。にも関わらず、MA導入でなぜリードが増えたのか。富家氏のその疑問に、小川氏はこう答えた。

そこがまさに「アンノウン(匿名客)」に強いという「SATORI」の強み。弊社ではもともとリードが少ないことに悩んでいたが、たとえばWebサイトに訪問してくれたユーザーへポップアップを出して登録を促したりといった機能が効果を発揮したのだと思う(小川氏)

「SATORI」では匿名客に強みをもつ
MAは本来「実名客」を想定したものだが、「SATORI」は匿名客に強みをもつという

MA導入で何が変わったか

小川氏はMA導入の成果として以下の3つを挙げた。その詳細を検証してみよう。

  1. 行動の可視化によってPDCAの質が向上
  2. ナーチャリングの精度が向上
  3. 社内の反応がポジティブに変化

導入の成果①行動の可視化によってPDCAの質が向上

顧客一人ひとりの行動履歴を把握できる仕組みを構築していないWebサイトにおいては、訪問ユーザーの求めるニーズを把握することは難しい。ましてや顧客の購買検討に対する温度感を判別することはさらに難しい。しかし、「SATORI」の導入によって、名前やメールアドレスの分からない匿名顧客であっても、サイト内のどのコンテンツを見ているかといった情報が可視化される。

よって、最終的なコンバージョン(たとえば資料請求、商品購入)に至ったユーザーの行動を分析すれば、そこで得た仮説を他のユーザーにも応用できる。購買の直前にどういった行動をとっているか(特定のページを見たユーザーの購買率が高いなど)がわかれば、それを水平展開し、PDCAの質向上にも繋げられるという訳だ。

導入の成果②ナーチャリングの精度が向上

たとえばメールマガジンは、全購読者に同一の内容・文面を送ることが多い。しかし購読者ごとに商品購入の意欲・熱意は違う。その違いを意識して文面構成を変えるなどのカスタマイズをした方が、受け取り手である顧客にとっては有益な情報であり、結果としてレスポンス向上が期待できる。

顧客の購買意欲を高めるためのアプローチは「ナーチャリング」と呼ばれるが、仮に「購入意欲が低い顧客に向けたメール」を送付するには、顧客の行動履歴に合わせセグメントできる仕組みが必須であり、MAツールが欠かせない存在となる。

導入の成果③社内の反応がポジティブに変化

MAの導入は一般的に、社内のマーケティング部門が推進するケースが多く、その場合、セールス(営業)部門は受け身となり、成果の出ないうちはMAに懐疑的なスタンスになりがちだ。

こうした反応は、MAの運用を続け、成果が上がることで改善していったと小川氏。富家氏は「『マーケティング部門きっかけで作られた商談なんて……』という見方が、好転していくというのは大変よい話。ただ、それだけに“最初の実績”をどう作るかが、その後の施策をも左右するだろう」と述べている。

MA導入でやるべき4つのポイント

では、MAを導入したら何から始めればいいのか? この点について小川氏が4つのポイントを挙げてくれたので、順に見ていこう。

  1. 社内の協力体制
  2. ハウスリードの精査
  3. MA運用の設計
  4. コンテンツの増産・アップデート

MA導入のポイント①社内の協力体制

前項とも絡むが、MAの導入・運用はマーケティング部門が単独で完結させられるトピックではない。特にセールス部門とは密接に連携し、小川氏も「セールスに無断で進めると求める成果は100%得られない」と釘を刺す。MA導入の目的、MAきっかけで発生した商談をどうセールス部門に引き継ぐかなどの詳細を、社内できちんと議論せねばならない。

MA導入のポイント②ハウスリードの精査

MA導入の如何に関わらず、何らかの「見込み顧客リスト」はどの企業にも一定数存在する。展示会で集めた名刺、アンケートキャンペーンの回答者リストなどが代表的なところだろう。こういった「ハウスリード」を定期的にメンテナンスし、時には廃棄、あるいは再活用することがそもそも重要だという。

まず廃棄すべきは重複分。また、あきらかに不正確な情報(本来10~11桁あるはずの電話番号の欄に3~4桁しか数字が入っていないなど)も取り除く。リンクの例では、全体の3割近くをハウスリードから外したという。

MA導入のポイント③MA運用の設計

小川氏が最重要と指摘するのがこの項目だ。MAツールをどう活用するかの基軸となる部分であり、小川氏は以下の図のようにマーケティング課題をまず羅列。課題に対してどの施策を行うのか、そして「SATORI」のどの機能を使えば解消できるのかを導き出していった。

小川氏によるMA運用設計表
小川氏によるMA運用設計表

表の中でも、小川氏らリンクが特に渇望していたのは「直近でWebサイトにアクセスをした人を知りたい」という問題の解決だ。「SATORI」のセグメント機能を使えば、ユーザーをリスト化でき、さらにはどういった企業のユーザーがアクセスしているか類推できる。特定業界からのアクセスが多ければ、ハウスリードに含まれている同一業界のユーザーに優先して電話をかけるなどの応用も、リンクでは実行した。

MA導入のポイント④コンテンツの増産・アップデート

MAの本格運用にあたっては、それ相応のコンテンツ量が必要だと富家氏も強調する。製品を売るとして、スペックシートだけをWebサイトに公開しても効果は薄い。業界における製品の位置付け、なぜ必要かといった説明は不可欠。また、そうした情報があっても経年劣化していては意味がない。つまり、MAの導入はゴールではなく、新しいコンテンツを作り続けることのスタート地点とも言い換えられる。

必要なコンテンツとして具体的に挙げられたのは、ホワイトペーパー、動画(ウェビナー等)、ブログに代表される自社メディアなど。富家氏は「コミュニケーションするためのきっかけであり、“お土産”」だと補足した。

MAでさらなる成果を上げるために

こうして導入したMAでさらなる成果を上げるため、小川氏らは何に取り組んでいるのか。これも4つにポイントを絞って解説した。

  1. 設計はシンプルに、細かくなりすぎないようにする
  2. MAを活用した施策の目的をぶらさないようにする
  3. MAの運用結果の分析に時間をかける
  4. 関連部門に協力を得てPDCAを回していく

成果向上のポイント①設計はシンプルに、細かくなりすぎないように

小川氏らはかつてのMA導入初期、非常に複雑なMA運用シナリオを構築していた。「ページAとページBを両方閲覧し、かつ資料請求をしてきた客は100%ホット(購買意欲が高い)」などと想定し、こうしたユーザーにはすぐさまセールス部門から電話をかけさせた。

だが、実際にはまったくホットでないケースもある。そして、その精度を上げようとページの閲覧やメールマガジンの特定リンクのクリックをホットの判定条件に加えては……といった具合にシナリオを突き詰めた結果、なんとリードがゼロになってしまった。

正直なところ、MA導入当初はシナリオ設計作業が楽しかったりする。だがホットかどうかの判定は机上の空論でしかないので、まずはシンプルに展開してみて、反応があるかどうかをしっかり見ることが重要(小川氏)

成果向上のポイント②MAを活用した施策の目的をぶらさない

たとえば「興味喚起」のためにメールマガジンを送ったが、反応が芳しくなかったとする。この時に「そもそもこのメールを送るべきではなかった」「他の施策のほうがよかった」と考えるのではない。あくまで「興味喚起」という目的を満たせなかったのは何故かを検証すべきだという。

成果向上のポイント③MAの運用結果の分析に時間をかける

これは②とも関連する。MA施策を矢継ぎ早に繰り返すだけではなく、しっかりと結果を分析することで、目的からのブレ・逸脱も減る。クリック率などに一喜一憂しすぎることなく、セールス部門からのフィードバックをはじめ多方面の情報を組み合わせて分析することがマーケターの仕事だと小川氏は説いた。

成果向上のポイント④関連部門に協力を得てPDCAを回していく

マーケティング部門の担当者は、セールス部門の担当者と異なり、顧客の生の声を聞く機会が絶対的に少ない。ゆえにセールス部門との協力が極めて重要だと小川氏は力を込める。

小川氏の部門では、マーケティング担当とインサイドセールス担当を近づけ、MA起点で成立した商談の成果などについて、綿密に情報共有させる工夫もしている。かといってセールスだけに力点を置いてしまうと、マーケティング部門が探求すべき“顧客に共通する潜在ニーズ”が埋もれてしまう。両部門の担当者のコミュニケーション・協調こそが重要だという。

“孤独”なマーケターにこそ「SATORI」

小川氏はここまでの解説を終え「MAは難しくない」と語った。設計をシンプルに、そしてセールス部門との密接な協力が核心であり、積極的な活用を訴えた。

MAは難しくない
正しく向き合えばMAは難しくない

また最後には聴講者のQ&Aに答えるかたちで「なぜ『SATORI』を選んだか」について答えた。

冒頭でも少し述べたが、MAツールは基本的に「見込み顧客を集めてから初めて使うツール」。リードが集まらないという課題を解決できるMAツールは正直なところ少なく、その中から我々としては「SATORI」を選んだ(小川氏)

そして使いやすさ・運用のしやすさも重要だったという。機能が多いツールはその分、高価格なことが多いが、MA初級の組織が全て使いこなせるかは別問題。「これなら自分たちの組織でも使える」というサービスを、試用しながらじっくり見つけるべきとアドバイスした。

加えて富家氏は、「SATORI」を実際に使っているユーザーのコミュニティが充実している点にも触れた。会社の規模にもよるが、マーケターは社内でも少数派であることが多く、業務の相談がしにくい“孤独”な職種だという。「SATORI」のユーザーコミュニティの参加を通じて、マーケター同士で協力する関係の構築にも取り組むべきと呼び掛けた。

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