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企業向けリンク構築戦略——業務の中でリンクを獲得する方法

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個人的な意見だが、マーケティングに携わる人ならだれでも、セス・ゴーディン氏のブログを読んだ方が良いと思う(英語だが)。ゴーディン氏は新しいマーケティングの専門家で、この人のひらめきと考え方は、いつでも僕に新しいアイデアをもたらしてくれる。

僕は今、ゴーディン氏の著作の1つ、『Meatball Sundae』(ミートボール・サンデー)を読んでいる最中だ。ゴーディン氏のブログを読んでいる人たちにとって、その内容は驚くべきものではないだろう。この本では、市場で大量販売するために作られる製品を「ミートボール」、新しいマーケティング(SEOも含まれている)を「サンデーのトッピング」にたとえて話を進めている。ミートボールにサンデーのトッピングをふりかけようとすれば台無しになってしまうので、新しいマーケティング手法を組み込んだ組織を、土台から築き上げていく必要があるというんだ。

こういうたとえが完全には当てはまらないような状況もすぐに思いつくけれど、前提となる基本的な考え方は確かに魅力的だ。

  • Paypalを設立したのは、名声の確立した決済サービス事業者ではなく、新興企業だった。
  • eBayのマーケティング手法は、サザビーズのやり方とはまったく違う。
  • Amazon.comはどうやら、Walmartのウェブサイトと比べると、最大で30倍のトラフィックを獲得しているようだ。

旧来の企業が新しいマーケティング方法を採用しても必ず失敗するいう結論には、僕としては同意しかねる状況も若干ある。特にSEOに関してはね。SEOの基本(リンクベイトなどはともかく、キーワード調査やページ上におけるSEOの基本的な技術)を理解するだけで、昔ながらの企業が価値のある販売チャンネルを作り上げることもできるんだよ。

(英国最大級のスーパーマーケットである)Tescoのような「ミートボール」企業もある。同社はSEOを広範に理解し(まだまだ道のりは遠いという領域もあるが、競合他社よりはかなり先を行っている)、今や非常に多くの垂直市場で競争力をつけつつある。

したがって、ある程度の創造性があれば、旧来の企業がSEOを利用して成功を収めることはできると思うし、従来の方法で事業を開始しておいてから、基本的なSEOのテクニックを使って、少なくとも地域検索トラフィックを集めることくらいは、多くの分野でも可能だろう。中核事業の方が先にあって、実際には後からウェブサイトを付け足した場合でもだ。

とは言うものの……

「ミートボール・サンデー」というたとえは、SEOを売り込まなければならない人たちにとって非常に役立つ。SEOに対して過剰な期待を抱いている顧客に、「グーグルのランキング」と書かれた魔法のスイッチを机の下に隠してるわけではないということを説明しなくてはならない人たちとってはなおのことだ。

リンク構築

君にとってリンク構築とはどういうことだろうか? どのようにリンクを構築しているのかな?

ランドのアンケート(英語記事)や、さまざまなリンク構築のヒント(日本語記事)に対する関心が高いことから、多くのSEO担当者がリンク獲得に苦労していることがわかる。

リンクを「構築」する方法はいろいろあり、お勧めの方法もあるが、中には決してお勧めできないものもある。

  • ディレクトリサイトへの登録や、依頼あるいは投稿するだけで自動的に得られるリンク
  • 個人のウェブマスターにリンクを「売って」くれるよう依頼する
  • 価値の高いコンテンツにリンクを張る(そして、見返りとしてリンクを張ってくれるよう依頼する)。
  • ソーシャルメディアあるいはバイラルマーケティングを利用したリンクベイト
  • スパム
  • (コネを利用して)リンクを購入する
  • 個別にリンクを購入する

上に書いたのは、リンクの獲得方法として話題に上ることが多いものだ(わかってるよ、厳密に言えばここに挙げたものと異なるやり方がほかにもあることは確かだ。だが実際には、ほぼすべての手法が上記のカテゴリのどれかに当てはまる)。

だが、ミートボール・サンデーは、もう1つ方法があることを教えてくれる。

  • リンクを獲得できるようにビジネスを構築する

SEO業務やSEOに関するコンサルティング業務に従事している人の多くにとって、顧客のビジネスモデル(間違いなくその企業の根幹をなすもの)を変えるということは難しい。だが、もし僕が新しく会社を作るのなら、間違いなくこのことを最優先事項にする。

すでに地位を確立した企業においても、リンク獲得のためには会社をどのようにすべきかを探る場合、起業家のように考えることが役に立つかもしれない。

参考となるアイデア

僕は、顧客のビジネスがリンク構築に対応できるようにする方法を探るということを強く支持する立場をとっている。今週行われた専門家向けのセミナーに参加した人のために言っておくが、このやり方は、企業のためのリンク構築戦略に関するランドのプレゼンテーションの内容ともぴったり符合するんだ。セミナーでは、SEOmozを読んでいる社内SEO担当者が多数いることがはっきりわかった。そうした人たち(あるいは大手企業を顧客にしているSEO会社)にとっては、まさにこの方法が重要な成功要因になるだろうと僕は思っている。

この話題に関していくつかのアイデアを下記に順不同で紹介したいと思う(ほかにもアイデアがあれば、コメント欄に書き込んでほしい)

リンクしてもらいやすいように財務情報を発表する

もちろん、財務情報の発表については法律できっちりと規定されているけれど、そういう情報を確実に取り上げてくれるところは多いんだから、許される範囲内で発表の方法をじっくりと考えてみるといい。リンク価値やキーフレーズに関して、ある程度基本的な調査をすることは、とても役に立つよ。

社内に協力者を作る

社内には広報やマーケティングを担当する部署があるはずだ。そこの社員たちと親しくなり、自分の側に取り込んでおけば、リンク構築に使える予算は実質的に増えることになる。宣伝も広報も、うまくやればリンク獲得に結び付けられるからね。

ここで僕にできる最善のアドバイスは、自分の要望を相手に押し付けるのではなく、むしろ相手が上司から有能だと思われるように手助けしろ、ということだ。あらゆる人脈づくりにおける人間関係と同じように、相手のためにできることを考えるんだ。社内の人脈づくりも何ら変わりはしない。

会社のウェブサイトを利用する

すでに有力なブランドを所有している企業がリンク価値の高いコンテンツを作成した場合、そのコンテンツを広めるきっかけとしてソーシャルメディアを使用する必要はない。会社のサイトに1日あたり何万人というビジターが来てくれるのなら、そのトップページにコンテンツを掲載すれば、Diggのトップページに登場するのと同程度の効果が得られる(平均的なDiggユーザーと比較して、自社サイトの平均的なビジターに対するコンテンツの関連性の方がはるかに高いという点が重要だ)。自分の業務にリンクベイトを組み込もう

会社のメーリングリストを利用する

この件に関しては、Distilledの方でもいろいろと議論していて、おそらく近いうちに、記事のテーマとしても取り上げられるだろう。だが、(ゴーディン氏が呼ぶところの)承諾(パーミッション)に基づいて築いた顧客との関係については、強調してもし過ぎることはない。こうした関係が築ければ、顧客は企業がが特別に提供するニュースレターを購読してくれるだけでなく、いつ新しいリンクベイトが公開されるのかを知りたがるようになるだろう。

そんな馬鹿げた話、あるはずないと思うかな? 「ユニコーンとデートすべき10の理由」のようなバイラルコンテンツを検討してみよう。これをおもしろいと思った人の中には、このシリーズの最新作が公開されたことを知らせるメールを歓迎する人が多いだろうと思う。

ランドのプレゼンテーションから得た、パートナーシップやコンテンツ配信、その他もろもろのアイデアについて

今週開催された専門家向けセミナーでランドが行ったプレゼンテーションは、上記の手法をはじめ、企業向けのさまざまなリンク構築戦術に関する内容だった。

この記事で僕は、ランドのアイデアをそのまま使い回したりしないようにした(ユニコーンのリンクは別としてね)が、ランドのアイデアはすべて、ここで述べた内容にも活かされている。このセミナーを聞き逃してしまったのなら、全部の動画がもうすぐ公開されるだろう……

◇◇◇

このリストですべてを語り尽くしたというわけではない(実のところ、企業の業務そのものをリンク価値の高いものにする方法についても取り扱っていない)ので、みんなのアイデアや考えをぜひコメント欄に書き込んでほしい。

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