【コロナ禍で再注目!】A/Bテストの種類 ~ A/Bテスト・多変量テスト(MVT)・複数ページテスト(ファネルテスト)・リダイレクトテスト

Withコロナ・ニューノーマルと呼ばれ、インターネットの利用が大きく伸びている中で、A/Bテストが再び注目されるようになっています。たしかにA/Bテストは、地味な印象はあるかもしれませんが、コツコツと着実にWebサイトを改善して成果を積み上げていくことができるストック型の施策と言えるのではないでしょうか? 今回はA/Bテストの種類をご紹介します。
※この記事は読者によって投稿されたユーザー投稿のため、編集部の見解や意向と異なる場合があります。また、編集部はこの内容について正確性を保証できません。

「A/Bテスト」は、「A/B/nテスト」や「スプリットテスト」と呼ばれることもあります。また、ひとくちに「A/Bテスト」と言っても、同種のテストをまとめた総称のように用いられる場合もあれば、特定の種類のテストに限定される場合もあります。

そこで、「A/Bテスト」(および同種のテスト)の種類とメリット、注意点について、Google オプティマイズのメニューも参考にしながらご紹介します。もちろん、全種類いずれもGoogle オプティマイズで手軽に実施することができます。

 

INDEX

  1. A/Bテストの種類
  2. A/Bテスト(通常のA/Bテスト)
    1. 「A/Bテスト」とは?
    2. 「A/Bテスト」のメリット
    3. 「A/Bテスト」の注意点
  3. 多変量テスト(MVT)
    1. 「多変量テスト(MVT)」とは?
    2. 「多変量テスト(MVT)」のメリット
    3. 「多変量テスト(MVT)」の注意点
  4. 複数ページテスト(ファネルテスト)
    1. 「複数ページテスト(ファネルテスト)」とは?
    2. 「複数ページテスト(ファネルテスト)」のメリット
    3. 「複数ページテスト(ファネルテスト)」の注意点
  5. リダイレクトテスト
    1. 「リダイレクトテスト」とは?
    2. 「リダイレクトテスト」のメリット
    3. 「リダイレクトテスト」の注意点
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A/Bテストの種類

初めにご説明したとおり、ひとくちに「A/Bテスト」と言っても、同種のテストをまとめた総称のように用いられる場合もあれば、特定の種類のテストに限定される場合もあります。

通常よく行われている「A/Bテスト」は、同じページ内で一部の要素を切り替えたパターン(AとBまたはそれ以上)を比較するテストです。この通常の「A/Bテスト」は、テストの種類としては、単に「A/Bテスト」と呼ばれます。

また、同じページ内で、一部の要素だけではなく、複数の要素を切り替えて組み合わせることによって数多くのパターンを比較するのが「多変量テスト(MVT:Multivariated Test)」です。

一方、同じページ内だけではなく、一連の遷移先となる複数ページにわたって一部の要素を切り替えることによって、ページ遷移ごとのパターンを比較するのが「複数ページテスト(ファネルテスト)」です。

さらに、要素の組み合わせやページの遷移にとどまらず、大幅に異なるデザインやユーザーエクスペリエンスを比較する「リダイレクトテスト」があります。

Google オプティマイズでは、これらすべての種類の「A/Bテスト」が実施可能です。しかも、「リダイレクトテスト」を除く3種類のテストは、デザインやコーディングのスキルがなくても、直感的な操作で手軽に実施することができます。

Google オプティマイズのA/Bテストメニュー(初期設定画面より)

Google オプティマイズのA/Bテストメニュー(初期設定画面より)

A/Bテスト(通常のA/Bテスト)

「A/Bテスト」とは?

通常の「A/Bテスト」とは、同じページ内の一部の要素を切り替えた複数のパターン(AとBまたはそれ以上)を比較するテストです。

テストの基準となるオリジナルのデザインをパターンA、オリジナルと異なる要素が1つ以上含まれたデザインをパターンB、さらにはパターンCなどと設定して比較します。たとえば、商品詳細ページの購入ボタンの色とテキストを切り替えたパターンなどです。

A/Bテスト

A/Bテスト

「A/Bテスト」のメリット

統計的に分析するためには、母数としてある程度以上のトラフィックが必要です。通常の「A/Bテスト」では、テストするパターンが少なければ、あまり多くのトラフィックを必要とせず、短期間で信頼性の高いデータを取得することができます。

そのため、訪問者数が少ないサイトでも利用しやすいというメリットがあります。訪問者数が多い大規模なサイトでも、より短期間でテストできるため、よく利用されています。

「A/Bテスト」の注意点

テストパターンの数が多くなると、そのぶん多くのトラフィックが必要となり、結果が出るまで時間が掛かります。一般的に、通常の「A/Bテスト」に適したテストパターンの数は2~4つと言われています。テストする要素を絞り込むなど、結果に対して要因が特定できるようにテスト内容を設計し、PDCAを回していくことが重要です。

もし複数の異なる要素を組み合わせて数多くのパターンを比較したい場合は「多変量テスト(MVT)」が適しています。

多変量テスト(MVT)

「多変量テスト(MVT)」とは?

「多変量テスト(MVT:Multivariated Test)」とは、同じページ内において、一部の要素だけではなく、複数の異なる要素を切り替えて組み合わせることによって数多くのパターンを比較するテストです。

ページ上の複数の要素をテスト対象にしたい場合によく用いられ、どの要素の組み合わせが効果的なのか分析することができます。また、個々の要素がどの程度影響を与えているのか、より効果の大きい要素はどれなのか、ということも明らかになります。

例えば、ECサイトの商品詳細ページで、商品ロゴとリード文と購入ボタンについて検討したい場合、これらすべての要素を組み合わせ可能なパターンで比較することが可能です。各パターンの成果を分析し、より効果的なパターンや、より効果の大きい要素を把握することができます。

多変量テスト(MVT)

多変量テスト(MVT)

「多変量テスト(MVT)」のメリット

「多変量テスト(MVT)」で、どの要素の組み合わせが効果的なのか、どの要素が単体で効果が大きいのか等、特定の組み合わせや要素単体の影響が把握できれば、たとえば別のキャンペーンのLP(ランディングページ)などを制作する際に応用できます。

通常の「A/Bテスト」でも要素の組み合わせはテストできますが、全パターンを1つずつ設定する必要があるため、テストする要素が増えるほど設定作業の工数も掛け算で増えます。「多変量テスト(MVT)」なら、それを1回の設定で自動的に行うことができます。

「多変量テスト(MVT)」は、要素や組み合わせの効果に見当がつかず、どの要素や組み合わせをテストすればよいのか判断しかねている場合にもお勧めです。

「多変量テスト(MVT)」の注意点

「多変量テスト(MVT)」では、テストのパターンが数多くなるため、統計的に分析するためには、母数として数多くのトラフィックが必要です。変更する要素が増えるほど組み合わせのパターンも増え、テストから意味のあるデータを取得するのに時間が掛かります。

そのため、日々のトラフィックが少ないサイトには向いていません。大量のトラフィックを持つ大規模なサイトでも、現実的なスケジュールでテストを完了するには、一般的に、組み合わせを25パターン以内に収めるとよいと言われています。

複数ページテスト(ファネルテスト)

「複数ページテスト(ファネルテスト)」とは?

「複数ページテスト(ファネルテスト)」とは、同じページ内だけではなく、一連の遷移先となる複数ページにわたって一部の要素を切り替えることによって、ページ遷移ごとのパターンを比較できるテストです。

たとえば、ECサイトの場合、ユーザーはLP(ランディングページ)や商品一覧ページから商品詳細ページ、商品購入ページへと進んでいく中で、商品を購入したり、途中で離脱したりします。複数のページにわたる入力フォームも同様です。この一連のページ遷移内で複数のページの要素を切り替えて、ページ遷移ごとのパターンをテストすることができます。異なるパターンの間は行き来できないようにテスト側で制御されます。

※Google オプティマイズでは「マルチページエクスペリエンス」と呼ばれ、「A/Bテスト」の [+ページを追加] ボタンから設定できます。

複数ページテスト(ファネルテスト)

複数ページテスト(ファネルテスト)

「複数ページテスト(ファネルテスト)」のメリット

「複数ページテスト(ファネルテスト)」では、異なるページ遷移のパターンの間は行き来できないようにテスト側で制御され、ユーザーに一貫したエクスペリエンスを提供してテストすることができます。

また、通常の「A/Bテスト」と同様に、テストするパターンが少なければ、あまり多くのトラフィックを必要とせず、短期間で信頼性の高いデータを取得することができます。

「複数ページテスト(ファネルテスト)」の注意点

「複数ページテスト(ファネルテスト)」は、通常の「A/Bテスト」と同様に、テストパターンの数が多くなると、そのぶん多くのトラフィックを必要となり、時間が掛かります。

リダイレクトテスト

「リダイレクトテスト」とは?

「リダイレクトテスト」とは、要素やその組み合わせ、ページ遷移などにとどまらず、大幅に異なるデザインやユーザーエクスペリエンスを比較するテストです。

たとえば、デザインが大きく異なるLP(ランディングページ)や、全面的にクリエイティブを変更したページをテストする場合に、実際にそれぞれのデザインで作成したページ(異なるURLを持つ別々のページ)にリダイレクトさせて実施します。ページの要素ではなく、URLでパターンを特定するため「スプリットURLテスト」と呼ばれることもあります。

「リダイレクトテスト」では、「複数ページテスト(ファネルテスト)」のように、個別の1ページだけではなく、一連の遷移先となる複数のページを対象とすることもできます。ただし、異なるパターンの間の行き来をテスト側では制御できないため、設計には注意が必要です。そのため、たとえばお申し込みフローなど、途中からユーザーが入ってくることのないページ遷移のテストなどによく利用されます。

リダイレクトテスト

リダイレクトテスト

「リダイレクトテスト」のメリット

「リダイレクトテスト」はオリジナルのデザインパターンの要素や組み合わせにとらわれる必要がないため、自由度が高く汎用的なテストです。

個別の1ページだけではなく、一連の遷移先となる複数のページを対象とすることもできます。異なるパターンの間の行き来はテスト側では制御できませんが、利用する部分をよく考慮して設計すれば、ユーザーに一貫したエクスペリエンスを提供してテストできます。

また、「A/Bテスト」と同様に、テストするパターンが少なければ、あまり多くのトラフィックを必要とせず、短期間で信頼性の高いデータを取得することができます。

「リダイレクトテスト」の注意点

「リダイレクトテスト」では、テストパターンをすべて実際に作成する必要があるため、デザインやコーディングなどのWeb制作のスキルと工数が必要になります。

また、メリットでもご説明したとおり、異なるパターンの間の行き来をテスト側で制御できないため、ユーザーに一貫したエクスペリエンスを提供してテストするには、利用する部分をよく考慮して設計する必要があります。

さらに、「リダイレクトテスト」のように多くの要素のデザインを大幅に変更するテストでは、各パターンの成果に対して、個々の要素がどれだけ効果があったかは評価できません。あくまでパターン全体としてのデザインの効果しか評価できないことに注意する必要があります。

* * *      * * *      * * *

以上、「A/Bテスト」の種類とメリット、注意点についてご説明しました。

Google オプティマイズでは、これらすべての種類の「A/Bテスト」が実施可能です。しかも、先にご説明したとおり、「リダイレクトテスト」以外の3種類のテストは、デザインやコーディングのスキルがなくても、直感的な操作で手軽に実施することができます。

そうは言っても、実際に自社でGoogle オプティマイズを使いこなせるのか、A/BテストのPDCAを運用できるのか、そして、肝心の成果を上げられるのか、不安に感じる企業様も多いのではないでしょうか?

イー・エージェンシーでは、Google オプティマイズの導入支援はもちろん、お客様のビジネスの課題解決に向けた活用コンサルティングや、日々の活用サポートまで、豊富な実績で培ったノウハウをもとにお手伝いいたします。Google アナリティクスやGoogle 広告と連携させた、よりパーソナライズされたA/Bテストなど、Googleのプロダクトならではの優位性を活かした施策もご支援しております。

A/BテストやGoogle オプティマイズにご興味をお持ちになった方は、ぜひお気軽にお問い合わせください!

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