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Webプッシュ通知、人気サイト以外では9割が拒否反応という無惨な統計データ【SEO情報まとめ】

Webサイトの約85%で、Webプッシュ通知を許可してもらえる率は10%以下。つまり、9割の人は拒否反応を示している

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Webサイトの約85%で、Webプッシュ通知を許可してもらえる率は10%以下。つまり、9割の人は拒否反応を示している ―― そんな興味深い、信頼性のあるデータがある。

UXを考えずに乱用されている感のあるWebプッシュ通知に関する大規模な統計データと、ではWebプッシュ通知をうまく使うにはどうすべきかを紹介する。

ほかにも、基本的なSEOの考え方から、SEO上級者でもあまり知らないかもしれないテクニカルSEO、そしてグーグルの最新動向まで、幅広く情報をまとめてお届けする。

  • 画像をh1タグに設定したときのalt属性をグーグルはどのようにみなすのか?
  • URL削除ツールが新Search Consoleに追加される
  • 上位表示ページと同じ文字数で記事を書いても上位表示はできない
  • グーグルが推奨するサイトマップ送信は実はSEOにマイナス!?
  • サイトが長い間503や429のHTTPステータスコードを返すとインデックス削除につながる
  • AMPページのコメント欄は省略可能か?
  • リンクの否認ファイルは即座に処理されるが、否認されるのは再クロールされてから
  • JSやCSSの更新をグーグルに確実に伝える方法
  • グーグルさん、自社名の検索で競合他社の広告を出すのはマジやめてください
  • AMPのCSSサイズ上限が50000バイトから75000バイトへ50%増量⬆
  • ネイティブLazyloadを可能にするloading=lazy属性がウェブ標準に、Chrome以外のブラウザサポートに期待

今週のピックアップ

Webプッシュ通知、人気サイト以外では9割が拒否反応という無惨な統計データ
適切な対象・タイミング・メッセージで許可を求めるべき (DEV Community) 海外情報

Webサイトの約85%で、ポップアップを出してもプッシュ通知を許可する率は10%以下 ―― そんな興味深い、信頼性のあるデータがある。

Webサイトを訪問したときに、プッシュ通知の許可を求められた経験は、だれにもあるはずだ(スマホアプリではなくWebの話題だ)。

プッシュ通知のプロンプト
プッシュ通知の許可を求めるプロンプト

そうしたWebプッシュ通知の許可を求めるプロンプトにユーザーがどのように反応したかを示すデータを、Chrome ユーザー エクスペリエンス レポートで確認できるようになった。

筆者補足: 「Chrome ユーザー エクスペリエンス レポート(以下、CrUX)」は、Chromeユーザーの実際のデータを集計したレポートだ。たとえば、表示速度計測ツールのPageSpeed InsightsにはCrUXが用いられている。CrUXのデータは公開されており、利用して独自のレポートを作成することもできる。

このCrUXのデータを利用して、プッシュ通知プロンプトに対してユーザーがどのように反応したかを調査した人がいる。

結論から言うと、利用者からの信頼が高い一部のサイトを除けば、ほとんどのサイトでWebプッシュ通知が敬遠されている。

サイトごとにみたWebプッシュ通知への反応を元記事の筆者がグラフ化したものをみると、全体の85%ほどのサイトで、Webプッシュ通知を許可した比率が圧倒的に低いことがわかる。

(冒頭で紹介した画像を再掲)横軸がサイトで、縦軸が次に示す各反応の比率:
  • 緑色: 許可
  • 黄色: プロンプトを閉じる
  • 赤色: 拒否
  • 黒色: 無視

Slackのように92%がWebプッシュ通知を許可しているサイトもある。しかし、大半のサイトでは「Webプッシュ通知? そんなのいらない」という反応だということだ。

全体を平均してみると、次のような結果が出ている。

スマホ・PC・タブレットの平均
  • 許可: 16.71%
  • 拒否: 40.74%
  • プロンプトを閉じる: 23.84%
  • 無視: 18.71%

全体では4割がプラス効果を拒否している。許可するユーザーは2割に満たない。

デバイスごとの数値は次のとおりだ。

デバイスごとのプッシュ通知プロンプトへの反応

スマホでは、約57%が拒否している。2人に1人以上だ。プロンプトを閉じたり無視したりしている人を合わせると、8割近くがプッシュ通知を望んでいない

PCでは、明示的な拒否は約11.7%とスマホよりずっと少ないが、無視が50%近い。許可しているのは6%弱であるから、9割以上はプッシュ通知を望んでいない

「ユーザーが喜んでWebプッシュ通知を受け取りたい」一部のサイトや、訪問者数が非常に多いサイトも含めた全体データでこれだ。ましてや、普通のサイトでは……言うまでもない。

あなたも、ページを訪問した瞬間にプッシュ通知を求められて“うざい”と感じたことが何度もあるのではないだろうか。押し付けがましいプッシュ通知の要求はユーザーエンゲージメントを向上させるどころか損ねる。逆効果になりかねない。

Webプッシュ通知許可の要求は、

  • 適切なターゲットに
  • 適切なタイミングで
  • 適切なメッセージとともに

出してこそ効果がある。たとえば、

  • ニュースサイトに頻繁に訪問するユーザーに、新着記事を知らせる

  • ECサイトで欲しかった商品が品切れで買えなかった人に、その商品の再入荷を通知する

  • 情報サイトで特定のカテゴリのコンテンツを続けて閲覧した人に、同種のコンテンツが掲載されたことを通知する

といったシナリオで、さらに「それならばぜひ!」と思えるメッセージを添えるのが、本当のコミュニケーションだろう。

すべての訪問者に、手当たりしだいにWebプッシュ通知を押し売りすればいいというものではない。そうした無思慮なWebプッシュ通知の乱用は、このすばらしい仕組みを殺してしまう行為なのだから(もう手遅れかもしれないが)。

★★★★☆
  • Webプッシュ通知を設定しているすべてのWeb担当者 必見!

グーグル検索SEO情報

画像をh1タグに設定したときのalt属性をグーグルはどのようにみなすのか?
h1タグの一部 (John Mueller on Twitter) 海外情報

h1タグのなかにテキストではなく画像を配置したら、グーグルの扱いはどうなるのだろうか? もう少し具体的に言うと、その画像のalt属性で設定したテキストの扱いだ。

ジョン・ミューラー氏は次のようにコメントした。

画像のalt属性にあるテキストは、その画像が埋め込まれたページのコンテンツの一部だとみなすことが多い(画像の内容と同じようにだ)。

もしalt属性がh1タグのなかにある画像のものだとしたら、それはやはりh1タグの一部になるだろう。

画像のalt属性は画像の内容を検索エンジンに伝えるうえで重要な要素だ。これはh1h2といった見出しタグ場合にも当てはまるようだ。もっとも、最近では画像を見出しタグに設定する状況はさほど多いとは思わないが。

★★★☆☆
  • ホントにSEOを極めたい人だけ

URL削除ツールが新Search Consoleに追加される
重要な注意点は以前と同じ (グーグル ウェブマスター向け公式ブログ) 国内情報

新バージョンのSearch ConsoleにURL削除ツールが追加された。新Search Consoleが正式版になってそれなりに時間が経っているが、これまでURL削除ツールは移行されておらず、旧バージョンのSearch Consoleから利用していた。今回やっと、ユーザーインターフェイスを刷新しての再登場だ。

新しいURL削除ツール

新しいURL削除ツールの機能は次の3つだ:

  • 一時的な削除 ―― 管理サイトのURLを指定してインデックスからの削除をリクエストできる。ただし正確には、検索結果からの非表示だ。有効期限は約6か月間だ。永久に検索結果に出さないようにするなら、noindexタグを追加するなどの手段が必要になる。

  • 古いコンテンツ ―― 一般公開されている削除ツール経由で削除をリクエストされたURLを確認できる。通常は、サイト管理者ではない人による一般ユーザーからのリクエストだ。

  • セーフサーチ フィルタリング ―― 新たに加わったレポートだ。セーフサーチ提案ツールを通じて Google ユーザーによってアダルト コンテンツと報告されたページの履歴を表示する。

URL削除ツールの機能自体に大きな変化はない。

  • 削除が一時的である点
  • wwwなしを削除するとwwwありも同時に削除されてしまう点

など、重要な注意点も変わりない。使用に際しては、公式ブログ記事ヘルプ記事を必ず参照してほしい。

★★★★☆
  • すべてのWeb担当者 必見!

上位表示ページと同じ文字数で記事を書いても上位表示はできない
文字数でSEOをやらない (John Mueller on Twitter) 海外情報

SEOの世界でコンテンツの文字数と検索ランキングの関係は、話題に出る頻度が高いものの1つだ。グーグルのジョン・ミューラー氏の最新のコメントを紹介する(今までと変わっていない)。

1位表示の記事と同じ文字数で記事を書いても、1位にはなれない。

USB充電器を大量につなげても月に行けないのと同じだ――それでもUSB充電器を買い足してみようと思ってしまいがちなのは確かだが。

(後半の「USB充電器」のたとえ話はともかくとして)、とにかく文字数で検索ランキングは決まらない。「上位表示ページは○○文字以上」というようなランキングの相関関係調査をよく目にするが、あくまでも相関関係に過ぎない。対象としたクエリに対して、有益なコンテンツを作るにはそのくらいの文字数が単に必要なだけだったのかもしれない。

よく考えてみればわかるはずだ。単純に文字だけが多い記事をあなたは役に立つと感じるだろうか?そんなことはないだろう。

「原稿用紙2枚」のような小学生の作文の宿題ではないのだから、文字数でSEOを考えるのはやめよう。

★★★★☆
  • すべてのWeb担当者 必見!

グーグルが推奨するサイトマップ送信は実はSEOにマイナス!?
大規模サイトで不適切に使うと落とし穴がある (株式会社JADE) 国内情報

サイトマップの送信はSEOにおいて非常に重要。

こう信じているウェブ担当者は多いはずだ(筆者もそのうちの1人だし、Web担でもそのように伝えていた時期もあった)。

しかし検索エンジン向けのサイトマップは、使い方によってはマイナス効果を生み出してしまう。サイトマップが持つ落とし穴をJADEの辻氏が解説した。

辻氏が指摘する、不適切なサイトマップが引き起こすトラブルは次のようなものだ。

  • クロールの偏り
  • 評価されないURLの放置
  • 正規化の妨げ

辻氏はヘルプの記載を引用し、サイトマップが本当に必要なサイトはそう多くはないとしている。辻氏によれば、サイトマップが必要なサイトは、たとえば次の条件に当てはまる場合だそうだ。

  • 巨大サイトで毎日数千~数万以上のURLが更新され通常の方法では検索対象にならないページがあり、通常のサイト改善ではindexさせられないサイト

  • 画像、動画、ニュース、多言語など、XMLで検索エンジンに伝えるべき特殊な情報を多く持つサイト

  • Bingや百度、YandexなどのようにXMLサイトマップが無いとindexの問題が起きがちな検索エンジンからの集客が必要なサイト

一般的なサイトでは神経質になる必要はないと思う、だが、こうした条件に合致するサイトを運営しているなら辻氏の解説をよく読んで、SEOへの悪影響をサイトマップが発生させないように対策するといい。

★★★☆☆
  • 大規模サイトのすべてのWeb担当者 必見!
  • ホントにSEOを極めたい人だけ
用語集
CSS / Googlebot / HTML / JavaScript / SEO / Webサーバー / XMLサイトマップ / アップロード / インデックス / キャッシュ / クローラー / クロール / リンク / 検索エンジン / 検索連動型広告 / 見出しタグ / 訪問 / 訪問者

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