実はそれほど難しくない?自分でできるWebサイト調査〜認知的ウォークスルー

自社で管理・運営しているサイトの使い勝手が悪かったり、デザインがパッとしない…そんなときに使える「認知的ウォークスルー」調査についてご紹介します。
※この記事は読者によって投稿されたユーザー投稿のため、編集部の見解や意向と異なる場合があります。また、編集部はこの内容について正確性を保証できません。

自社で管理・運営しているサイトの使い勝手が悪かったり、デザインがパッとしない…

感覚的にはわかってはいるものの、例えば上長や関係各所に説明を求められた時に論理的に説明することはなかなか難しいものです。

そんな時にぜひお試しいただきたいのが「認知的ウォークスルー」と呼ばれる調査手法。

なんだか小難しい名称ですが、特別な装置も必要なく被験者も選びません。

ただ、たった一つだけコツがあります。
それは「ユーザーの気持ちになって、Webサイトを使ってみる」ことです。

「認知的ウォークスルー」調査の進め方

それでは早速「認知的ウォークスルー」の調査手順について、具体例とともに見ていきましょう。

1.対象となるWebサイトを決める

自社のサイトなど、調査の対象となるサイトに加え、比較検証の目的で競合やライバル会社など3〜5サイト程度リストアップします。

2.ユーザーの課題(タスク)と属性を決める

次にユーザーがサイトに訪れる目的と解決したい課題を決定します。

ここではBtoB企業サイトでの調査を例に

  • 目的:アルバイト・パートの勤怠(シフト)管理ソリューション導入の比較検討における情報収集
  • 課題:アルバイト・パートの勤怠(シフト)管理ソリューションの資料を取得する

としてみましょう。

ユーザーの属性とは年齢や企業や組織、プロジェクトにおける役割、あるいはITリテラシーといった内容です。

ペルソナがあれば流用してもよいですし、新たに作成しても構いません。
ここではソリューション導入プロジェクトに関わっている担当者をペルソナとしたユーザー属性にしてみます。

  • 年齢:30代前半
  • 性別:男性
  • 役割:ソリューションを実際に使う立場(選定には関わるが決裁権はない)
  • ITリテラシー:やや高い

3.スタートとゴールを決める

課題の設定が終わったら調査のスタートとゴールをそれぞれ決めます。
ゴールはお問い合わせや資料請求(いわゆるコンバージョン)とするのがよいでしょう。

スタート地点は自社サイトの外(検索エンジンや広告バナーなど)にすることをおススメします。
なぜなら、ユーザーの行動はサイトに流入する前から始まっているからです。

ここではソリューションの資料を探しているのですが、ユーザーはソリューション(サービス)名称そのものを事前に知っているわけではないので、「アルバイト 勤怠 管理 ソリューション」といったキーワードで検索するはずです。

こうしたキーワードで検索するところから調査開始となり、自社が提供しているソリューションの資料をダウンロードした時点でゴールとなります。

ということで、それぞれ以下の通り設定してみます。

  • スタート:検索エンジンで目的のソリューションをいくつかのキーワードを使って検索
  • ゴール:ソリューションの資料をダウンロード(または資料請求)

4.利用シーンを決める

次にユーザーが利用するシーンも設定しておきましょう。
利用シーンによって使用するデバイスも異なるはずです。

PCだけでなくスマートフォンを利用するケースもありますし、自宅と職場では機種も通信環境も異なります。

今回のケースでは業務で使う資料のダウンロードがゴールとなりますので

  • 利用シーン:昼休み、会社のPCでお弁当を食べながら

ということにします。

5.いざ、調査開始!

これで調査に必要な条件が一通り揃いました。
いよいよ条件に沿って調査のスタートです。

可能であればメモとストップウォッチを用意しましょう。

ストップウォッチはスタートからゴールまでかかった時間の計測に、画面遷移の経緯をメモに書き留めながら進めます。

そして実際に会社でお弁当を食べながら(笑)調査をしてみてください。

ユーザーの気持ちになって、Webサイトを使ってみる

このように比較的簡単にできる調査ですが、重要なポイントはやはり

「ユーザーの気持ちになって、Webサイトを使ってみる」

ことです。

ウォークスルーとは舞台などの立ち稽古(衣装や舞台装置を使わなず普段着で台本を片手に行う稽古)の意味で、ソフトウェア開発において想定したシナリオ(台本)通りにユーザーが正しく操作できるかを簡易的に検査する目的で使われはじめました。

Webサイトの調査でもユーザーの気持ちになって「稽古する」=使ってみることで、作り手の視点からは気づきにくい問題やユーザーの課題解決を妨げている要因を探ることができます。

例えば、サイト内でそのソリューションが「アルバイト」「パート」「勤怠」「シフト」「労務」「管理」といったキーワードと紐づいておらず、ソリューションの名称だけしか案内していない場合、サイトにたどり着けないケースもあり得ます。

ソリューションを紹介ページまでたどり着いたとしても、コンテンツの内容に乏しかったり冗長だったりすると途中で読むことを諦めてしまうかもしれません。

サイトの構造や画面レイアウトが頭に入っていたとしても、気持ちの入れ替え方次第で見えてくるものが多くあるはずです。

早く目的にたどり着くことが目的ではありませんので、中断しながらでも問題ありません。
作業途中でまったく関係の無いサイトを閲覧したり、電話やメール応対などの業務をこなしながら進める方が日常に近いと思います。

また、競合やライバル会社のサイトで同じ調査をしてみることで、設計やコンテンツの優劣も見えてきますし改善へのヒントを得ることもできます。

ぜひお試しください!

本稿は、
Webに詳しくないWebマスターのためのブログ“Getting Better
https://getting-better.jp/
に掲載された記事です。

▼実はそれほど難しくない?自分でできるWebサイト調査〜認知的ウォークスルー
https://getting-better.jp/walk-through-survey-161020/

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