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検索順位とブランド価値を上げるためのSEO――検索結果を「変えて」みよう【前編】

ブランドにとってプラス効果のある「評判管理」に特化したSEOとは? 実例をもとに解説!

この記事の内容はすべて筆者自身の見解であり(ありそうもないことだが、筆者が催眠状態にある場合を除く)、Mozの見解を反映しているとは限らない。

検索者が君のブランドに初めて出会うのは、君のウェブサイトではなくグーグルの検索結果ページ(SERP)だ。オーガニック検索での第一印象に影響を与えられれば、ブランドに対する顧客の認識とコンバージョン率の両方を向上させるのに大いに役立つ。今回のホワイトボード・フライデーでは、ランドが評判管理のSEOについて回る課題と、効果的に評判を管理するための戦術を紹介する。

Mozファンのみんな、こんにちは。ホワイトボード・フライデーにようこそ。今回は、評判管理のSEOについて話そう。

評判管理のSEO:グーグル検索結果でブランドの価値を高めるには

僕はこれまで、Mozコミュニティの多くのメンバーや、スタートアップおよび起業家の世界の多くの友人と、繰り返し生じるこの問題についてたくさん話をしてきた。その問題とは「グーグルで君のブランドを検索しているユーザーは、君のサイトにたどり着く前に最初の接触を持ってしまう。つまり、君のブランドについて最初に知るのはグーグルの検索結果ページである」という点だ。

SERPは、そこに何が表示されるか、何が書かれているか、どのように書かれているか、誰が上位に入っているか、どの位置に入っているか、そういったことすべてをコントロールするもので、さまざまなことに大きな影響を及ぼす可能性がある。

課題

現時点で分かっているのは、検索結果の内容が以下のものに影響を及ぼす可能性があることだ。

  • コンバージョン率:レビューが概ね低評価だったり、表現が分かりにくかったり、コンテンツを読んでも答えが得られないような疑問を抱かせたりすると、コンバージョン率が低下する可能性がある。
  • バイラル力への悪影響:検索結果で君のコンテンツを見て、何か悪いところや否定的なところがあると思われたら、リンクや共有をしたり、話題にしたりする可能性が低くなるかもしれない。
  • 顧客満足度:君の商品を買おうとしている顧客でも、検索結果で何か否定的な内容を見たら、不満を感じる可能性が高まるかもしれない。あるいは、評価や検索順位が低いのを目にした場合は、評価の高いレビューを見た場合よりも否定的な評価を付ける可能性が高まるかもしれない。顧客の期待値は、検索結果に表示される内容によって偏ってしまう。多くの場合、それはまったく理不尽なことだ。

たとえばスタートアップの世界に身を置く人たちと話していると、次のように言ってくることが多い。

当社の製品をレビューしている人たちがいるのだが、私たちはまだ設立したばかりだ。彼らは顧客でもない。これでは、競合が顧客のふりをしているか、あるいは単に誰かが便乗して、ブランド検索が増加している私たちから利益を得ようとしているのではないかと思ってしまう

これはかなりストレスのたまる事態だ。

ブランドにとってプラスの効果を最大化するために、このページにどのような影響を与えられるか?

そうした状況に対処する方法はいくつかある。検索結果を変えるには、改善すればいいのだ。

たとえば、Mintedというホリデーカードを販売している企業がある(最初に断っておくが、僕はこの会社の役員を務めていたことがあり、そのため僕と妻はまだ同社の株をいくらか持っていると思う。さあ、これで情報開示は万全だ)。

ここ米国では、11月~12月を前にホリデーカード市場が過熱し始める。この時期はクリスマスの休暇シーズンで、ホリデーカード業界は稼ぎ時だからだ。このMintedのページを例にとって、僕たちにできることをいくつか紹介する。

1. 検索結果に表示されるページを変える。
ページ内にすでにあるものを削除したり、新しいものを追加したりして、グーグルにさまざまな選択肢を与えよう。検索順位を変えることもできる。「これはもっと下位にして、もう一方のこれはもっと上位にしたい」とSEOを通して伝えるのだ。

2. 検索結果に表示されるページのコンテンツを変える。
意図しない低いレビューを付けられたり、誰かに特定のことを書かれたりするケースがある。この状況を改善するために影響しうることがある。

3. SERPの表示内容を変える。
たとえば、Mintedのカードの画像をいちばん上に表示させられるかもしれない。そうすれば、特にその画像が際立って美しければ、購入したいと思ってもらえる可能性が高まるだろう。

4. トップストーリーに取り上げてもらう。
Mintedに関する素晴らしい報道記事がある場合は、ここでGoogleニュースの記事を使ってもらえるよう、グーグルに働きかけられる。あるいは、関連する検索キーワードに表示される内容なども変更できるかもしれない。

5. 検索需要を変える。
検索欄に「Minted」と入力すると、「Minted versus competitor X(Minted 対 競合 X)」や「Minted card problems(Minted カード 問題)」などとサジェスト表示される場合(どちらも実際には表示されないと思うが、こういう問題を抱えている企業は多い)、検索需要を変えることもできる。

評判管理の戦術

以下に挙げるのは、MozのSEO責任者であるブリトニー・ミュラーの助けを借りて僕が実際に取り組んでみた戦術の数々だ。僕たちはあまりに多くの戦術を思いついたので、ここではすべてを紹介しきれないが、コメント欄でさらにいくつか説明しよう。

A. 自身のサイト以外のURLにリンクを張る(1と2に役立つ)。

まず、リンクは依然として、検索結果で目にする多くのコンテンツにとって大きな影響を及ぼすものとなっている。たとえばYelpは強力なドメインであり、多くのリンクを張っているため(検索結果に表示されるMinted関連ページへのリンクもたくさんあるかもしれない)、リダイレクトしたり、新しいリンクを追加したりするなどリンクを改善するほか、自身のサイトや君が寄稿している記事からリンクしたりできる。

あるいは、最高経営責任者(CEO)の紹介ページやチームの紹介ページに載っている著名なインフルエンサーからリンクすることもできる。こうした人物がイベントで講演したり、リンク元のサイトに寄稿したりした場合や、Mintedとして寄付や市民の理念を支持している場合、報道で取り上げられた場合に、リンクやリンク先を変更すれば、プラスの効果が得られることがある。

僕たちが目にする問題の1つは、多くのブランドが「自社のブランドに関するリンクはすべて、常に自社のトップページに張られなければならない」と考えていることだ。だが、必ずしもそうとは限らない。

実際には、自社のFacebookページを上位に表示させたいとか、自社のエンジニアリング方針や多様性の文化、地域貢献について素晴らしい記事を書いたという場合もあるかもしれない。一部でもそうした記事にリンクできるか検討してみよう。

B. ジャーナリストやブロガー、ウェブの編集者、コンテンツ制作者にアピールする(1と4のほか、3にも多少役立つ)。

これには、君や君の製品について記事を書くあらゆる人が含まれる。ただし、タイトルにブランド名を入れてもらわなければならない。これは見落としやすい最大の要素の1つだ。

たとえば、サンフランシスコ・クロニクル紙の記者がMintedを記事にして、「このスタートアップなら、こんなことがあっても不思議ではない」など期待を込めた内容を書くかもしれない。それに対して言いたいのは、「頼むから、記事のタイトルに『Minted』という単語を入れてくれ」ということだ。入れてもらえれば、この記事が検索結果に表示される可能性はずっと高まる。

したがって、君について書いてくれるブロガーやレビュアー、友好的に接してくれる人たちであれば、この手のアピールは何らかの機会をもたらしてくれる可能性がはるかに高くなる。SERPで目立つトップストーリーにも取り上げてもらえる。

C. 独自のコンテンツを作成する(1のほか、3にも多少役立つ)。

誰かにやってもらうのが難しいなら、自分でコンテンツを作成してもいい。これには2通りの方法がある。1つは、Medium.comハフィントン・ポスト、LinkedInなどのオープンプラットフォームだ。

これらの場所ではそうした独自コンテンツを受け入れてもらえる。あるいは、より選別が厳しく、外部からのコンテンツはほとんど受け入れないが、それぞれの分野で上位に表示されるような、ゲスト投稿を受け入れてくれるサイトもある。

これを、リンクビルディングの視点だけで考える必要はない。実際、リンクにnofollowが設定されているかはどうでもいい。リンクがまったく獲得できなくても問題ではない。君がやらなければならないのは、自分の名前、タイトル、キーワードを、公開される記事のtitle要素に入れてもらうことだ。

この記事は、前後編の2回に分けてお届けする。後編となる次回は、今回に引き続いて評判管理の戦術を紹介する。

用語集
Facebook / SEO / SERP / nofollow / オーガニック検索 / コンバージョン率 / バイラル / リンク / リンクビルディング
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