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グーグル世代の若者は……何を考えているの?(後編)

この記事は前後編の後半だ。前回に引き続き、SMX Westで開催された「グーグル世代:最近のティーンとの対話」のレポート後半をお届けする

何かを購入する前に検索をしますか?

エバン君の答えはイエスで、ハリソン君は製品のウェブサイトをチェックするそうよ。そして、アンドリュー君はCNETやAmazon.com、eBayを調べるらしい。

実際、パネリストたちの中で最も「普通のティーン」らしい回答をしたと思えるのはクロエさんで、ショッピングモールで洋服を試着して買う方が好きだから、オンラインショッピングはあまりしないと答えている。十代の女の子は友達と一緒に買い物するのが大好きだし、もしオンラインで買い物を済ませてしまったら、そんなことできなくなっちゃうものね。それに、ティーンエージャーが使うお金って、大部分は自分のじゃなくて親のお金でしょ? それもあって、普通のティーンは買い物の前に、あんまりインターネットで商品をチェックしたりしないだろうと思うの(これは私の個人的な意見よ。これに関してはいかなる調査も行っていないのであしからず)。

クロエさん
Image by Silver Smith

私たちが製品についていろいろ調べるのは、支払う金額に対して十分な価値を得られるかどうかを判断するためよね。年をとればとるほど、実際に購入の決定をする前に、製品についてもっと多く調べるし、その製品の価格が高ければ高いほど、調査の範囲も広がる傾向があると思う。ハリソン君とアンドリュー君が購入前に調べるというのは、当然なのよ。だって、2人はたくさんのお金を稼いでいて、技術にも精通しているんだもの。製品の仕様や機能が価格に見合っているかどうかを確認したいと思うはずだわ。

理由はともかく、パネリストの友人に、オンラインで買い物をする子はあまりいないみたい。

何について検索することが最も多いですか?

ハリソン君とエバン君は宿題関連、プログラマでもあるアンドリュー君はPHPの機能や開発関連の情報、そして、クロエさんはMySpaceのレイアウトについて検索するそうよ。

この質問には、なんだか「普通のティーン」っぽい回答が返ってきたみたいね(アンドリュー君は例外ね。だけど、私が通った高校にも若きプログラマはたくさんいたし、いつだって、どの学校にだって、ある程度の割合で彼のような生徒はいるものよ)。

だけど、4人の答えを聞くまでもなく、ティーンエージャーが課題やMySpace関連のことを最もよく検索しているってことは想像がつくわ。

ティーンエージャーだけを対象とした検索エンジンがあれば、使用しますか?

アンドリュー君はティーンエージャー向け検索エンジンについて、そのサイトがターゲットとなる層を内密に設定していれば話は別だけど、自分の年齢層だけを対象にした検索エンジンを使いたいとは誰も思わないから、その発想自体がばかばかしいと答えている。「そこにある機能を使いたくてサイトにアクセスするのであって、16歳のためのサイトだからといって、そこを訪れることはない」ですって。アンドリュー君の回答は、普通のティーンとしての意見とウェブマーケターとしての意見が混ざり合ったものだと見たわ。年齢層と機能性ということに触れた点は、この少年がインターネットマーケターだという事実を改めて思い起こさせてくれるわね。

だけど、アンドリュー君の言うとおりよ。多くのティーンたちが対象年齢を限定した検索エンジンを使用し、18歳になったらそこを卒業して「大人の」検索エンジンに移っていくなんて、考えられないもの。確かに馬鹿げたアイデアね。

エバン君は、宿題関連の情報に的を絞った検索エンジンが見てみたいそうよ。これは「普通のティーン」らしい回答だと認めてあげてもいいんだけど、それって一種のWikipediaみたいなものじゃないの? 百科事典は宿題をするのにとっても役立つし、Wikipediaは無料で利用できる百科事典でしょ(Wikipediaの正確さについては、もちろん承知のうえよ)。その他にも、ウェブ上には、宿題に関するフォーラムや学習サイトがたくさんあるわ。だから、宿題で取り扱うテーマの幅広さを考えると、「宿題」専用の検索エンジンにどんな機能を持たせればいいのか、私にはわからないの。

エバン君は、より安全性にすぐれた検索機能も欲しいそうよ。表示される検索結果のタイプを気にしている人たちと話をしたことがあるらしいんだけど、幼い子供向けの検索エンジンがあればいいと言っていたわ。やれやれ、これは決して普通のティーンエージャーらしい回答とは言えないわね。十代の子は「安全性の高い検索」なんてこれっぽっちも考えていないと思うもの。ティーンエージャーが考えているのは早く大人になりたいってことだけ。多くの子は、検索結果にたまに出てくる下品な言葉やポルノ画像にも、ちゃんと対応できると思うわ。平均的な15歳や16歳の子たちは、安全性の高い検索を強く要求したり、「子供たちのことを考えている人はいないの?!」と声を上げたりはしないものよ。

エバン君
Image by Silver Smith

どのソーシャルメディアサイトを使用していますか?

4人が利用しているのは、FacebookとMySpaceとTwitter。きわめてありきたりな答えだったわ。だけど、今ではMySpaceとFacebookの人気がほぼ肩を並べていて、パネリストたちの友達の多くが両方のサイトを利用しているというのを聞いて、なんとなくおもしろいと思ったわ。Facebook、そろそろMySpaceに追いつけそうよ!

今後もインターネットマーケティングに関わり続けますか?

私はこの質問が気に入っている。なぜなら自分がした質問だから(笑)。

ハリソン君は、間違いなくインターネット分野に留まり続けるつもりだと答えたけど、必ずしもアフィリエイトマーケターとしてではないかもしれないそうよ。

クロエさんは、実を言うと映画の方に興味があるらしいわ。インターネット分野に入るつもりはなかったけれど、だんだんとおもしろくなってきて、作成したウェブサイトの数も増えてきたので、この分野に留まるかもしれないって言ってた。

アンドリュー君は、やりがいを感じ、新しい開拓分野が出てくる限り、今やっていることを楽しんでいくつもりですって。最終的にどんな職業につくかはわからないけど、インターネット分野には居続けるそうよ。

エバン君はこの質問に答えなかった。インターネットマーケティングをやっていないからでしょうね。

◇◇◇

ここで嫌味をネチネチと言い続けるつもりはないけど、標準的なティーンエージャーが検索やインターネットで現在何をしているのか知りたいと思っているのに、ウェブにかなり精通したインターネットマーケターたちを相手にそういう質問をするもんだから、面食らっちゃったわ。質問の内容と質問する相手がずれちゃってるのよ。もし、次のようなやり方でこのセッションを進めていたら、もっとましなセッションになったんじゃないかしら。

  1. 「普通の」ティーンエージャーたちにもパネリストとして参加してもらって、知識豊富な今日のパネリストたちにしたのと同じ基本的な質問をする。アフィリエイトマーケティングで1か月に何万ドルも稼いだり、ブログでアドセンスから収入を得たり、Wordpressのプラグインを開発したりなんかはしない若者たちよ。なにげなくインターネットを使用している普通の子供たち。だって、私の検索習慣を調査して、標準的な米国人がどのように検索しているかを知ろうなんて誰も考えないでしょ? それよりは、私(やパネリスト)が精通している事柄に関して何も知らない、うちの妹なんかを調べた方がいいわ。

  2. パネリストの顔ぶれは変えずに、質問の内容を変える。インターネットマーケティングを始めたきっかけや、どうやって知識を身につけたか、どのくらいの時間を仕事に費やしているのか、などに焦点を当てた質問にするということ。エバン君はマーケターじゃないから、この手の質問をするわけにはいかないわね。でも、セッション自体は、こういう子たちがビジネス/ブログ/開発などに関して、どんなことをやっているのかに焦点を当てたものになったと思うわ。

全体的に見て、今回のセッションは、とても大きな可能性を感じさせるものではあったけれども、残念ながら2つの異なる要素が混在していて、多少期待はずれの内容になってしまったし、少なくとも私にとっては、回答が予測できる質疑応答だったと思う。

クロエさんの話がもっと聞きたかったわ。頭がいい子だと思ったんだけど、発言がとても少なかったのよ。私のお気に入りはアンドリュー君ね。彼はいい子みたいだったし、見るからに聡明で、ユーモアのセンスも良かったから。この子はすばらしい可能性を秘めていると確信したわ。

以上、時代遅れの「オバサン」がグーグル世代のセッションをまとめてみました(^_-)。何か得るものがあったらとても嬉しいわ。

今回の記事はかなり独断的なものだということ、覚えといてね。聴衆の多くは、今日のパネルセッションを楽しんだに違いないの。ただ、改善の余地はあるなと思っただけ(決してパネリストたちを非難しているわけじゃないわ。問題があったのは、セッションの焦点の当て方の方)。私のほかにもこのパネルセッションを見た人がいたら、意見を書き込んでちょうだいね。

用語集
Facebook / PHP / SMX / アフィリエイト / イベント / セッション / ソーシャルメディア / 検索エンジン
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