『ネット広告運用“打ち手”大全』(全11回)

どのキーワードで広告を出すか? 成功率を高めるキーワードの発想は「軸」と「サブ」

検索広告で最初に考えるべきは「どのキーワードに広告を出すか」です。キーワードの発想法を「折りたたみ自転車」の広告例で紹介します(第4回)。

書籍『ネット“打ち手”大全 成果にこだわるマーケ&販促 最強の戦略102』の一部をWeb担向けに特別にオンラインで公開。

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キーワードの発想は
「軸」と「サブ」で

ユーザーの頭の中心と、ニーズに向かう言葉をイメージする
Chapter 2 検索広告 機会学習の活用と自動化を目指せ

検索広告において最初に考えるべきは「どのキーワードに広告を出稿するのか」です。筆者の経験上、もっとも効率的なキーワードの発想法を「折りたたみ自転車」の広告を例に紹介します。

キーワード選定は検索広告で依然として重要

「ユーザーの意図は検索語句〈※1〉から読み取れる」。この考え方はSEM〈※2〉において普遍的であり、現在でも変わりません。よって、AdWords(Google広告)の広告グループには、自社の商品やサービスを利用する見込みがあるユーザーが検索しそうな、有望なキーワードを見極めて登録していくことが基本となります。

ここで意識したいのが、検索語句は「軸キーワード」と「サブキーワード」に分かれるということです。例えば「折りたたみ自転車」=軸、「おすすめ」=サブのような形です〔図表10-1〕。

折りたたみ自転車(軸キーワード)検索対象そのものを示す言葉 おすすめ(サブキーワード)検索対象を絞るために加える言葉
軸とキーワードとサブキーワードの例〔図表10-1〕

※1 検索語句
ユーザーが情報を調べるために検索エンジンに入力する言葉のこと。「検索クエリ」とも呼ぶ。広告主が検索広告を出稿するときに設定する言葉は「キーワード」と呼び、区別する。

※2 SEM
「Search Engine Marketing」の略。検索広告やSEO(Search Engine Optimization)など、検索エンジンを利用するユーザーを対象としたマーケティング活動のこと。

軸からサブへ、検討の深さを意識してまとめる

キーワード選定の流れとしては、最初に軸キーワードを商品やサービスごとに書き出します。続いてAdWordsのキーワードプランナー〈※3〉、Googleのサジェストキーワードを参考にしつつ、サブキーワードを見つけていきます。

最後に、ユーザーの検討の深さの度合いによって、軸キーワードとサブキーワードをグループにまとめていきます。「折りたたみ自転車を例にすると、以下のような軸・サブキーワードが挙げられるでしょう〔図表10-2〕。

検討の深さと軸・サブキーワードの例〔図表10-2〕

※3 キーワードプランナー
キーワードの候補や検索回数などの予測データを確認できるツール。AdWordsの管理画面にある[ツール、お支払い、設定]メニューの[キーワードプランナー]から表示できる。

「ニーズの束」としてサブキーワードを分類

サブキーワードは無数にあり、細かく見ていくほどまとまらなくなるものです。しかし、キーワードをグループ化できないと、ユーザーが絞り込もうとする意図を部分的にしか汲めておらず、登録すべき検索語句を見落としてしまうかもしれません。

そこで意識したいのが、サブキーワードを軸キーワードから伸びる「ニーズの束」として捉える視点です。以下の図は、軸キーワードとして「折りたたみ自転車」を置き、「おしゃれ」「かっこいい」「カラバリ」といったサブキーワードを想定しました。すると、それらのサブキーワードは「スタイル」というニーズに向かって伸びていく線のようにイメージできます〔図表10-3〕。

サブキーワードを「ニーズの束」として捉えた例〔図表10-3〕

ほかにも「安い」「軽い」といったサブキーワードが思い浮かびますが、それらは別の方向に伸びている線になるでしょう。例えば「価格」「性能」といったニーズの方向です。

このように、サブキーワードをニーズに向かう線としてイメージし、同じ方向に伸びている線を束ねると、分類しやすくなります。ぜひトライしてみてください。(寳)

まとめ

「ニーズの束」という考え方は、検索広告における広告文のバリエーションを作成するときにも生きてきます。常に頭に留めておくといいでしょう。

『ネット広告運用“打ち手”大全』
  • 寳 洋平 著/辻井 良太 著/高瀬 順希 著 著
  • 発行:インプレス
  • ISBN:978-4-295-00320-5
  • 価格:2,500円+税

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