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機内からのワイヤレス・インターネット接続の広がりと評判管理の新時代

電子メールが昔ながらのコミュニケーション手段に取って代わり始めたとき、この新しい形式の書簡がどれほど危険なものになってきたかについて、さんざん議論が交わされたことを私は今でも覚えている。

電子メールが登場する前は、相手に届く手紙というものは、もっとずっと長い時間をかけて内容を考えて書かれたものだった。書こうという決断も要った。時間も必要だった。そしておそらくは、手紙を封筒に入れて、切手を貼り、住所を書いて、ポストまで投函しに行くエネルギーが必要だった。

ごく最近まで、自分の意見を広く発表するには、この長ったらしく面倒で単調な、おもしろみのない作業が唯一の手段で、時間はかかるし疲れるし、いい加減イライラさせられた。

ユーザー作成のコンテンツを、単なるインターネット現象と捉えるのはたやすいことだけど、実際にはオフラインの出版の世界で、同様のことはずい分以前から起こっていたわ。両者の違いと言えば、オンラインではコンテンツを作成して投稿するのに、驚くほど手間がかからないということだけ。


10年(ほど)前にはすでに、私たちはほとんど躊躇なく手軽にメッセージを送れるようになっていた。そのことに私が気づいたのは16歳のとき。

ある日私は、大好きなコラムニストから電話をもらった。「今最も煩わしく思っていることは何か」という彼の質問に、読者が答えるコーナーに私がメールで送った回答が採用されてかかってきた電話だった。当時、私が一番イライラさせられていたのは家のテレビのリモコンだった。家族のせいでボリュームが調節できなくなっていたから。

私がそのコーナーにHotmailからメッセージを送っていたのは数週間も前のことだったので、すっかり忘れていたの。でも、メールでは、エルビスがどうして何台ものテレビを銃で撃って壊していたのかが、ようやくわかったというようなことを書いて、家でのエピソードを紹介していて、「ホークスベイのジェーンより」と署名が入っていたんだって。

あのときのママの驚いた顔は今でも覚えている。「ニュージーランド・リスナー」のページに、すごく耳慣れた話が載っているのを見て、驚いて言葉にならなかったようね。まあ、ママがあの話をおもしろいと思ってくれたのは助かったけど。

ちなみに、ニュージーランドの読者の人がいたら念のために言っておくけど、私はホークスベイ出身ではないのよ。しばらくいたことがあるだけ。でも、あそこではあまり良いことはなかった。悪い意味で言ってるんじゃないんだけど、ただ真実を伝えたかっただけ。

みんながみんな、メールで自分の意見を書き送って雑誌などに掲載してもらった経験があるわけじゃないだろうけど、そういうことをしたことのある人の多くは、投稿にもっと時間がかかったり面倒だったりしたら、そんなことは決してしなかったと思うの。改めてHotmailの力ってすごいと思った。


さて、話は7、8年先へ進んで、今ではもう、何であれ自分の好きなものをインターネットに掲載するのはもっとずっと簡単にできるようになっている。

それは単に、コメントやレビューの書き込みシステム、あるいはブログを通じで読者が好きなことを好きなように書き込めるようになっているからだけでなく、今はインターネットを使うためにデスクトップコンピュータの前に座る必要がなくなったからというのもある。実際、インターネットは、今まで考えられなかったようなところからでも接続できるようになっている。

たとえば、ジェット機の機内とか。この話についてはキッド・ディスコがすばらしいことを書いてくれてるんだけど、彼が12月に書いたブログ記事を読んで、私はJetBlueのどこがすばらしいのか、さらにいろいろな理由を思い出した。まずは、ディレクTVを見られること、社名にちなんでブルーのポテトチップが出ること、カリブ海への直行便があること。その他には……危機的状況に直面したときのパイロットの冷静な措置かな。ほっとひと安心。

JetBlueに新しくワイヤレスシステムが導入されたとはいえ、それが通常のインターネット接続と同じように使えるようになるには、まだ少し道のりがある。ワイヤレス接続で利用できるのは、せいぜい「Yahoo! MailとYahoo! Messenger、BlackBerryの電子メール機能とBlackBerry Messengerサービス」だし、小さな字の注意書きを読めば、JetBlueのワイヤレスサービスが今のところまだかなり制限されていることがわかるわ。とはいえ、これは機内でインターネットが使えない時代が終わりに近づいていることを示している

また、今はまだ、オーストラリアへ行く便でこのシステムを使おうと思ったら、長寿命バッテリーが余分に必要になるはずなので、その分費用もかかるわね。でも近い将来、私たちはどの飛行機でも、フルにインターネットに接続してネットサーフィンが楽しめるようになるんじゃないかと思う。

このブログに書く話じゃない? こんな話が出るとは思わなかった? でも私がここで言いたいのは、インターネットにアクセスできない場所のリストから「機内」っていうのが消えて、世界の距離がより近くなって、コンテンツが文字どおり全世界を駆け巡るようになったということ。それに、飛行機に乗っているときなんてあまりすることがないから、長距離便だとあの狭い機内に缶詰めにされて、一体どれだけ暇つぶしする時間があるか想像してみて。


ところで、話はちょっと変わるんだけど、最近は航空会社の評判管理が以前より少々難しくなってきているように思うの。

たとえば、ハワイからニューヨークへの長距離便に乗っているとしましょう。客室乗務員は態度がなっていないし、食事はおそろしくまずい。機内はずっと暑すぎたり寒すぎたりで、汗が吹き出すほどだったかと思ったら、急に温度が下がって、濡れた体が冷えてガタガタ震えてくる始末。映画は古くて最悪だし、失礼な客室乗務員から5ドルで買ったヘッドホンは左が聞こえない。そこで自分のヘッドホンを使おうと思ったら、ジャックの形状が飛行機の差し込み口に合わない。乱気流でもないのに、シートベルト着用サインは2時間点灯しっぱなし。お酒でも飲んで気を紛らそうとしていたら、ある女性がたまらずトイレに向かおうとして、シートベルト着用サインが点いていると言って客室乗務員に怒鳴られるのを目撃する。

悪夢のような8時間のフライトがようやく終わり、飛行機を降りる。ここから先はタクシーでホテルに向かう、乗り継ぎ便に乗る、自宅に帰る、などさまざまでしょうけど、先ほどの機内の怒りはおさまらない。でも、あなたには他にすることがある。あとで苦情の手紙を書くという手もあるだろうし、オンラインの掲示板に投稿するという方法もある。だけどここは、状況をありのまま綴ったレビューほど有効な方法はない。どこかに腰を落ち着けて、自分が受けたダメージを思い出し、あとはオンラインの接続機器につなぐだけ!

私はTwitterの大ファンというわけではなんだけど、Twitterはモバイルインターネットの普及から恩恵を受けたサービスの1つよね。Twitterに先に述べたような体験が更新されて出ていると想像してみて。そして、Yelpみたいなユーザー投稿レビューサイトをまとめたカテゴリができるとしたら?

(何百とある)旅行専門のサイトなら地図が備わっていて、主な飛行路線については旅行者の生の声が更新情報で掲載されている可能性もあるわ。週単位あるいは月単位で、特定の路線のレビューについてベスト記事を決めているサイトもあるかもしれない。シンガポール~フランクフルト間の飛行は特に大変(オークランドから出発していれば、さらに最悪)。ルフトハンザ航空で上空3万フィートを旅する間、乗客はさぞかしいろんなな娯楽を考え出せることでしょう。それはたとえば、Best of Craigslistのようなものかもしれない(ただし、これを読むと睡眠不足になってしまうかも)。ベスト記事はクラス別で分けてもおもしろいかも……私としては、エコノミー席の人の投稿がいちばん刺激的なんじゃないかと思うな。実際に飛行機に乗った人からの正直な、加筆修正されていない意見は、その意見が肯定的なものであっても、ものすごく否定的なものであっても、ソーシャルメディア市場の空いた領域を埋めていくことになるんじゃないかしら。

良いか悪いかだけで見ると、これは旅行者にとって良い傾向だと思うの。これだけカスタマーレビューがあるのだから、当然、レストランやバー、カフェ、ジム、それにさまざまな小売店は大きく変わっていいはず。にもかかわらず、まだ遅いサービスや無愛想なスタッフ、粗悪な商品に出会う。民間の航空機業界が他とは異なる可能性があると思う唯一の理由は、あの狭い席に縛りつけられている状況で、手元にあるノートパソコンを使って楽しむこと以外には、他にできることがたいしてない、というところね。

SEOは、数ある業界の中でもメンバーがあちこち飛び回ることの多い業界。だから機内でインターネットが使えれば、かなり快適に過ごせる。長時間の空の旅で、『ダイ・ハード4.0』『ザ・シンプソンズ MOVIE』『ヘアスプレー』のどれを見るか考えなくてもよくなる日が来ることを、心から楽しみにしているわ。

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