見た目じゃない! 現場が評価する「企業ウェブ・グランプリ」開催 第1回受賞は萬有製薬サイト

去る12月17日、「第一回 企業ウェブ・グランプリ」の表彰式が東京・赤坂のサントリーホールにて開催された。

企業ウェブ・グランプリは、日本のウェブサイトの発展を目的として、ウェブサイトを持つ企業が集まり、その中でお互いに評価し合い、グランプリを選出するもの。第一回となる今回は、参加企業から45サイトがノミネートされた。

この45サイトについて、参加企業およびそのサイト制作にあたった会社などの担当者、専門家約300名が、それぞれのサイトの評価、採点を行い、10の部門賞およびグランプリの選出を行った。

今回グランプリに選ばれたのは、万有製薬株式会社のサイト「患者さんとご家族へ」。

授賞式の模様

それぞれの部門賞は、以下のとおりとなった。

授賞式の模様

企業側で総合的にプロデュースを行う流れへ

このグランプリは、各社のウェブ担当者がそれぞれの抱える共通の課題について情報交換、議論を行うために2002年に発足した交流会議が母体となっている。

こういった背景もあり、選ばれたサイトも基本的には、プロモーション/広告キャンペーン系ではなく、コーポレートサイト、CSR的な情報サイトなどとなっている。

通常こういったサイトは派手なキャンペーンサイトなどに比べてなかなか評価される機会が少なく、ユーザービリティやブランディングといった要素の総合評価の形で順位付けされることが多い。

この企業ウェブ・グランプリは部門ごとに異なる評価基準を用意し、評価も異なる専門家が行う形式であり、こういったところからもより発展的な賞であると感じた。

先だって開催されたDESIGN IT!カンファレンスにおいても、複数企業の取り組みが紹介されていたが、ここ数年で、先進的な企業のウェブへの取り組みが、「1つサイトを作っておしまい」という一過性のものではなく、どういった社内連絡体制で、恒常的に品質向上に努めていくかを考えていく、長期的な取り組みへと進化してきている。

ウェブ黎明期では、専門知識を持っているのは制作会社や代理店で、企業側はそこからコンサルティングを受けたり、あるいはまるごと発注することで、ウェブサイトを構築してきていた。

しかし上記の先進的な企業では、企業側で総合的にプロデュースを行い、ユーザビリティ、ブランディング、ワークフロー、コンテンツといったそれぞれの専門分野について、それぞれ具体的な施策案を打ち出し、中長期にわたってそれらを検証しながら進めている。

まさに筆者の提唱していたウェブマスター2.0的に、すべての業務のバランスを長期的に検討しながら実施しているといえる。

こういった流れの中で、この企業ウェブ・グランプリが、運営主体側の企業主導によってスタートしたということは象徴的なことに感じられる。

第一回ということもあり、参加企業およびサイト数、評価基準などまだまだ課題もあるが、こういった賞によってより日本のウェブ業界、とくにウェブ担当者側が活性化していくことを期待したい。

<2007/12/27修正> 記事初出時に表彰式が開催された日付が間違って記載されていましたので修正いたしました。

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