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グーグルの“隠れた”品質評価アルゴリズムに対応する方法 などSEO記事まとめ10+2本

グーグルがコンテンツの品質を評価する「隠れた」アルゴリズムとその対策について解説する

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グーグルがコンテンツの品質を評価する「隠れた」アルゴリズム。その評価はページ単位なのかサイト単位なのか。どういう動きをし、どう対応するべきか。その分析の第一人者が解説する。
ほかにも、モバイル検索でのAMPのさらなる拡大の足音、アマゾンの常時HTTPS化、h1タグに対するグーグルの見解、重要性を増すPWAなどなど、SEOやサーチエクスペリエンスに関係するトピックをまとめてお届けする。

今週のピックアップ

グーグルの“隠れた”品質評価アルゴリズムに対応する方法
★★★★☆ 長期視点で取り組む (Search Engine Land)

コンテンツの品質を判断する検索アルゴリズムを、グーグルは複数持っていると言われる。

最も有名なのが、4年前に日本にも導入されたパンダアップデートで、低品質なコンテンツを検索結果から除外するものだ。

パンダアップデートは、導入後数年間は手動で更新する、いわば独立したようなアルゴリズムだったが、現在は自動で更新する「コア ランキング アルゴリズム」に組み込まれている。

パンダアップデートは、更新の前あるいは後に、ほとんどの場合は告知があった。しかしコア ランキング アルゴリズムの更新に関しては、通常、グーグルは何かを公表することはない。したがって、パンダアップデートの更新に関するアナウンスは、現在はない。

さて初めにも述べたように、コンテンツ品質を判断するアルゴリズムは、パンダアップデートだけではないというのが、SEOの世界では定説だ。コアアルゴリズムの一部となったパンダアップデートもあわせて、「発表されない、いわば隠れた品質評価アルゴリズム」があるというわけだ。

そうしたグーグルのコンテンツ品質評価アルゴリズムの分析にだれよりも精通しているのが、米国のSEOコンサルタントであるグレン・ゲイブ氏だ。

ゲイブ氏は、グーグルのコンテンツ品質評価アルゴリズムの現状を、次のようにまとめている。

  • 品質評価アルゴリズムは、ジャンルを問わずあらゆるタイプのサイトが対象である。

  • 品質評価アルゴリズムは、ページ単位ではなくサイト単位で適用される模様。品質のしきい値のようなものがあって、それを下回るとサイト全体のページが影響を受ける。

  • 更新は数か月ごとに実行される。2~3か月おきのこともあれば、6か月おきのこともあり、定まったサイクルはない。

  • 更新が実行されたあとは、しばらく変動が続くことも多い(調整のためか)。検索トラフィックがさらに下がったり上がったりする場合もあり、当初とは逆の動きをする場合もある。

ゲイブ氏の分析をSEO施策に活かすとしたら、次のようになるだろうか。

  • どんなサイトであっても、高品質なコンテンツ(だけ)を常に公開する

  • 品質に問題があるコンテンツを改善する

  • 結果が出るまでには最低でも数か月かかることが普通なので、長期的な視点で取り組む

今さら言うべきことでないかもしれないが、これらが確実に実践的できているかどうかを再チェックしてほしい。

日本語で読めるSEO/SEM情報

モバイル検索へのAMP全体適用をグーグルがすでに本番で実施した!?
★★★☆☆ 一部ユーザーへのテスト (NO TITLE)

通常の検索結果(トップニュース枠以外)でもAMPページを含めるモバイル検索を、グーグルは1か月前に試験公開した。

ただしこの試験公開は開発版なので、専用のURLでアクセスした場合にのみ適用されていた。また、検索結果ページの上部には特別なメッセージが出ている。

AMPサポート検索に出てくるメッセージ

しかし、この開発版ではない通常のモバイル検索でも検索結果にAMPページを含めるテストを、一部のユーザーを対象にしてグーグルが行っているようだ。遭遇した人がブログで報告している。

開発版とは異なり、こちらの検索結果ページにはメッセージは出ていない。

本番環境でのAMPサポート検索
ブログで紹介されている、通常の検索結果でのAMP項目

実は筆者も、このテストが米グーグル(google.com)で行われているのに遭遇したことがある(1日ほどで終わってしまったが)。

開発版の検索ページを一般ユーザーが利用するとは思えない。実環境で試すことで、一般ユーザーの反応を検証しているのだろう。

モバイル検索結果におけるAMP対応ページ表示拡大の足音は、どんどん大きくなっているようだ。

ついにアマゾン日本も常時HTTPS化
★★★★☆ 移行の裏話を聞いてみたい! (アマゾン)

日本のアマゾン(amazon.co.jp)も、ついに常時HTTPSへと移行した。

HTTPS接続のアマゾンジャパン
URLの「https」と鍵マークで、日本のアマゾンがHTTPSになっていることがわかる

米アマゾン(amazon.com)は、一足早く3か月前にHTTPS移行を完了していた。この時点では、日本のアマゾンはHTTPSでもアクセス可能だったものの、ユーザーのアクセスも検索エンジンのインデックスもHTTPを既定にしていた。

しかし現在はHTTPSでしかアクセスできない。HTTPでアクセスしても、HTTPSへ301リダイレクトされる。rel="canonical"もhttpsのアドレスが設定されている。

HTTPからHTTPSへ301リダイレクト
rel=canonicalはhttpsを指定

アマゾンのような超々大規模ECサイトが常時HTTPSへ移行するには、ただならぬ苦労があったに違いない。ウェブのセキュア化という時代の流れに乗っているアマゾンに敬意を表したい。

もしもできることなら、HTTPS化への準備と実行の裏話や移行後の検索トラフィックの変化を聞いてみたいものだ。

アドワーズ用のクローラーAdsBot-GoogleはSEOに影響を与えるのか?
★★★★☆ 検索と広告は完全に分離している (グーグル ウェブマスター ヘルプフォーラム)

「AdsBot-Google」というユーザーエージェント名のクローラーを、グーグルが動かしている。これは、アドワーズ広告のランディングページの品質をチェックするクローラーだ。

存在しないはずのURLにAdsBot-Googleがクロールしており、それが検索に悪影響を及ぼすのではないか。

と心配したサイト管理者が、ヘルプフォーラムで相談した。

グーグル社員のTakeaki氏は次のようにアドバイスした。

Google では検索と広告は完全に分かれており、広告側のクローラーが検索に影響を及ぼすことはありません。

ですが、そのクロール自体がサーバーへ負荷をかける可能性はあるかと思います。

クローラーの制御のついてはお送りいただいているヘルプ記事に記載がありますので、そちらをご参照下さい。

アドワーズのクローラーが検索に影響を与えることはないと断言している。広告部門と検索部門は互いに独立しており、広告を出稿したからといって、検索順位が上がることがないのと同じ理屈だ。

存在しないURLに広告用クローラーがアクセスしている形跡が見られたとしても、通常は無視して構わない

万が一サーバーに無用な負荷をかけているようであれば、「AdsBot-Google」を指定してrobots.txtでブロックしておくといいが、おそらくよほどのことがない限りは、そのようなことはないだろうと思われる。また、その場合にも、アドワーズ広告を出稿しているのであれば、ランディングページのURLはブロックしてはいけない点には注意してほしい。

プログレッシブ ウェブ アプリを実現するService Workerとは
★★★☆☆ やや開発者よりの話だけど知っておいていい (PLAID Engineer Blog)

最近注目を集めつつあり、グーグルもプッシュしているProgressive Web App(プログレッシブ ウェブ アプリ、略称PWA)に対応するには、Service Worker(サービス ワーカー)という仕組みを実装する必要がある。

こちらの記事は、

  • Service Workerとは何か?
  • Service Workerの特徴
  • Service Workerでできること

などを解説している。

やや開発者よりの話ではあるが、今後さらに流行ってくる可能性もあるので、PWAの概要やトレンドは把握しておきたい。

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掲載記事からピックアップ

AMPに関する記事を今週は2本ピックアップ。

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