ECサイトの引越しを完全解説(費用や移行の手順など乗り換え方法)

※この記事は読者によって投稿されたユーザー投稿のため、編集部の見解や意向と異なる場合があります。また、編集部はこの内容について正確性を保証できません。

弊社ではこれまで約2000ものECサイトをオープンさせています。その多くが、旧ECサイトの環境(ショッピングカートなどのシステムやサーバなど)からの引越しで、新環境へデータなどの移行を行うものです。これらの実績を元に、ECサイトを引越しして、環境を乗り換えする際に考えておくこと、その移行手順、実際の費用は何にどれくらいかかるのか、などを完全解説します。

ECサイトの引越しは、多くの方が手間やコストが膨大にかかるような印象をもたれています。また、データ移行などできるのか?そもそも引越しができるのか?不安に思う方も多いですが、実際には遥かに簡単に安価に手間もかからず引越しが完了します。

実際に実施する際は、確立したサポート体制やスケジュール・手順等をご案内しながら引越し作業を支援しますので見積や方法詳細は「aishipRのセールス窓口0120-173-163」にお問合せください。

また、ECサイトを新規で構築する場合の手順等はこちら「ECサイト構築の手順を完全解説」をご参照ください。

引越し前に決めること、引越し先の選定

引越しに合わせてECサイトのリニューアルも実施する場合は事前に以下5つのポイントは確認しておくべきです。その理由は以下の参考ページに記載しております。

  1. ECサイトリニューアルの目的と目標
  2. リニューアル後のECサイトマップ
  3. リニューアル後のECサイト対応デバイス
  4. ECサイトリニューアルのスケジュールと予算
  5. ECサイトリニューアル作業の担当分担と体制

※参考:「EC担当者様必見!ECサイトのリニューアル着手前に決めておくべき5つの事項」

次に、引越し先の新ECサイト構築ASP(ショッピングカートなど)の選定は必要です。この選定はECサイト毎に課題が異なりますので、選定にはその課題に合った引越し先の選定を実施する必要があります。

また、引越しするときの課題、特に機能面の課題だけでなく、引越しすれば当面そのシステムを利用することになるため、トレンドも抑えておく必要があります。例えばスマホEC強化・レスポンシブECサイトへの対応などは2016年以降にシステム移行する場合は、引越し先のショッピングカートASPのCMSがレスポンシブ対応かどうかなどは重要なポイントになります。

ショッピングカートASPの選定のポイント以下があります。(参考:ECサイトのクラウドサービス移行(構築)で必ず押える点!2015年からはレスポンシブも。
◇ポイント1:機能面の確認とカスタマイズ対応
・『絶対必要な機能』と『あればよい機能』をリストアップ
・顧客管理・物流側システムとの連携は可能か
◇ポイント2 スマホ対応、タブレット対応、レスポンシブ対応
・スマホ対応は可能?
・分離構成か レスポンシブか
◇ポイント3 データ移行
・データ移行はどこまで可能?
など

また、ショッピングカートASPの選定のポイント解説記事は以下もご参考ください。
「ECサイトカートシステムの選び方、比較前に抑えるポイント」
「ECサイトASP比較~マルチスクリーン対応ECサイトASPの比較ポイント~」

引越しの手順

ECサイトの引越しの多くは、現在のECサイトをそのまま運用をし続けます。そして新環境にECサイトの新しいテンプレートを設定し、データを移行し新しい環境が完成したすれば、新ECサイトを開店、旧ECサイトを閉鎖する手順となります。それらの手順は以下のようになります。

【引越しの手順】

  1. 引越し先の新サービス申込
  2. 新ECサイトのテンプレートを設定
  3. 商品情報とカテゴリ情報の引越し(商品・カテゴリデータ移行)
  4. 下層ページの情報引越し(下層ページコンテンツ移行)
  5. 諸設定
  6. 外部連携確認とオペレーションテスト
  7. 顧客会員情報の引越し(顧客会員データ移行)
  8. 新ECサイトオープン(旧ECサイト閉鎖):乗り換え完了

これらの引越しやデータ移行の手順詳細を以下に記載します。

(それぞれの作業内容や費用のさらに詳細は「aishipRのセールス窓口0120-173-163」にお問合せください。)

1.引越し先の新サービス申込

まずは、引越し先の新環境のサービスを申込する必要があります。その後、新サービスの管理画面へログイン情報が発行されます。実際の引越し作業(2以降の作業)はこの発行された管理画面で実施し、新環境にて必要なものを構築、データを移行していく作業となります。基本的にはこの管理画面のログイン情報が発行された時点で新サービスの利用料金が発生します。

決済(ペイメントサービス)の申込も新サービスの申込とほぼ同時期に実施しておく必要があります。決済手段によっては、クレジットカードの審査が完了しなければ申請できないものもあります。必ず必要なクレジットカード決済は、現在利用しているペイメントサービスを新環境でもそのまま利用できる場合もありますが、多くの場合は新サービスが標準接続しているペイメントサービスを利用することになるので、申請手続きが必要とお考えください。

入金元が変わる程度でペイメント会社変更は特段大きな手間などは発生しませんが、せっかくペイメント会社を変更するのであればこのタイミングで決済手段や料率の見直しをお勧めします。新サービス提供会社に現在の料率を提示すれば、それを下回る提案が出る場合が多いです。また決済手段が豊富で、新しいペイメントを早く導入できるサービス選定をお勧めします。(詳細は引越し先の新環境の会社にご相談ください)

上記のように豊富な決済手段を持つペイメントサービスを利用すると、1つの窓口でクレジットカード決済だけでなく、コンビニ決済や楽天ID、Yahoo!ウォレットなどの決済、docomoなど電話料金での回収できる携帯キャリア決済、越境EC向けのアリペイや銀聯、ペイパルなども一括で導入することが可能となります。※ご参考:対応決済サービス|aishipR

ペイメント導入費用は、クレジット決済のみであれば多くの場合は初期導入費用や月額費用等は無く、売上手数料の3.7%程度のみです。クレカのみでなくコンビニやウォレット、キャリア決済などマルチにペイメントサービスを利用する場合は初期費用:数万円、月額は数千円~1万円程度のコストが別途必要となります。

また、これらのペイメント会社を経由しない決済手段で最近導入効果が高いペイメントサービスに、amazonログインペイメントサービスや後払い決済(NP後払い、後払い.com)があります。これらのサービスはペイメント会社を通さないため、導入したい場合は引越し先の新サービスの会社窓口に直接申込を行う必要があります。ただしamazonログインペイメントサービスは導入費用無料、月3,000円程度で付加でき非常に効果が見込めるものの、標準連携していないサービスでは利用することが不可ですので、標準連携しているショッピングカートASPを選定することも、新サービス選定の重要要素となります。

2.新ECサイトのデザインテンプレートを設定

実際の引越し作業に入ります。まずは、新環境に引越しするECサイトの骨格となるテンプレートを設定します。主な作業は以下です。

(2-1)主要3ページのテンプレート設定

・TOPページ
・商品雛形ページ
・カテゴリ雛形ページ

テンプレートとは、新しい環境で利用するECサイトヘッダー、フッター、アサイドなどのECサイト各ページに共通する部分で、ECサイトの各ページデザインを決定するものです。

ECサイトの場合は主に上記3つのテンプレートを決定する必要があります。まずはサイト全体で使うヘッダー、フッター、アサイド等の基本的なページ構成を決定します。このテンプレートは主にTOPページを構築する際に、決定し設定を行います。

後の2つは商品ページのテンプレート、カテゴリページのテンプレートです。ECサイトの商品ページやカテゴリページはほとんどの場合、商品情報やカテゴリ情報を登録変更することで、その情報をあらかじめ指定したこれらのテンプレートのレイアウトに従い表示させます。

引越しの際にテンプレートは完全オリジナルなこだわりデザインを追求する場合、それらのワイヤーフレーム構築・デザイン作成の工程も入り費用や手間は多くなります。しかし早く安価に引越しをしたい場合の多くは、移行先に既に設定してあるテンプレートをベースに設定を行うことが可能です。

(2-2)動的に生成されるページのテンプレートデザイン設定

ショッピングカート内や会員登録ページ、マイページ、お問合せやアンケートなどのフォームページはシステムから動的に生成されるページが大半です。デザインの調整ができない箇所もありますが、最近のASPはこのようなページもデザイン自由度が高く、他のページ同様にトーンマナー等を調整できるので、主要3ページのテンプレート設定が完了したら、それに合わせてデザイン設定を行います。

3.商品情報とカテゴリ情報の引越し(商品・カテゴリデータ移行)

(3-1)商品情報の引越しの手順は以下です。

◇商品情報CSV作成、登録
新環境のCSV形式で商品情報(商品名、価格、詳細情報など)を作成します。多くの場合、現システムから一括ダウンロードが可能です。しかしこのCSVがダウンロードできない、そもそも商品情報がデータベースになっていない等があると、一から作成する必要がありますので、そこそこの手間やコストは発生します。

◇商品画像登録
商品の画像を新環境へ引越しさせる作業です。こちらも上記同様に、新環境から画像データを一括でダウンロードするなどし、新環境へアップロードすることが基本です。多くの場合このタイミングで画像の見直しや圧縮処理で軽くするなどを実施されます。また上記CSVと紐づけて一括アップすることで、容易に商品情報と画像を関連させることができるので。整備さえきちんとできている多場合には、商品情報の移行はそれほど大した手間ではありません。

◇商品登録内容チェック
一括データ移行後に、適正に情報が移行され表示されているか内容のチェックを実施します

(3-2)カテゴリ情報の引越し
上記商品情報の移行とよく似ていますが、カテゴリが少ない場合は、管理画面より直接設定をしますが、カテゴリが多い場合は、カテゴリ構成表を作成(現サイトのカテゴリをベースに)し、そのファイルを登録することでカテゴリ登録が完了します。完了後に登録内容のチェックを行います。

4.下層ページの情報引越し(下層ページコンテンツ移行)

下層ページの引越しは、主に下層ページの情報を新環境へ移設する作業であり、多くの場合はそのままページ情報をコピペして完了します。下層ページのデザインテンプレートは、2のTOPページで設定したテンプレートに従うことが基本ですが、下層ページのテンプレートを変える場合は、また下層ページ用のテンプレート設定が必要になります。

ただ引越しに合わせて、下層ページの情報を見直しされる場合も多く、その場合は下層ページを移行する前に、これらのコンテンツをメモ帳などでもよいので、適正に整備することが必要です。

以下がECサイトにほぼ必ずある下層ページで引越しが必要なものです。

  • ショッピングガイド
  • Q&A
  • 特定商取引に基づく表記
  • 会社概要
  • プライバシーポリシー

会社概要はコーポレートサイトへのリンクの場合もあるのでその場合は特に引越し等は不要です。上記以外に、その他説明のページ、特集ページやLPなどがある場合はそのページのコンテンツも移行させます。

5.諸設定

諸設定の代表的なものに以下のようなものがあります。

  • 在庫設定
  • 送料/手数料設定
  • 決済設定
  • カートページ設定
  • マイページ設定
  • 顧客登録フォーム設定
  • ポイント設定
  • レビュー設定
  • 各種受注関連メールテンプレート設定
  • 納品書設定
  • アフィリエイト・リスティング・アクセス解析各種必要タグの設置
  • SEO関連内部対策

これらは、多くのECサイトで共通のものや、ECサイトにより設定情報がまちまちのものもあります。いずれにしても、これらの作業はデータを移すというよりも、現在の環境の設定と引越し後はどうしたいのかを加味し、新環境で設定しなおす必要があると考えておいてください。

これら設定情報があらかじめ整備してあればこれらの設定作業は1~2日の簡単なものとなりますが、メールテンプレートやSEO関連のメタタグ等も見直す場合は、数日間の作業が発生するため、その考慮は必要かもしれません。

(諸設定の方法や、アドバイスはaishipRのサポート窓口0120-173-163で、引越し計画や実際の設定の際にもサポートしますのでお気軽にご相談ください。)

6.外部連携確認とオペレーションテスト

5までが完了すれば、引越し作業も終わりが見えてきました。このタイミングでは、実際に登録された商品、設定等で、本番のようにテスト注文を入れ、購入者に対してのメール内容の確認、受注処理~発送まで一連のオペレーションをし、データ取込やその他作業等に問題がないか本番と同じ要領でテストを行います。

受注や顧客などの管理を外部連携ソフト利用している場合、連携確認や場合によりカスタマイズの必要性も、このタイミングで同ソフトの連携テストを行い、問題なく稼働できるかを検証します。※参考:外部連携ソフト一覧|aishipR

7.顧客会員情報の引越し(顧客会員データ移行)

現システムから顧客会員情報を一括出力し、引越し先の新しいシステムへ顧客会員データを移行する作業です。

大半のシステムは顧客会員情報をCSVで入出力することが可能です。出力できるなら、ほとんどの情報の移行が可能です。名前、住所、メアドなどはもちろん、会員ID、パスワード※、ポイント、レビュー、購入履歴、定期注文の情報※も移行が可能です。

これらはそもそも現サービスでどこまでデータが出力できるのかで、どこまで移行できるのかが決まるため、事前に現サービスCSV等の形式で一括出力できる顧客会員データの項目に何があるのかを確認しておく必要があります。現サービスの管理画面からの出力が不可なら、システム管理会社に直接言えばデータベースから直接出力してくれる場合もあります。

※パスワードはハッシッ化などで移行不可の場合あり、その場合は初期化などでユーザへ案内する必要がある。
※定期注文の場合、クレジットカード情報の移行に絡み出力をしたがらないペイメントサービスがあるため要相談。

8.新ECサイトオープン(旧ECサイト閉鎖):乗り換え完了

新環境でのサイトへ会員データ移行も完了し、いつでもお客様に来店いただける状態になれば、ドメインのDNS情報を変更することで、新ECサイト側へお客様が誘導注文されます。

この際に、ドメインは当然引継ぎしますが、サイト内の一部ページのURLが変更になり、変更になった旧ページへ訪問してしまったお客様にはページが表示されなくなること防ぐためリダイレクト設定を行います。SEOの効果も引き継がれるので適正にリダイレクト設定を行うことをお勧めします。

そして、上手く稼働していることを確認し、引越し完了後約1か月程度で旧サイトを閉鎖しサービスの解約をして引越しが終わり、乗り換え完了となります。

以下はこれらのに関連する作業の参考記事です。
「完全把握!ショッピングカートの乗り換えに必要な作業一覧」
「ショッピングカート選択の決め手は、CSVの柔軟性である2つの理由」

引越しにかかわる費用

費用
引越しにかかわる費用は上記の引越しにかかわる手順の内容を“誰がやるのか”という作業費用が主な内容です。当然自社で実施すれば支払いコストは発生しませんが、内部にノウハウやスキルがないと、それ相応の時間を必要とします。ただし、内容によりサービス提供している会社でしか実施できないものをありますので一部確認は必要となります。以下は一連の作業の相場の概算費用ですので、引越し等を実施される際のご参考にしていただければと思います。

見積詳細は「aishipRのセールス窓口0120-173-163」にお問合せください。

2.新ECサイトのテンプレートを設定

自社でもWEBデザイナーにより実施可能です。しかしながらこの作業で新ECサイトのデザインが決まるので、外部委託のデザイナーで実施される場合も多く、費用はフルデザインで100万円越も、既設テンプレートを利用すれば、数十万円で可能です。

3. 商品情報とカテゴリ情報の引越し(商品・カテゴリデータ移行)

大半は自社で実施されます。データが整備(CSV等)してあれば容易な作業です。ただし商品点数も多く、データ整備もされていない場合はそのデータ作成に日数を要します。外部委託すれば商品点数にもよるが、数万円から数十万円程度の作業費が必要な場合もあります。

4.下層ページの情報引越し(下層ページコンテンツ移行)

大半は自社で実施されます。現ECサイトに無いページを引越し後に作る必要がある場合は、そのページコンテンツ(画像や文章)の作成が必要となります。外部デザイナーで制作する場合は、1ページにつきよくあるwebページの制作費用を要します。

5.諸設定

大半は自社で実施されます。特に社内で運用を実施される場合は、この諸設定をオペレーションの際に使用したり、設定変更したりするので、大半は自社で実施されます。しかし手間がかけられない場合など、外部で設定を行うこともあります。各種受注関連メールテンプレート設定のメールテキストライティングやアフィリエイト・リスティング・アクセス解析各種必要タグの設置、SEO関連内部対策の見直し、テキストライティングなどを除けば2~3日程度の作業費用が目安となります。

6. 外部連携確認とオペレーションテスト

社内で実施されることが基本です。外部連携でカスタマイズが必要な場合はその費用を別途見積することが一般的です。

7.顧客会員情報の引越し(顧客会員データ移行)

基本的に社内でも実施されますが、ポイント、レビュー、購入履歴情報の移行などは、社内で実施できず、引越し先のショッピングカートASP会社へ依頼する必要があります。その場合は別途データ移行の費用が発生します。データ移行を委託する場合は数万円~30万円程度が目安です。

8.新ECサイトオープン(旧ECサイト閉鎖):乗り換え完了

DNS設定変更は簡単な作業なので、基本的に社内でも実施できるのですが、やり方がわからない場合はショッピングカートASP側へ委託し、約1万円程度で可能です。リダイレクト設定はファイルのアップが社内で実現できない場合もあり、その場合はショッピングカートASP側へ委託し、約3万円程度です。

これらの費用の詳細は「ECサイト構築費用の相場:クラウド型ASPを利用した制作費や価格相場について」もご参考ください。

さらに詳細は「aishipRのセールス窓口0120-173-163」にお気軽にお問合せください。

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掲載元のブログではわかりやすい画像つきで公開しています。
■aishipスマートフォン&モバイルEC事例・ノウハウ集
http://www.aiship.jp/knowhow/archives/27597
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