はじめてWEBエキスパート(専門家)コラム ホームページを育てるための"心得帳" ~ほったらかしのホームページを救え!~(全6回)

ホームページを作るときに最初にすること(第2回)

心得1「伝えたいことを見つめることからはじめよう」――これがないとホームページは作れません!というくらい大事な大事な最初の「心得」です
※「はじめてWEB」は2020年10月13日をもってサービスを終了しました。

「ホームページを育てるための"心得帳"」では、「ホームページを公開したものの、そのあとどうしていいかわからない……」という方へのヒントとして、見落としがちな視点や意識しておきたい考え方をお伝えします。 第2回は「ホームページで伝えたいこと」についてのお話。これをきちんと決めることで、ホームページを育てる方針や方向性が定まってきます。これがないとホームページは作れません!というくらい大事な大事な最初の「心得」です。

ホームページを作るときに最初にすること

商品やサービスを紹介するホームページを作ろう!と思った時、最初にすることってなんでしょう?原稿作り?写真を撮る?デザイン?と思った方もいたかもしれませんが、その前に考えなければならないことがあります。それは「ホームページで伝えたいことを決める」ということです。

大丈夫、売る商品は決まってる!と思う方もいるかもしれません。確かに値段、形、色などの情報はすぐに準備できますが、もっと手前のことを考えることが非常に重要です。「手前のこと」とは、その商品を人に伝える根拠です。「なぜその商品のことを伝えるんだろう?」ということを考えるのは、「事実」を「価値のある情報」にするための大切なステップになります。

自分ではその商品やサービスがいいものだと確信していても、それをまったく知らない人に伝える場合、写真や値段だけでは伝えられません。伝える側がその商品やサービスのことを意識していなければ、見る人には伝わらないのです。

今回は、それを意識するための簡単なワークをご紹介します。

Step1:商品やサービスのいいところを見つめる

まずは、自社の商品やサービスの「いいところ」を自分の言葉でたくさん書いてみてください。もうわかってるよということも、「これはいいところなのかな?」「他のと同じようなことかも?」ということも、頭で思ったことをなんでも文字にします。商品が複数あればできるだけ多くの商品についてやってみましょう。とにかく数をたくさん書きだすことがポイントです。

書きだすときに付箋紙を使うとあとで楽になります。1つのいいところを1つの付箋紙に書くようにするとよいでしょう。以下の写真は弊社(#fc0)の例です。

思いつかない!という方は(聞いてみると割といるんですよこういう人)、自分が扱う商品やサービスと同じジャンルのものを扱っている他のホームページを見てみるとヒントが見つかるかもしれません。他のホームページでどんな風に商品やサービスをほめちぎっているかを研究することで、自分が扱う商品やサービスのいいところが見つかったりします。(商品やサービスの比較ではなく、「ほめちぎり方」を見てくださいね)

たくさん書きだすことができたら、今度はそれを「自分の心に響く順」に並べます。主観でかまいませんので、この商品のいいところは絶対これ!と自分が思う順に付箋紙を並び替えます。なぜこんなことをするのかはのちほど解説します。

Step2:商品やサービスのよくないところも見つめる

次に、逆のパターンもやります。自社の商品やサービスの「よくないところ」について、同じようにたくさん書きだしてみてください。多分こちらのほうが難しいですよね。

「そんなものないよ!」という方もさらさらっと出てきた方も、「自分にとって」だけではなく「他の人にとって」その商品やサービスがどうなのかということも考えてみましょう。若い人には使えるけれどお年寄りには使えないとか、○○が好きな人にはいいけれど嫌いな人にはイヤかもしれないとか。自分にとっては最高のものでも、他の人の視点で見たら良くない面があるかもしれません。

良くない点ばかり挙げているとだんだん辛くなってきそうなので、あまり時間をかけずにまずは思いつくままに書きだしてみましょう。(こちらは並び替えはしなくていいので、付箋紙ではなくてもよいです)
よい点とよくない点を挙げることができたら、次のステップに進みます。

Step3:目指していることを確認してみよう

さて、こういうことをする理由は大きく分けて2つあります。

  1. ホームページで情報を発信する目的をはっきりさせるため
  2. 商品やサービスに対する自分の愛情を深め、ホームページを作る意欲を持つため

まず1について、その商品やサービスの「存在自体」だけではなく「誰にどういう価値があるのか」を伝えるためにはっきりさせる必要があります。Step1※「はじめてWEB」は
サービスを終了しました
で「いいところ」を並べ替えたことで、「伝えたいことの優先順位」をはっきりさせ、Step2※「はじめてWEB」は
サービスを終了しました
で「よくないところ」を書きだしたことで、それをカバーする「いいところ」の表現について考えることができます。また、「誰にとって」いいところ(よくないところ)なのかを意識することになります。

これまで書きだしたことを眺めてみて、このホームページは[誰のために][どんなことを伝えたくて]作っているんだっけ、ということを改めて考えてみてください。できれば書きだしてみるとよいと思います(以下は書きだしてみた例です)。これが今後ホームページを作るときのいろいろな「表現」の土台になってきます。ここに書いたことは、ホームページが育つに連れてどんどん変わります。

そして2が本当に大事なんです。ホームページを育てる上で一番大事なのは「商品やサービスが本当にすばらしいから、世の中に伝えたい!」という思いなのです。

以前、本業とはまったく異なる分野のECサイトの制作依頼をお受けしたことがあります。自社の本業である研究の成果として作った商品を売るためのホームページを立ちあげたいというご依頼でした。その会社は長年研究をしているのでどうしても「研究の成果」を伝えたくなってしまい、「商品の良さ」を表現するのに苦労されていました。数が作れないので他社よりも価格が高いというデメリットを、買う側の人にどのように納得していただくかというところも課題でした。

商品の良さを伝えるためにどうしたらいいかを一緒に考えていく際に意識したのは「買う人にとっての商品のメリットを伝える」ということでした。研究の結果、その商品が他にはない特徴を持ったものになったことは確かなので、「どういう研究をしたか」ではなく、「その研究のおかげで商品がよくなったところ」を挙げていただくようにしました。その結果、商品に対するこだわりがいろいろと出てきたようで、ホームページ制作後に商品のパッケージデザインが大きく変わることになりました。

ひと通りワークを行って、自分の商品やサービスのいいところもよくないところもわかった上で、ホームページを作りたいという気持ちにエンジンがかかると、商品そのものへのこだわりや愛情も増していきます。どうですか?うずうずしてきたでしょう?(笑) そこまでくればあとはもう実際に作っていくのみです!

次回は、「伝えたいこと」を「伝わる」ようにするための意識の持ち方についてお話します。
(第3回に続く)

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このコーナーのコンテンツは、KDDI提供の情報サイト「はじめてWEB」掲載の「エキスパート(専門家)コラム」の情報を、許諾を得てWeb担の読者向けにお届けしているものです。

※「はじめてWEB」のオリジナル版は掲載を終了しました

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