初代編集長ブログ―安田英久

まだIEで消耗してるの? NHKでも「古いIEはオワコン」と言ってるのに

1月12日はWeb業界にとってめでたい記念日です。正式に古いIEが世の中から消えていくのですから!
Web担のなかの人

今日は、企業Webサイトでの対応ブラウザとしてIEをどう扱うかの話です。というのも、今日はWeb業界にとってめでたい記念日なのです。正式に古いIEが世の中から消えていくのですから!

マイクロソフトは、2016年1月12日から、IE(Internet Explorer)のサポートポリシーを変更しました※1。これにより、多くのWindowsでIE 11しかサポートされなくなります※2。以前から発表されていたことですが、改めてNHKでニュースになっていました。

※1 サポートポリシー変更は米国時間で「2016年1月12日から開始」なので、正確には日本時間では1月12日の17:00からです。
※2 Vistaと一部のWindows Serverでは、IE 9やIE 10がまだサポートされています。残念ながら。

ということは、サイトで古いIEを正式にサポートしなくてよくなるのです!

あの、制作者を悩ませ、「とはいえ対応しなきゃいけないから」と対応を依頼すると見積額と納期が上乗せされる、あのIE対応が不要になるのです!

IE 6はすでに日本で0.02%にまで利用率が落ちていますが、ほとんどの場合で一気にIE 10まで対応しなくてよくなるのは、ありがたいことですよね。

古いIEに対応しなくていいということはどういうことかというと、いわゆる「モダンブラウザ対応」つまり「Web標準に則った作り方」をするだけで、ブラウザ対応のほとんどの部分が大丈夫になるということです(完ぺきじゃないですけどね……)。

とはいえ、使っているユーザーがいる限りは……

とは言うものの、こんなことが語られる職場もあることでしょう。

数%でも利用しているユーザーがいる限りは、サポートするべきだ。

企業ユーザーはIEが多いのだから、B2Bの我が社は、まだ古いIEを切り捨てられない。数千万円の案件になるお客さんの可能性があるのだから。

気持ちはわかります。でも、ベンダーがサポートを打ち切ったブラウザに対応し続けるのが、本当にユーザーのためになるのでしょうか。

ヤフーはすでにWindowsがサポートしていないIEを利用しているユーザーに対しては、アップデートを促すようにしています。その理由は、次のとおり。

お客様のセキュリティリスクを低減することが何よりも大事です

つまり、こういうことだと考えてください。

  • ベンダーがサポートを終了したIEには、どんなセキュリティリスクがあるかわからない。
  • サイトがそうした古いIEをサポートするということは、サイト訪問者が古いIEを利用し続けることを助けることになる。
  • ということは、ユーザーのセキュリティリスクを増していることになる。

この論旨で、情シスの人も巻き込みながら説得すれば、世の中から古いIEを消し去ることは不可能ではありません。

ちなみに、このあたりを解説した電子書籍『Web担当者よ、古い IE を捨ててモダンブラウザに今すぐ対応せよ』が、この輝かしい日に発売されました。

マイクロソフトの物江氏・春日井氏という有名人2人がIEやEdge、そしてモダンブラウザとその対応について解説し、さらにWeb担にも掲載したヤフーさんのインタビューも収録した内容です(しかも電子書籍なので380円!)。

  • Web担当者よ、古い IE を捨ててモダンブラウザに今すぐ対応せよ
  • 品種名:電子書籍
  • 発売日:2016/1/12
  • ページ数:60
  • サイズ:3MB
  • 著者: 日本マイクロソフト 物江修&春日井良隆 + 小山健治 著/伊藤秀樹 + Web 担当者 Forum 編集部 編
  • ISBN:978-4-8443-8005-4
  • URL: http://book.impress.co.jp/books/1115170147

え? 社内向けシステムで、古いIEでしか動かないものがあるって?

それなら、ドキュメントモードで古いIEに対応するモードを設定するか(特定のURLだけそういう動作をするようにしましょう指定するツールもあります)。それでもダメなら社内向けシステムだけIEを使ってそれ以外はIE以外のブラウザを使うようにしましょう。

◇◇◇

いずれにせよ、2016年1月12日は、Web担当者やWeb制作者にとって、記念すべき日です。

みんなで古いIEの冥福を祈りましょう。

ThinkStock/iStock/agrino
ThinkStock/iStock/IvanNikulin
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