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ネットショップ担当者フォーラム 特選記事

「ブランディング」を意識し過ぎると、伝わらないコピーができる件

商品のコピーに必要な要素とは(連載第2回)

この記事は、姉妹サイトネットショップ担当者フォーラムで公開された記事をWeb担当者Forumに転載したものです。

ライバル店との差別化を図り、売上を上げるために、「ブランディング」は重要です。特に、自社ブランド製品を扱っている方にとっては、ブランド名やシリーズ名、商品名を認知されるのはとても大事なこと。でも、商品コピーでの間違ったやり方で「ブランディング」から逆に遠ざかっているかもしれません。あなたは大丈夫でしょうか?

何にでも言えることは、何も言っていないのと同じ

問題です。さて、このキャッチコピーがついた商品は、一体何でしょうか?

職人の叡智を結集させた、最上級ライン。

PREMIUMシリーズ Carey(キャリー)

わかりましたか? このキャッチコピーから商品がわかったら、きっと豊かな想像力をお持ちの方なのだと思います。

正解は、バッグです。

この問題は、私が自作したものですが、このような表現、よく目にしますよね。

オリジナルブランドのバッグに付くコピーのつもりで書きましたが、アクセサリー、家具などを思い浮かべた方も多いのではないでしょうか。また、工具や機械にも通用しそうです。

もちろん、こういったコピーは写真に添えてありますから、「商品が何であるか」は、画面を見ただけでわかるでしょう。でも、それは写真の力。このコピーは何の役にも立っていません

前回、右脳に写真でアタックした後、「それを買うべきか」を判断させるのが文章の役割、という話をしました。

しかし、先ほどのコピーでは、せいぜい「高級らしい?」という程度しかわかりません。これでは、せっかく「いいかも!」と右脳を刺激してくれた写真の足を引っ張るだけです。

こういった、何の商品にでも該当してしまうようなコピーは、大抵「その商品自体の良さ」についてまったく触れていません

「ブランド名を認知してほしい!」その気持ちが空回り

ただ、ついついこういう表現をしてしまう気持ちもわかります。

広く認知されているナショナルブランドや高級ブランドと違い、多くの自社ブランド商品は、「どこの何か」を知られていません。

メーカーとして、認知してほしいという気持ちが先走って、ついブランド名やシリーズ名を優先して書いてしまう。「覚えてもらいたい」「有名ブランドになりたい!」そう考えるのが人情ってものです。

でも残念ながら、それらは真っ先に伝えるべきことではありません

名前の前に伝えるべきは「商品自体の良さ」です。例外もありますが、多くの場合、名前は二の次です。

商品名と、こけおどし的な表現を盛り込んだコピーでは、「ブランディング」から逆に遠ざかってしまうのです。

特に、アクセサリー、ファッション、バッグ、家具などの商材では陥りがちな罠です。食品でも、独自の商品名を真っ先に書いてしまうケースが同様にあります。お気を付け下さい。

写真の足を引っ張らないコピーの書き方

では、どういうコピーであれば写真を補完できるのでしょうか。それにはまず、商品の特徴やアピールポイントを書き出します

例えば、こんな風に列挙します。

  • 職人の手作り
  • 本革
  • 通勤バッグ
  • レディース
  • シンプルなデザイン
  • PREMIUMライン Carey

これらを要約し、体裁を整えます。文字数が多すぎるとコピーにならないので、同じ意味になる言葉は1つにまとめ、重複を避けましょう。

すると、こんな感じになります。

毎日使うものだから、風合いの良い本革を職人が手縫いで仕上げました。

大人の女性の通勤バッグ Carey(キャリー)

その商品が何なのか」をふまえて書くと、このように商品名をおまけで付け足してもきちんと収まるものです。ぜひお試し下さい。

日本語はダサくない! 英語はほどほどに

PREMIUM series Carey

handmade tote bag

冒頭のキャッチコピーの別の表現方法ですが、さらにすべて英字。こういうケースも多いです。

「よりオシャレに!」「雑誌風に!」と思っての、デザイナーさんの優しさだとは思うのですが……。

はい、読めません。

義務教育レベルの英語力では、そもそもこういった英字を正確に読めない場合が多いです。英語ではなく、ローマ字読みしてしまうことも多いです。これでは、名前やブランディング以前の問題ですね。

ナビゲーションやバナーについても言えることですが、視認性が第一です。「日本語=ダサい」「英語(ローマ字)=オシャレ」という漠然としたイメージは捨て、わかりやすい表現を心がけましょう

オリジナル記事はこちら:「ブランディング」を意識し過ぎると、伝わらないコピーができる件(2014/09/19)

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