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Flashを多用したサイトはSEO的に不利なのでしょうか?

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Flashを多用したサイトはSEO的に不利なのでしょうか?

SEOとFlashの関係は、昔からよく話題にあげられるものの誤解も多いトピックの1つです。今回はこの両者の関係について整理しましょう。

基本的に検索エンジン(ウェブ検索)のクローラは、テキストを取得してページが何について記述されているかを理解するものであり、画像や音声、動画などのマルチメディアファイルは内容を解析することができません。ある時期に、SEOを考慮するウェブサイト制作においてFlashが避けられることを懸念したマクロメディア(現アドビ社)がYahoo!と提携して検索エンジンフレンドリーなFlashの開発に乗り出しました。現在は“一応”、テキストコンテンツについてFlashはクロールできるようになっています。たとえば、Googleで「1 2 3 4 5 filetype:swf」と検索してみると、図1のようにFlashファイルが検索結果にヒットします。また、Yahoo!ビデオ検索ででもFlashファイルが検索可能です。

図1 Googleに限らず、現在の検索エンジンはテキストコンテンツであれば検索できる。ちなみに「1 2 3 4 5 filetype:swf」と検索してFlashコンテンツがヒットするのは、再生前のカウントダウンを入れているコンテンツが多いから。

以上のことから、Flashはクロール可能であり、したがってFlashを利用してもSEOは可能だと思っている方もいるのですが、残念ながらFlashを利用するならSEOの効果は限定的になるというのが現時点での結論になります。これは、「検索エンジンがクロールできる」ことと「サイト制作者が最適化できる」ことは別問題だからです。つまり、Flashコンテンツが何について記述(表現)しているかを検索エンジンに適切に伝えるための手段がないために、Flashコンテンツを任意のキーワードでランキング上位に表示されやすいように最適化することは困難なのです。

したがって、「サイト全体をFlashのみで構築する」ということはSEOの観点からは基本的にNGです。たとえば東芝の公式サイト図2)のように表現上必要な部分に限定的にFlashを利用するか、FlashとHTML版両方を準備して対検索エンジンにはHTML版で確実に検索にヒットするような対応が必要です。

図2 クリエイティブの都合上Flashを使わざるを得ない場合は、同様のHTML版を用意する。また、部分的な利用でも、東芝のサイトの例のようにHTML版を用意することできちんと検索エンジンに情報を伝えることができる。

また、サイト内で張り巡らされるリンクがFlashによるものの場合、つまりグローバルナビゲーションなどがFlashで作られていると、クローラがリンクを巡回できない恐れがありますので、同等のリンクをページ上の別の場所(たとえばヘッダーやフッターなど)にテキストで(a要素で)設置しましょう(図3)。

図3 ユーザビリティやユーザーエクスペリエンスを考慮すれば、当然Flashでナビゲーションを構築しなければならないケースはある。その場合は同一ページの別の場所にテキスト(静的な)リンクを設置することでクローラビリティを確保する。たとえば、近畿日本ツーリストのページでは、Flashのナビゲーションとは別にフッターに共通のナビゲーションを設置している。

※記事の内容は、執筆時点のものです。検索エンジンの仕様は頻繁に変わるため、将来においてもこの内容がそのまま該当することは保証できません。

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用語集
Flash / HTML / SEO / クリエイティブ / クローラビリティ / クロール / グローバルナビゲーション / ナビゲーション / ヒット / ユーザビリティ / リンク / 検索エンジン / 静的コンテンツ
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