大規模サイトのCMS導入と成功ポイントとは(後編)

前編の検討事項を踏まえたCMS導入における具体的な成功ポイントをご紹介します。
※この記事は読者によって投稿されたユーザー投稿のため、編集部の見解や意向と異なる場合があります。また、編集部はこの内容について正確性を保証できません。

前編では、CMS導入の際に検討するべきWebの役割整理や複雑なサイトを統合管理するCMS構想についてご紹介しました。
後編では、前編の検討事項を踏まえたCMS導入における具体的な成功ポイントをご紹介します。

③ CMS選定ポイント

前編で述べた通り、一昔前の企業や商品情報の配信としてだけのWebサイトから、ブランディングやマーケッティング機能を担うチャネルとして進化を遂げている企業サイトは、各企業の方針毎に多様化・複雑化しています。

したがって、固有の要件を満たすCMSを選定するには複雑な要件を落とし込んでいく必要があります。

以下に、概要ではありますがCMS選定ポイントをご紹介します。

 

導入形態
ライセンス、ASP、オープンソース、SaaS対応など・・・形態は様々存在するが要件・価格・汎用性・拡張性などを判断
基本機能と拡張性
様々なサイトや機能を保有する大規模サイトでは今後の取り組みを柔軟に実行できるよう拡張性も見据える
操作性
現在のCMSは操作性をうたっているものも多数存在します。実際の運用者が本当に操作しやすいものか事前にデモンストレーションなどで確認しましょう
言語
開発者・運用者が対応可能な言語か、またグローバル化を見据え、多言語対応が可能なものかどうか
セキュリティ
SSL対応や定期的なバージョンアップ、バックアップ機能などの有無
動的ページ運用
大規模サイトの場合、SEO対策やLPO、最適な検索・ページ遷移などを実現する為に動的ページの生成が必須となります
マルチな動作環境
複雑なサイトや機能を保有するサイトでは統合管理する上でマルチなOS・DB・ブラウザ対応等が可能か
マルチデバイス対応
キャリア毎や端末、ブラウザ毎に自動振り分けやテンプレート指定振り分けなどマルチデバイスへの対応が可能かどうか
マルチサイト対応
異なるドメインやサーバーを複数抱える大規模サイトの場合同一ライセンスで一元管理可能かどうか
マーケティング対応
SEO対策やLPO対策、コミュニティ機能などマーケティングの為の施策が標準機能として搭載されているかどう か
外部システム連携
大規模サイトの場合、会員システムやECシステム、ERPや在庫管理システムなど既存の基幹・外部システムやAPI連携が必須
既存からの移行
新たなCMSへの移行の場合、既存のシステムやコンテンツをスムーズに移行できるものを選定すると良い
保守・サポート
大規模サイトの場合、リリース後も保守やサポートが必須となる。いかに自社の意向に沿ったサポートが可能かどうか
価格
CMSの費用はライセンス費だけでなく、開発やランニング、トレーニング費用などトータルコストを検討する必要あり

 

④ 失敗しないプロジェクト推進のために

Webの役割やKPI、ガバナンスの策定、最適なCMSの選定が完了し、いざプロジェクト開始となってからスムーズに納品まで進めたいところですが、プロジェクトが始まってからこそ・・意外と問題山積みとなりリリースまでにバタバタするなんてことを経験されるご担当者様も多いのではないでしょうか?

 

<プロジェクトが開始されてから陥りがちな失敗例>

  • プロジェクト推進部門の責任者様
    ・要件定義を始めるとやりたい事が増えていくが、予算が決まってるので融通が利かない

    ・唐突に、しかも急を要しながら確認や承認が多数発生する

  • プロジェクト推進の現場責任者様
    ・後から後から検討事項や必要書類が増えて、ドタバタなまま進行する
  • 実際に運用する現場担当者様
    ・しっかり考えたつもりなのにいざ運用してみると意外とCMSが使えない

 

プロジェクトを出来る限りノントラブルで進行し、運用開始後もスムーズに稼働が出来るよう予め抑えておきたいポイントをご紹介します。

 

<CMS導入における成功ポイント>

  1. 企業側、パートナー会社それぞれがプロジェクト体制を確立し、 部署や担当者ベースで担当範囲や役割、権限を明確にしておく
  2. WBS(work breakdown structure / 作業分解図)を策定すること。 単なるスケジュールだけでなく、企業側の検討事項も含めた必要タスクやTODOも反映させること
  3. WBSと連動し、各プロセス毎の必要アウトプット、担当者、承認者、 承認期間をあらかじめ策定し関係各位に合意を取った上でプロジェクトを開始すること
  4. 設計時にはいきなり機能や画面・仕様の設計から入らずに、必ず運用や業務のフローを明確に落とし込んだ上で設計に反映すること。ここをスキップすると結果的には使えないCMSが出来上がる
  5. CMSの設計では、機能・テンプレート共に必ず汎用性や拡張性を加味すること。特に基本テンプレートや構造を見誤ると後々で 膨大な改修を余儀なくされることも・・

 

以上、現在サイトの見直しやリニューアル、CMSの導入・切り替えを検討されているご担当者様の少しでもヒントになれば・・ということで簡易的ですが成功要因を紹介させていただきました。

 

なお、マイクロウェーブでは上流の要件定義から運用までのサポートや支援も行っております。

もしご検討する中で不安を感じられている場合は、是非お気軽にご相談下さい。

 

■本コラムの元記事はこちら
大規模サイトのCMS導入と成功ポイントとは(後編)

 

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