初代編集長ブログ―安田英久

「芸能プロダクション提携」「県内一の医師数」はNG 美容医療ホームページのガイドラインを厚労省が作成

医療機関のホームページの内容の適切なあり方に関する指針(医療機関ホームページガイドライン)
Web担のなかの人

今日は、医療機関のホームページに記載してはいけない内容や記載するべき内容に関して厚生労働省が発表したガイドラインについて。

厚生労働省は、9月28日に「医療機関のホームページの内容の適切なあり方に関する指針(医療機関ホームページガイドライン)」を発表しました。

ガイドラインでは、美容医療サービス等の自由診療を行う医療機関のホームページ(Webサイト)において、次のような内容は掲載すべきでないとしています。


医療機関のホームページに掲載すべきでない内容
  1. 内容が虚偽にわたる、又は客観的事実であることを証明することができないもの
    • 加工・修正した術前術後の写真等の掲載
    • 「当院では、絶対安全な手術を提供しています」
    • 「どんなに難しい症例でも必ず成功します」
    • 「一日で全ての治療が終了します」(治療後の定期的な処置等が必要な場合)
    • 「○%の満足度」(根拠・調査方法の提示がないもの)
    • 「当院は、○○研究所を併設しています」(研究の実態がないもの)
  2. 他との比較等により自らの優良性を示そうとするもの
    • 「○○の治療では、日本有数の実績を有する病院です」
    • 「当院は県内一の医師数を誇ります」
    • 「芸能プロダクションと提携しています」
    • 「著名人も○○医師を推薦しています」
  3. 内容が誇大なもの又は医療機関にとって都合が良い情報等の過度な強調
    • 任意の専門資格、施設認定等の誇張又は過度な強調
      • 「知事の許可を取得した病院です」
      • 「医師数○名」(意図的に古い情報等を掲載しているもの)
      • 「○○学会認定医」(活動実態のない団体による認定)
      • 「○○協会認定施設」(活動実態のない団体による認定)
      • 「○○センター」(医療機関の名称又は医療機関の名称と併記して掲載される名称)
    • 手術・処置等の効果・有効性を強調するもの
    • 医療機関にとって便益を与える体験談の強調
    • 提供される医療の内容とは直接関係ない事項による誘引
      • 「無料相談をされた方全員に○○をプレゼント」
  4. 早急な受診を過度にあおる表現又は費用の過度な強調
    • 「ただいまキャンペーンを実施中」
    • 「期間限定で○○療法を50%オフで提供しています」
    • 「○○100,000円50,000円」
    • 「○○治療し放題プラン」
    • 「顔面の○○術1か所○○円」
  5. 科学的な根拠が乏しい情報に基づき、国民・患者の不安を過度にあおるなどして、医療機関への受診や特定の手術・処置等の実施を不当に誘導するもの
    • 特定の症状に関するリスクを強調することにより、医療機関への受診を誘導するもの
      • 「○○の症状のある二人に一人が○○のリスクがあります」
      • 「こんな症状が出ていれば命に関わりますので、今すぐ受診ください」
    • 特定の手術・処置等の有効性を強調することにより、有効性が高いと称する手術等の実施へ誘導するもの
      • 「○○手術は効果が高く、おすすめです。」
    • 特定の手術・処置等のリスクを強調することにより、リスクが高いと称する手術等以外のものへ誘導するもの
      • 「○○手術は効果が乏しく、リスクも高いので、新たに開発された○○手術をおすすめします」
  6. 公序良俗に反するもの
  7. 医療法以外の法令で禁止されるもの
    • 薬事法
    • 健康増進法
    • 不当景品類及び不当表示防止法
    • 不正競争防止法
※それぞれの内容がどういった場合になぜ掲載するべきでないのかは、ガイドラインの解説を参照。

医療に関する広告は、医療法により限定的に認められた事項以外は、広告が禁止されてきましたが、ホームページ(Webサイト)に掲載する内容に関しては、これまで法規制はありませんでした。

しかし、Webサイトに記載されている治療内容や費用と実際の受信時における説明や対応が異なるなどのトラブルが増えてきたことから、今回、ガイドラインが定められたものです。

とはいえ、広告に関しては法律に違反した場合に行政指導・中止命令や是正命令・告発・行政処分といった罰則が定められているものの、今回発表されたガイドラインでは罰則は定められていません。

あくまでも美容医療サービス等の自由診療を行う医療機関のホームページは引き続き原則として法の規制対象と見なさないこととするものの、ホームページの内容の適切なあり方について、指針を定め、関係団体等による自主的な取り組みを促すものとして、このガイドラインは定められています。

ちなみにガイドラインでは、「掲載すべきでない事項」だけでなく、「掲載すべき事項」も次のように定められています。

医療機関のホームページに掲載すべき内容
  • 通常必要とされる治療内容、費用等に関する事項
  • 治療等のリスク、副作用等に関する事項

ガイドラインでは、医師の個人ブログであっても医療機関の公式Webサイトからリンクされているのならば同様に配慮すべきとしています。また、明示はされていませんが、ホームページだけでなく、医療広告ガイドラインで広告とはみなされていない「オプトイン方式のメールマガジン」も対象に含まれると考えておくほうがいいでしょう。

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