初代編集長ブログ―安田英久

SEO会社や制作会社はライターを抱えて編プロ機能も備えていけばいいと思う

「良質なコンテンツを作る」ための編集プロダクション的な機能
Web担のなかの人

今日は、SEO関連の話題を。特に、SEO事業者さんがこれまでのようにSEOをするだけでなく、“良質なコンテンツを作る”ところまで事業として行えればいいのではないかというお話です。そして、その動きはWebサイト制作会社さんにも言えるのではないでしょうか。


グーグルは、彼らの向かう「検索ユーザーにとって良いコンテンツを検索結果で上位に表示する」ことを実現するために、昨今、かなりの改善を進めており、その成果が出てきているようです。

もちろん、まだまだ完全にはほど遠いとは思いますが、以前に比べると、中途半端なSEO“施策”の効果というのがなくなってきている印象があります。

実際のところ、かなり本格的に検索エンジンを研究してSEOに注力しているところ以外は、「検索エンジン最適化」のためにできることとしては「ユーザー理解」「ニーズに合ったコンテンツ作成」「クローラー対策・最適化」「ソーシャルメディア活用」といったことぐらいではないでしょうか。


そこで提案です。SEO会社さんは、まっとうなコンテンツを作る「編集プロダクション」の機能も併せてちゃんともつ体制を進めるというのはどうでしょうか?

検索エンジンが高く評価するのは、「ユーザーの役に立つ良質なコンテンツ」です。そして、ユーザー理解に基づいて良質なコンテンツを作るには、やはりそうした能力をもった人の力が重要になってくるのです。

ウェブデザイン“っぽい”ことはだれにでもできますが、プロのデザイナーの仕事は素人の仕事とは格が違いますよね。

デジカメがあればだれでも写真をとれますが、プロのカメラマンさんの撮った写真はやっぱりレベルが違いますよね。

それと同様に、だれでも文章を書いてコンテンツを作れますが、やはり文章なりコンテンツのプロの仕事は、質が違うものです。

いまなら、紙媒体の仕事が減って困っている往年のプロのライターさんや編集者さんたちが世の中にたくさんいるはずです。そうした人たちを組織化すれば、「SEOにも役立つ、企業の自社メディア向けコンテンツを作成する編プロ」という側面を持つことができ、企業サイトに「良質なコンテンツ」を提供できるのではないでしょうか。

ちなみにここ最近、企業の自社メディア強化の動きがさらに強まってきていることを強く感じています。ソーシャルメディアの重要性を理解するにつれ、その役割と対比する形で自社メディアの大切さが実感されてきているのでしょうか。

コンテンツのプロに仕事を頼むにはコストがかかりますが、それなりの規模の企業が本気で自社メディアを強化しようとするのであれば、発注側が中長期的な視点で考えられれば、採算が合わないとは思いません(実際にそうしてプロの手を借りて長年かかって自社メディアのコンテンツを強化していっている企業も存在します)。


もしプロのライターや編集者に頼むほどの予算はないがある程度のコンテンツ数がほしい場合は、主婦ネットワークを利用したクラウドソーシング的なコンテンツ作成部隊という手も有効でしょう。

ディレクター(編集者ですよね)がトピックと対象キーワードを提示してネットワーク内のライターさんに記事を執筆してもらい、出口では改めて編集者がチェックして品質管理されたコンテンツに仕上げるというものですね。

この場合、間違っても、ゴミのような駄文やパクり文章を垂れ流すコンテンツファーム的な動きにはしてはいけません。そんなアウトプットを出す人にはどんどんNGを出し、逆に、良い文章を書く人は報酬をアップし、さらにそうした人を「リーダー」として質のチェックなどもできる形にしていけるといいですね。

できるならば、各コンテンツの執筆者には、タイトルや扱うトピックだけでなく、「どんなターゲット向けに」「それを読むことでどんな価値が得られるコンテンツを」執筆するのかという、対象ユーザー像&ゴールの共有をちゃんとしたいところですね。


この「編プロ機能」「コンテンツ作成部隊」は、SEO会社さんだけでなく、Webサイト制作会社さんにも有効なのではないかと思っています。実際、SEOがこんな状況になる前は、「制作会社に編集機能を備えるべきだ」と力説してたものでした。

そして、SEO会社さんのなかには、実際に上記のような動きをして成果を出しているところもあるようです(質を保つのは大変なようですが)。

時代の変化とともに、SEO会社も制作会社も、成すべきことが変わってきています(もちろんメディアも)。そうした変化に対応していきたいものですね。

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