【レポート】Web担当者Forumミーティング 2011 Autumn

ソーシャルゲームも企業サイトもECも今やクラウドの時代 | 日本マイクロソフト+FIXER

クラウドサービス「Windows Azure」を中心に、クラウドの特徴やクラウドの活用法について解説した
Web担当者Forum ミーティング2011 Autumn

セミナーイベント「Web担当者Forumミーティング 2011 Autumn」(2011年11月8日開催)の講演をレポートする。他のセッションのレポートはこちらから。

「ソーシャルゲームも企業サイトもECも今やクラウドの時代~Web担当者のための やさしいクラウド入門」と題した講演では、日本マイクロソフトでクラウドプラットフォームのWindows Azureを担当する関田文雄氏、Webコンサルティング会社のFIXER 代表取締役社長 松岡清一氏の2名が登壇。クラウドサービス「Windows Azure」を中心に、クラウドの特徴やクラウドの活用法を解説した。

サービス発注側・制作側双方の課題解決につながるクラウドサービス

日本マイクロソフト株式会社
デベロッパー&プラットフォーム統括本部
エバンジェリスト
関田 文雄氏

「Web担当者Forumミーティング 2011 Autumn」では唯一、クラウドをメインのテーマとして取り上げたのが本セッションだ。はじめに、日本マイクロソフトでWindows Azureを担当している関田文雄氏が、クラウドを採用する理由をWebサービスの「発注側」と「制作側」の2つの視点から説明してくれた。まず、発注者側の視点で見ると、Webサービスの設計時に発注側を悩ませるのは、(1)トラフィック予測が困難、(2)コストを抑制したい、(3)グローバル展開、という3点。これらの3点を同時に解決できるのがクラウドの利点だと関田氏は話す。

今までのレンタルサーバーなどでは、トラフィック予測が大きく外れたときの迅速な対応は困難ですが、スケーラビリティのあるクラウドはサーバーを増減することで利用量に合わせた対応ができます。コスト面でも大規模データセンターを持っているクラウドなら、規模の経済により費用を安くできる。またグローバル展開しているクラウドなら、1つの契約をすれば複数の国でサービスを提供できます

一方、制作側はやはり、「突然のトラフィック変動への対応」や「インフラ運用コストの抑制」といった発注サイドと同じような問題を抱えるほか、「システム全体の信頼性」も大切になってくる。これらの課題に対しても「従量課金制度を導入しており、ピークに合わせた運用ができるクラウド」の採用や、「ハード面だけでなくOSやミドルウェアなどもサービス提供側が管理するPaaS型クラウドの採用」によって解決できると関田氏は説明する。

発注側・制作側双方にとって課題解決に役立つクラウドプラットフォームの代表が、同社が提供するWindows Azureだ。数十万台規模のデータセンターを有する同プラットフォームは、“規模の経済”によって低コストの従量課金を実現。インスタンスは1時間あたり3.5円、ストレージは1ギガバイトあたり1ヶ月12.24円を実現している。またWindows AzureはPaaS型のクラウドであるため、OSやミドルウェアまで管理されているため、ソフトウェアのインストール作業なしに登録後すぐに利用ができる。障害検知も自動化しており、サービスが止まらない仕組みになっている。

クラウドサービス選択のポイント
コスト
  • 規模の経済によってコストは変わる
  • 運用面によってコストは変わる
運用
  • 運用はどこまで自動化されているか
  • グローバル体制は備わっているか
信頼性
  • 稼働率はどのレベルまで保障されているか
  • 実績は十分あるか
スケーラビリティ
  • リソースの増減は「分/時間/日」どのタイミングで可能か
  • 変更は管理画面から容易に可能か

クラウドだから信頼性がないのではないかと言われるが、クラウドの方が信頼性に優れる場合もある。Azureを利用したソーシャルゲーム、企業サイト、ECなどの事例はどんどん増えてきているので、安心してご利用いただきたい」と関田氏は強調した。

ソーシャルゲームのビジネスは21世紀型の替刃式カミソリモデル

株式会社FIXER
代表取締役社長
松岡 清一氏

セッション後半は、Fixer 代表取締役社長の松岡清一氏による「Web担当者のためのクラウド発想法」と題する講演が行われた。

松岡氏は、Webのプラットフォームの構築と運用では、システムなどを「作る技術」と、それらを「使う技術」を組み合わせ、最適化したうえで提供することが価値創出につながると説明。従来、開発者はシステム開発など「作る技術」で利益を上げることができたが、クラウドビジネスにおいては、「使う技術」の方が重要になってくると言う。

事実、クラウド時代では「プラットフォームを過剰に供給」するビジネスモデルが注目を集めている。このようなビジネスモデルは、決して新しいものではなく、身近なところでは替刃式カミソリや、コンシューマーゲーム機が代表的だ。そして現在では、グリーに代表されるソーシャルゲームも、同様のビジネスモデルに当てはまる。「ソーシャルゲームは、ゲームソフト(替刃)の配布もゲーム機(カミソリの柄)も、安価にスピーディーに供給できます。21世紀のカミソリモデルだと言えます

そしてこのソーシャルゲーム業界を支えているクラウドサービスが、開発環境は変えずに月次コストの大幅削減や維持・保守業務からの解放に貢献し、信頼性も高いWindows Azureだと言う。

最後に松岡氏は、クラウドサービスをローカルドライブのようにアクセスできる米国発のサービスGladinetを、日本で展開することを表明。会場の期待を集めた。

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