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PPCランディングページの最適化:6つの対策

ランディングページからのコンバージョン率が悪いのは、顧客のせいではなくあなたのせい
この記事はもともとSEOmozのYOUmozセクションに掲載したものですが、われわれのコミュニティにとって非常に興味深く、大きな価値をもたらしてくれるのでこちらのブログに格上げしました。筆者の意見は筆者独自のものであり、SEOmozの考え方を示すものではありません

コンバージョン率が低いランディングページがあるだろう。しか残念ながら、それは顧客のせいではない。なぜ自分の製品が素晴らしいのかを顧客に伝えるのは君の仕事だ。それも、5秒以内で伝えなければならない。それがランディングページだ。

新人マーケターにもベテランマーケターにも役立つよう、PPC広告のランディングページでしょっちゅう見かける「典型的な落とし穴」を回避するためのチェックリストをまとめてみた。グーグルアドワーズのキャンペーンを実施する前に、このリストにある推奨策を検討してみてほしい。

この記事で説明するのは、次の6点だ。

  1. カーソル位置をあらかじめ指定しておく
  2. アイコンタクト
  3. 顧客の声
  4. 信頼保証
  5. 見出しを来訪者の意図と一致させる
  6. 行動喚起は1つだけ

では、1つずつ解説していこう。

1. カーソル位置をあらかじめ指定しておく

君のランディングページには、顧客に入力してもらいたいフォームフィールドがあるかな? もしあるとすれば、面倒を減らしてコンバージョン率を高めるために、ページが読み込まれたら、自動的にカーソルが最初の入力フィールドにあるようにしておくといい。

これは些細なことのように思えるかもしれないが、僕が実施したテストのすべてで、このわずかな違いがコンバージョン率に大きな影響を与えていた。優れた実例として、eHouseOffersがサインアップページで行っている工夫を見てみよう。

ページ読み込み時にカーソルの位置を指定

具体的には、JavaScriptを使って、ページの読み込みが完了したらフォームの入力項目にフォーカスを移すという動きになる。

2. アイコンタクト

たとえば高速道路を北に向かって走っているときに、南に向かう反対車線で事故が起きたとしよう。君はどうする? 多分振り返って、他のみんなが見ているものを見るだろう。当たり前に思える人間の振る舞いの1つだが、自サイトのランディングページについてデザイナーと話し合う際に伝え忘れてはならないことだ。

どういう意味かって? まあ、コンセプトは単純。これを「人は、他人が見ているものを見る」原則として考えよう、ということ。要するに、人は必ずしも君の広告クリエイティブではなく、主人公となるグラフィックの被写体が見つめる先を見る傾向があるということなんだ。

アイコンタクト
http://usableworld.com.au/2009/03/16/you-look-where-they-look/
メイングラフィックの赤ん坊がこちらを見ているデザインよりも、赤ん坊が右のテキストを向いているデザインのほうが、テキストに注目が集まりやすい。

上記のヒートマップが示すように、ランディングページは高速道路の事故となんら変わりない。君は他人が見ている先を見る。だから、ランディングページに人物を配置したクリエイティブを使う場合、PayPalがランディングページで行っていることを手本にして、被写体が行動喚起ボタンの方を見るようにしたらどうだろう?

アイコンタクト
PayPalのサイトの例。人物の視線がボタンに向いている。

3. 顧客の声

信じられないほど効果的なもう1つの戦術は、顧客の声(オススメの言葉など)をランディングページに掲載することだ。見込み客との間に信頼を構築するためには、すでに顧客となっている人に称賛の声を上げてもらうこと以上に優れた方法はない。

Sono Bello Body Contouringを真似してサイトのヘッダーに配置する必要はないが、ランディングページのどこか、たとえばサイドバーなどに顧客の声を配置するといいだろう。

顧客の声をランディングページに掲載

4. 信頼保証

実質コンバージョン率に関する最初期の先達の1人だったブライアン・アイゼンバーグ氏を語らずして、ランディングページのチェックリストを作ることなんてできない。同氏が著書『Always be Testing』の中で紹介している最も役立つヒントの1つは、信頼性を示すアイコン、つまり同氏が「信頼保証」と呼んでいるものを、行動喚起ボタンの隣に配置することの重要性に関するものだ。この原則を実施している例として、Provent Therapyが睡眠時無呼吸症治療のランディングページで施した方法を見てみよう。

信頼保証

奇妙に聞こえるかもしれないが、こうした信頼性を示すアイコン(ベリサインのセキュアロゴからVISAのロゴ、業界における受賞歴を示すロゴまで各種ある)をできる限り行動喚起ボタンの近くに置くことが重要だ。なぜかというと、顧客がこうしたシンボルを見つけて安心するからだ。変だと思うかもしれないが、実際にこうしたロゴが信頼を強め、コンバージョン率を高めてくれる。

5. 見出しを来訪者の意図と一致させる

ランディングページの最適化で忘れてはならないのは、グーグルアドワーズの品質スコアだ。品質スコアが高ければ、1クリック当たりのコストが減少するだけではなく、総獲得コストを減らすのにも役立つ。

品質スコアの算出には、キーワードの関連性や広告コピーなど多くの要素が絡んでいるが、ランディングページの見出しをできるだけうまく使うように、常に心がけなくてはならない。具体的に説明すると、訪問者がランディングページにやってきたら、そのランディングページは実際に彼らが(1)検索し、(2)広告をクリックした結果として表示されたものだということを、訪問者たちに思い出させるようにすべきだ。

※Web担編注 つまり、ユーザーが使った(だろう)検索キーワードや、リスティング広告のタイトルや説明文からユーザーが期待するだろう言葉(タイトルで使っている単語そのものなど)を、ランディングページの見出し(まず目につく部分)にしっかりと入れるということ。

サンフランシスコの新興企業Red Beaconは、これをしっかりと実践し、標的型ランディングページを作成することで早々と成功を収めた。消費者をサービス専門家につなげることに特化した同社のサイトは、2009年のTechCrunch50で首位に輝いた。

見出しを意図と一致させる
ランディングページの見出しにある「professional plumber(プロの水道工事士)」は検索キーワードに対応して検索ユーザーの意図を受け止めているし、「44%オフ」という表現は(おそらく)広告文を見た人の気にしている点を受け止めている。、

6. 行動喚起は1つだけ

ランディングページで多くのことをやろうと詰め込んでいるのを見かけることが多いが、これはよくある間違いの1つだ。たとえば、訪問者に55個のことを行うよう求めたとしたら、おそらくあっという間に立ち去ってしまうだろう。しかし、ある1つの行動だけを促すことに集中すれば、訪問者たちに望ましい行動を取ってもらうことが可能になってくる。

ホスティング型エクスチェンジサーバーから優れたSEO専門書まで、単純だが優秀なランディングページを持つサイトに事欠くことはないが、このコンセプトを忘れてはならない。単純なものを選び、その行動だけを取るように人々を促す。ランディングページに関しては、「過ぎたるは及ばざるがごとし」という古い格言がまさに真実を突いている。

行動喚起は1つだけ
「無料サインアップ(Sign Up Free)」という1つのボタンに絞っている例(しかもサルの目線はボタンを向いている)。
◇◇◇

つまるところ、すべてのランディングページに対応できる万能の策などない。確かに使えるアプローチはたくさんあるし、デザインのアイデアを得られる便利ギャラリーサイトもある。だが、コンバージョン率最適化の原則を理解すること、そして、まさに君が求めているものを提供できる才能に恵まれたデザイナーと協力し合うことが何よりも大切だ。これに代わるものは存在しない。

今回は、網羅的なランディングページのチェックリストではないが、願わくは、ランディングページに適用できる重要な原則について、上記の例で大まかに理解してもらえますように。君がうっかり、最適化が足りなくてお粗末なコンバージョンしかもらたらさないクリエイティブに多額の広告費を費やしてしまう前にね。

用語集
JavaScript / PPC / SEO / アドワーズ / キャンペーン / クリエイティブ / コンバージョン / コンバージョン率 / サイドバー / リスティング広告 / 訪問者
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