初代編集長ブログ―安田英久

仕事は「知ってる人」ではなく、映画監督モードで「最適な人」に頼む

スタッフとしてとりあえず「知っている人」「以前に仕事を頼んだことがある人」を割り当てていませんか?
Web担のなかの人
仕事は「知ってる人」ではなく、映画監督モードで「最適な人」に頼む

今日は、仕事のチーム作りや外注スタッフの選定について。自戒を兼ねて、考えを整理してみました。

あなたは、何かの案件を進める際に、スタッフとしてとりあえず「知っている人」「以前に仕事を頼んだことがある人」を割り当てていませんか?

Webの仕事をしていたら、いろいろなタスクがあります。プロモーションの設計、新規サイト制作、マーケティング用の事例記事作成、リスティング広告の運用、バナー広告の作成など、すべてを自分がやるわけにもいきませんし、部内のスタッフだけで進められるとは限りません。ですから、他の部署の人に仕事を頼んだり、外部のパートナー企業に仕事を依頼したりするでしょう。

その際に「前もあの人に頼んだから」という理由でスタッフを割り当てることは多いものです。頼み慣れている人、付き合いやすい人に仕事を発注するのは、たしかにスタッフ選定の工数を減らせますし、コミュニケーションのコストも減らせます。

しかし、本当にその選び方でいいのでしょうか?

たとえばメディア運営でいうと、記事を書いてもらうという仕事は日々発生しています。しかし、最善のアウトプットを出そうと思ったら、少なくとも、サイト構築系の記事とマーケティング系の記事では、それぞれ別の人に執筆を頼む必要があるでしょう。同様に、初心者向けの記事と上級者向けの記事では、最適なスタッフィングは異なってくるはずです。Web担の記事を全部同じ筆者さんが書いていたらどうでしょうか?

同様に、制作会社さんでも、デザインが得意なところ、RIAが得意なところ、ユーザビリティが得意なところ、SEOが得意なところ、コンサルティングが得意なところ、記事コンテンツ作成が得意なところなど、会社によって、ディレクタさんによって違います。

案件の特性にかかわらず頼み慣れている人に仕事を頼むということは、かける工数を削減する代わりに、成果物のクオリティを下げている可能性があります。

たとえば映画制作を考えてみましょう。映画では、台本に最適な役者を見つけるために数千人の人から主役をオーディションで選ぶこともあります。映画監督によっては、イメージどおりの人を探し続けて、想いにピッタリの人が見つかってからプロジェクトを開始する人もいます。

いつも頼みやすい役者さんに仕事を頼んでいると……それは映画ではなく2時間ドラマですよね。

もちろん、日々の作業では、時間や予算の制約がありますから、いつもいつも映画監督のように「本当に最適なスタッフが見つかるまで全世界から探し求める」わけにはいきません。業界の暗黙の了解をわかっている人でないといろいろと大変な場合もありますし、NDAを結んだり、取引先台帳に登録したりと、新しい人に仕事を頼むと面倒なこともあります。

でもやっぱり、「この仕事を頼むのに最適な人は誰なのか」を、出来る限り検討して頼みたいものです。

予算がない、時間がない場合でも、ざっくり検討して新しい候補を探すことはできるはずです。「まぁ今回もあの人でいいんじゃない?」という頼み方から一歩先に進むには、日々「機会があれば頼むかもしれない」人のリストを作っておくといいでしょう。また、仕事を頼むときに知っておいてもらうべきことを、事前に資料として整理して作っておくのもコミュニケーションコスト低減にいいでしょう。

そうした工夫をすることで、今よりも少し「この案件はだれに頼むのがいいか」を掘り下げられるようにすると、もっと良い仕事ができるようになると思いませんか?

自戒と、我が社のメンバーに対するお願いとを兼ねて。

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