縦長LPはコンバージョンに寄与しない!? ファーストビュー完結型が実はベター【WACUL調べ】

サイト分析・改善提案サービス「AIアナリスト」で、BtoBサイトのLP30件を無作為に分析。

WACUL(ワカル)は、研究レポート「縦長LPはコンバージョンに寄与するのか?BtoBにおけるランディングページ(LP)のベストプラクティスに関する調査」を発表した。AIによりサイト分析・改善提案を行う同社サービス「AIアナリスト」を使い、対象サイトのLP30件について、分析を行った。

「縦長サイト」より「ファーストビュー完結型サイト」が、実はLPの有効戦略

一般的にランディングページ(LP)については、「縦長のサイト構造が、高い成果をあげる」とされている。とくにBtoBのLPにおいては、さまざまなコンテンツを盛り込んで訴求する縦に長いLPの作成が定石とされる風潮もある。

この通説に対し、WACULでは、BtoBサイトのLP30件を無作為に抽出し、LPの縦の長さ(縦ピクセル数)とCVRの相関関係について調査を実施した。なおBtoBのサイトの場合、会社PCでアクセスする場合が多いと考え、PCでの閲覧に絞っている。ファーストビューのサイズも、「縦解像度設定を768pxにした場合にブラウザ内で見える範囲」を想定している。

その結果、縦ピクセル数とCVRの相関係数は「約マイナス0.23」だった。縦ピクセル数とCVRについてマッピングした散布図を見ても、とくに傾向は見いだせない。

一方、「コンテンツがファーストビューで完結しているか」という観点でCVRを見ると、完結しているサイトは、完結していないサイトに対し、CVRが1.64倍に向上している。とくにファーストビュー内に「サービス名の明示」「サービス概要の明示」「CV(CTA)ボタンの設置」を行っていたサイトはCVRが高かった。こうしたサイトを本調査では「ファーストビュー完結型サイト」と呼称している。

CV(CTA)ボタンの配置位置、補完的なテキストで大きなCVR差

ファーストビュー完結型サイトには、コンテンツが完結していなくても、ファーストビュー下部に空白や仕切り線を置くなど、一画面だけでページが完結しているように見せるデザインを採用しているサイトもいくつか存在した。

ファーストビュー完結型サイトと、その条件を満たしていない完結型ではないサイトを分け、それぞれCVR平均を測定したところ、ファーストビュー完結型は1.15%、そうではないサイトは0.70%だった。

またCV(CTA)ボタンについて、目に留まりやすいファーストビューの中央に設置しているサイトと、ヘッダー部分などファーストビュー中央以外にCVボタンを配置しているサイトとで、それぞれCVR平均を算出したところ、中央にCVボタンを置いたサイトはCVR平均が1.10%、ヘッダーに設置したサイトは0.83%だった。

そして、CVボタンに、単純に「資料請求」「資料ダウンロード」とだけ書かれたサイトと、「3分でわかる資料ダウンロード」「まずは資料請求」のように、補完的な文言が加えられているサイトとで、それぞれCVR平均を算出したところ、CVテキストに補完的文言が付帯しているサイトのCVR平均は1.16%、それが見られないサイトは0.80%であった。いずれもボタンの配置やCVテキストの工夫が、CVRの向上をもたらしている。

以上から同調査では、「ファーストビューで完結しているように見せる設計」「ファーストビュー中央の目立つ位置にCVボタンを配置」「CVテキストには補完的文言を付帯」といったLP施策が、CVR向上に重要だと指摘している。

調査概要

  • 【調査対象】「AIアナリスト」に登録されているBtoBサイト
  • 【調査方法】調査ツールとしてAIアナリスト「WACUL」を使い、対象サイト群を分析
  • 【調査期間】2019年5月1日~8月31日
  • 【CV】「資料請求」
  • 【対象数】30件(流入元を同一に揃えて検証)
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